依頼達成後のひと時 その1
激戦から数十分後
チーム・ペロロンは月下城の2室を提供されていた
男性と女性という形でクママ・不変とノッホ・サヤの部屋割だった
戦いで生まれた友情というのか、部屋の提供を提案されるとすんなり事は運んだのだ
男性部屋ではクママと不変がベッドに腰掛け向かいあっていた
不変の炎は自由に燃やせなくしたり燃やそうとしたり出来るらしく今はもちろん燃やさないように調整していた
パッシブスキル「炎纏い」であり、見た目以上の温度らしい
そんな中でクママが話しをきりだした
「意志疎通も最初きりでしたし、まさか人の姿をして現れるなんて思いませんでしたよ」
クママがそう言ってきた
「我も想定外でびっくりだった。しかし、こうして世界を感じれるのは素晴らしいな。いつも境内の中が我の世界だったからな。巫女が世界を話してくれたが、こうして動けるとは夢にも思わなかった」
不変は体を動かし、何かを感じていた
「月下より強いのには更にびっくりしましたよ。刀の時からかなりな切れ味で助かりましたけど」
クママは感嘆していた
「我だからな!ベルゼブブとも渡り合えると思わんか?」
不変はドヤ顔でクママを見ていた
「そこは測りかねますね。ベルゼブブは変身しているようですし、ただ、オーケストラが不変さんに効くとすればあるいは・・・」
クママが顎に手を当てて考えていた
そこへ月下と百夜がやってきた
そして椅子に腰かけた
「・・・じい。話せ」
月下は最初に会った時のテンションに戻っていた
普段は口数も少なく顔の表情も乏しかった
「クママさんに不変さん。折り入って話したいことが」
百夜は顎をさすりながらクママと不変を一瞥する
「実は若がしばらくチーム・ペロロンの皆様に月下城に留まって頂きお互い高みに登ろうと仰いましてね」
百夜の提案は意外すぎてクママの目が点となっていた
「え、あ、え?どうしてまた・・・?」
クママがしどろもどろになっていた
「いえね。サヤさんと不変さんは伸び代が大きい。若はもうずっと高みに登れそうな人間を探していたのです。モンスター同士では伸び代があんまりないのです」
クママがまだ動転したままだったがそこに不変が割りこんできた
「百夜よ。お主は見る目があるな!我がこの世界に受肉したのは何か意味があるのだろう」
百夜の方を見つめる。そして月下の方も
「・・・そうだ」
月下が一言言うと百夜が続けた
「ベルゼブブが強すぎるのです。例えこの世界の人間や私達が手を取ろうと勝てる気がしないのです。ただ若は元々人間でしてね。鍛えることによる能力アップがまだまだ期待出来ます。サヤさんなんかは若に似たものを感じますし、不変さんからも何か感じますしね」
不変はそう言われてニコニコしている
「う~ん。そうですね。ベルゼブブの狙いが何かなのかは未だに不明ですが、強くなるのはよいことですね。ただ月下がこれ以上強くなるのはちょっと歓迎出来ませんが。あはは」
クママは頬を掻きながらそう答えていた
「御心配なく。若は戦闘にしか興味がございません。もう原住民には何も期待していないので無益な殺生もないと保証しましょう。現に南東エリアに人間は戻りつつあります。私めの眷族が目を光らせているためゴブリン等も寄ってきませんしね」
確かに百夜の言うとおり街道に敵の姿はなくヴァンパイアとしか遭遇していなかった
「確かに治安はよさそうですね。もしかして依頼で出された食事は原住民が作ったものですか?」
クママに冷静さが戻って来ていた
「はい。治安を提供する代わりに、農作物等を納めさせています。北東エリアよりもいいですよ。南東エリアは統一戦争の後は殺し合いもほとんど起きてませんし、広大な土地があるため収穫もよいのです」
クママは顎に手を当てて考えていた
「月下の目的はベルゼブブを倒すことってことでいいのかな?それと気になることがあるんだがいいかな?」
クママが月下に問う
「・・・そうだ。なんだ気になることとは」
月下が不満そうに話せという雰囲気を出していた
「ベルゼブブともう一人?影だけだったんだがベルゼブブと似た強さを感じたやつがいたんだが知ってるか?」
クママの何気ない一言だったが、月下と百夜が思わず立ちあがった
「な、なんですと?そんなやつの存在は知らんぞ。密偵からも報告はない」
百夜が顎をさすりながら何かぶつぶつ言っていた
「・・・ふむ。あの時の魂で何か召喚したな」
月下が天井を見上げた
「あのときですか!私めの眷族が大暴れした時、魂だけもっていかれた時ですな?」
百夜が何かを思い出したかのように月下に頷いた
「・・・そうだ」
月下も頷く
「ちょっと待ってください。統一戦争のときですか?ベルゼブブに匹敵する敵の存在は知らないってことですね?」
クママが割って入る
「・・・うむ」「そうです」
月下と百夜が同時に頷く
「俺も影のことは全然知らないのですよね」
その時だった
「我はあの影と何か因縁を感じるのじゃ。我はあやつと戦わなければいけない気がする」
不変が拳を握りしめながら話した
「密偵に指示を追加しておきましょう。ベルゼブブが二体とかやりあうのは無理です」
百夜は顎をさすり、そして魔法陣を作り上げ何かコンタクトをしていた
「しかし、そうなりますと、ますますサヤさんと不変さんには強くなっていただきたいですね」
「・・・そうだな」
月下と百夜が顔を合わせ頷いた
「しばらく月下城に居ていただけませんかね。もちろん女性の方々にもこの話しをしていただきたいですしね」
百夜は月下のほうを見つめ、そして頷いていた
「俺達はまだ疲労が抜けてないのでそうしてもらえると助かります。この後聞いてみます。不変は既にやる気のようですけどね」
クママの隣で嬉しそうに体を動かし始めていた不変に呆れた顔を見せる
「あれ?受けないのか?エリアボスと修行とか燃えるだろうに。サヤも喜んで受けると思うぞ」
クママはサヤの口角が上がる想像が容易く浮かびあがった
「確かに・・・。まあ、ノッホの意見も聞かないとですし、俺達としては首都も気になっていたのですがね」
クママがそう言うと
「クママさんとノッホさんで首都に行ってみられては如何ですかね?ベルゼブブも今北東にいないのは確実でしょうし、私もちょっと首都に用がありましたので。若とサヤさん、不変さんが残られて修行でいいと思われます」
クママは渋った顔をしていた
「信用に足るかは不明ですが、強さで言えば不変さんが一番でしょうし、私めもクママさんノッホさんコンビには劣りましょうぞ」
百夜は真剣な顔をしていた
「そうですね。それも伝えてみましょう」
クママがそこまで言った後月下と百夜は去っていった
「パーティとしては強くなったほうがいいんだけどね。ベルゼブブを倒した後とか考えると怖いよね」
クママが一人でぶつぶつ考えていた
「我が最強ならそれで問題あるまい!」
不変は特に気にせずそう言っている
「ベルゼブブはきついんじゃないか?というかベルゼブブの領域のとき動ける自信はあったのか?」
クママは何気ない一言のつもりだった
「我はあの時確かに刀の身であったが、サヤが動けたのは我のおかげであると思う」
クママは顎に手を当てて考えた
「確かに不変の強さがサヤに伝わって動けていたとなると、なんとなく釣り合う気はするね」
実際に月下の領域内で何不自由なく不変は動けていたし月下の攻撃を見切っていた
ベルゼブブの時も不変だけとしてみるならば、何不自由なく斬りかかっていたのだ
「なんでも我は大天使らしくてな!もっと体を動かしていけば何か思い出すかもしれぬしな」
不変は威張ったような格好をとっていた
「今日は夜も遅い?し明日にしましょう」
南東エリアに入ってからは常闇でどうにも朝昼の感覚が鈍っていた




