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月下城 その4

クママ・ノッホが共同で百夜と戦っている隣ではサヤと月下が睨みあっていた

サヤと月下は互いに一撃を繰り返しては距離をあけるということの繰り返しをしていた

長期戦が不利なのはサヤもわかっていたが、なかなか攻略の糸口がつかめずにいたのだ

「・・・もっと力をだしてみせよ」

月下が呟く

「ハンッ。そう言われたら戦い方を変えるしかないようだね」

サヤがそう言うと不変を手放した

ただノッホがこっそり補助魔法をかけてくれたのか重圧は幾分和らいでいた

月下が一瞬驚いた顔をしたがすぐ納得したようだった

「・・・なるほど」

「若。サヤさんは格闘のほうが優れているようですなぁ」

百夜もまたあまり余裕はないが一瞬戦いを見る余裕はまだあった

「・・・うむ」

月下は元々武器を持っていなかったので戦闘の様子は一変した

サヤの右拳と月下の左拳がぶつかり弾ける

サヤが大きく仰け反るがそのままバク転し体勢を戻す

月下は拳と拳のぶつかり合いに嬉しそうな顔をしていた

「やはり格闘が一番だよなぁ。サヤァ!」

月下の口調が一変した

月下の口角が上がり喜々としている

それから数度、拳と拳がぶつかり合う

「クッ。さすがに生身ではきついな」

サヤもイキイキと動きだしたが、肉体強度が全然違った

フェイントを交え、回し蹴りも繰り出すが月下は防ぎきった

「ほう。しなりで威力をあげるのか。女性らしい戦い方と言えそうだな」

「私は特に体が柔らかくてな。しかしここまで見事に防がれるとは。世の中には上がいるものだな」

サヤは汗が止まらなかった

地面に滴となって落ちる

「いやはや人間にここまで強いのが居たとはな。思ってなかったもので嬉しいぞ」

月下が拍手する

サヤは馬鹿にされた気がして連撃を放つが月下は回避する

「では、こちらもそろそろいきますよ?」

そう言うと殺気がこもりだした

くるっ。そして瞬きも忘れて回避に専念しようとした

月下は右ストレートを放つ

百夜のレイピアほどの速さはないがそれでも今まで生きてきた中で一番速い右ストレートだった

かろうじて避けるが左耳の辺りから凄い音が聞こえてきていた

「チイッ。くそったれ」

サヤが思わず悪態をつく

「ふははは。素晴らしいな。俺の配下であれを回避するのはじいともう一人だけだぞ。」

月下は片手で顔を覆うと笑っていた

笑っているが指と指の隙までこちらを伺っており隙があるようでなかった


「ちょっと試すか」

そう心で呟くと不変から返事があった

「一撃必殺か?」

不変の予想は当たっていた

「そうだ。てか大人しいからてっきり寝てたのかと思ったよ?」

「月下を観察してたのだ。あれで本気ではないな」

サヤも静かに頷いていた

「私も思ったところだ、まだこっちの動きを観察してる気がする。だからこそ使って有利に出来ないかなと思ってね」

「そうだな。思い切ってまた我を拾ってもいいのだぞ?」

サヤははっとした顔をした

「そういえば実はお前を手放したら領域内での動きが悪くなった。それもありだな」

「クママの指示なのか、しばらくしたらノッホがお前に補助魔法かけていたな」

「フム。それでだいじょぶだったのか。てかやはりお前もクママが指示してるように思ってたか」

「百夜に対してもなんだかまだ余裕を感じる。残念だがやはり完成度の点ではサヤはまだまだ甘い」

サヤは歯ぎしりしたが事実であったのですぐ歯ぎしりをやめて実行することにした


「はあああああああ」

サヤが叫びながら右ストレートを放つ

月下もサヤの拳に合わせるように左ストレートを放つ

またもサヤの右拳が弾けるはずだった

だが月下がうずくまっていた

こっそり一撃必殺を使用していた

月下の左腕は骨がむきだしになり血が滴り落ちていた

「なんとっ!若、大丈夫でいらっしゃいますか?」

百夜は少し取り乱していた

それほど怪我するのは珍しかったようだった

「じい心配するな。これほどの威力は久々に味わったぞ」

月下は痛みよりも喜びを感じているようだった


たたみかけようとしたが体が動かなかった

月下の様子が更に一変していたためだ

そして百夜の領域が月下の領域へと上書きされた

月の色が黄色から赤くなり、月下の眷族と思われる者達がみな跪いて整列していた

「じいも下がれ、ここからはお前たちのパーティとしての力を見てみよう」

言葉に圧がある

百夜はクママとノッホに一礼すると下がった


チーム・ペロロンは先ほどとは比べ物にならない圧力を感じていた

ベルゼブブほどではないにしろ動きにくい

サヤは突き刺したままだった不変を抜くと領域の力から開放されるのを感じた

どうやらクママとノッホはそれほどの圧を感じていないようだった

「ではいくぞっ」

チーム・ペロロンの総力戦が幕を開けた

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