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月下城 その3

「若から血が!?ベルゼブブ以来ですぞ!?」

じいが興奮していた

「若、じいも是非こちらのクママとノッホを相手にしたくなってきましたぞ!」

じいが叫ぶと月下は頷いた

「ほっほっほっ。許可がおりましたので少しじいの相手をお願いしますぞ」

じいが指を鳴らしていた

「じいさんあんた戦えるのか?」

クママが答える

「ほっほっほっ。これでも真祖の一人なのですよ」

クママとノッホが思わず顔を合わせびっくりする

「真祖がもう一人・・・?」

クママが呟く

「そうですとも。ただの執事と思われましたかな?」

異様な殺気がクママとノッホを包みこんでいた

「わたくしめの名は、百夜。若はわたくしめより後に真祖になったものです。若の方が強いので下で働くことにしたのです」

紳士のような雰囲気は消え、真祖としての百夜がそこにいた

「・・・殺すなよ?」

月下が百夜にそう言った

「こちらのクママさんのほうが強いのは若も御存じでしょう?わたくしめも体を動かさないといざというとき動けないと辛いです」

クママが苦笑いする

「いやいや俺は強くないですよ?」

クママは顔の前で手を振る

「謙遜なさるな。サヤさんのほうが潜在能力は高いですが、完成度ではあなたのほうが断然優れている。経験もあるでしょう?」

百夜が殺気を放ちながらクママを睨んでいた

「やれやれ。俺は怠けたいんですがね」

そう言うと剣を抜いていた

レイピアではないのにサヤが驚いた

「レイピアはどうした?」

サヤが月下を睨みながらそう言う

「多分レイピアじゃ百夜の体を傷つける前に壊れるんですよね。この剣、魔法剣ですので壊れないはずですし」

クママも百夜を睨みながら言った

「ほぅ。やはり見込み通りの御方だ」

百夜はにこりとするが目は笑っていなかった

そして百夜も剣を抜いていた。百夜はレイピアを持っていた

「出来れば剣は抜きたくないんですがね。俺は本職バッファーなので」

そう言いながら勢いよく踏み込むと剣を振っていた

百夜は思わず仰け反った

想定より速かったのだ

サヤよりは遅いのだが、剣の扱いは断然クママのほうが慣れていたのだ

「ほう。やりますね。これはどうですっ?」

百夜から鋭い突きが勢いよく放たれる

それも何度も

だがクママは上半身だけで回避していた

「遊んでるのか?ヴァンパイアがレイピアとは聞いたことないよ」

クママは冷や汗を垂らしながら未だに回避し続ける

そして体勢が不利なため剣を振るうも速度も威力も十分ではなかった

「遊んでいませんよ。クママさんもレイピアのほうが?慣れているのでしょうね。太刀筋が若干鈍く感じます」

百夜のほうは汗は出ないが、緊張感は伝わってくるが楽しそうでもあった

「今だ!ノッホ!」

クママが急に叫ぶとノッホが一気に魔法陣を展開させていた

百夜の足元に魔法陣が浮かぶと百夜の顔が歪んだ

「ぬおっ!?これは!!」

「・・・じい。久々の実戦で鈍ってたのか」

月下もサヤと対峙しあまりこちらの戦線は見れていないが反応はしていた

「そうですなぁ。若、嬉しい誤算でございます」

百夜が笑う

魔法陣に抗うように天に手を向けると詠唱を始めていた

「百夜の名の元に、我が血を糧にこの魔法を解除したまえ。ブラッディ・ディスペル!!」

百夜が叫ぶと血飛沫があがると共に魔法陣が解除されていた

そして百夜の顔つきが変わっていた

「ひぃ~、ヴァンパイア向けの魔法陣解除されましたぁ~」

ノッホが声を上げていた

百夜はそのままクママを睨めつける

「まさかここまで魔女がやるとは思いませんでした。それにいつの間にか指示したクママさん。やはりあなたは見込み通り強いですね。久々に本気でいきますよ」

そういうと百夜の体つきが変化していた

白髪だったものが黒く染まり顔も若くなっていた

ただ細いだけだった印象のある体も筋肉が盛り上がっているのを感じる

そして領域が現れていた

城内のはずなのに、巨大な月の下へ移動していた

「・・・じい。俺まで連れてきてどうする」

月下が呟いていた

これにはサヤも思わずびっくりした声を上げていた

「ベルゼブブの時は空が紅く染まったがそれぞれ違うのか・・・?」

クママが思わず呟いたのを百夜は逃さなかった

聴覚も優れるのだ

「なんと!?ベルゼの領域で生きていたのですか。なるほどますます面白いパーティですね」

百夜は豪快に笑いだした

月下も笑っていた

「どういう・・・意味だ?」

「はっはっは。ベルゼほどの実力者の領域に入ったら重圧で死にますね。耐えたとしても精神に異常をきたすものがほとんどです。それほどの強さなのですよ?他にベルゼに指の洗礼も受けたのでしょう?ベルゼ好きなのでねあれ」

百夜は喜々とした表情のまま話していた

「人差し指を下に向けるやつか?あれのおかげで話すことすらままならなくてね。死を感じたよ」

クママは当時を思い出し思わず背筋に何かを感じたのか体を震わせていた

「すばらしい!!そして我が領域に入ってもなお立っていられる。そのことがまた素晴らしい」

百夜は拍手していた

「我々は領域と呼ばれる自分の力を発揮させて相手の力を抑える技を持ってるのですが、その領域で普通にしていられるのは強者のみなのです」

百夜はにこっとするとレイピアでまた突いてきた

クママは前以上に苦戦する展開になっていた

皮一枚でなんとか回避している

「ふむ。サヤさんも先ほどよりは鈍っていますが動けるとはやりますね」

百夜はサヤと月下の方を見ると二人もまた先ほどよりぎりぎりの攻防を繰り広げていたのだった

「・・・じい。怠けすぎ」

月下がぼそっと呟く

「はっはっは。この者達を褒めるべきですぞ。そこいらの眷族共より全然動けておりますしなぁ」

百夜が笑ったが一瞬で真顔に戻ると後ろに大きく跳びはねた

百夜が居た場所に凄まじい氷の塊が突出していた

「ノッホさん。凄いな。この状況化でまだ魔法を放ってくるとは」

百夜が顎をさする

ノッホは悔しそうな顔を滲ませていた

「これも通じないとは。真祖といわれるだけのことはあるってことですね」

クママも苦笑いをしていた

「お褒めにあずかり光栄です。属性抵抗も高いのですが、さすがに上位魔法を直撃はきついもので」

百夜の目が鋭くなっていた

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