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ジェレノイ平野にて その2

チーム・ペロロン一行は驚いていた

何気ない会話でもクママは楽器を鳴らしていた

ある程度までの敵は寄りつけず、それ以上の存在であれば気付くはずだったのだ

目の前の武人は気付かせずに20mぐらい先に立っていたのだ

その武人は目が紅く、髪はぼさぼさで整髪されておらず、立派な髭を伸ばしていた


「拙者の名はブヘイ。ここを月下様のエリアと知っての狼藉かっ」

圧倒的な声量にびっくりする

「俺の名はクママ。月下より依頼を受けたパーティだ」

クママがすかさず気圧されないように返答する

「ほう。月下様の依頼か。それでは手合わせ願おうか。ここを抜けたパーティは数少ないぞ?」

そう言うとブヘイは地面をぐっと蹴り込むと一気に間合いを詰めてきた


「サヤさん。相手を頼みます!」

クママがそう言うとサヤは目配せで答えると不変を抜刀して斬りかかった

クママは楽器をギターに変更させていた

ノッホもサヤに補助魔法を掛け始めていた


ブヘイは素手で襲いかかって来ていた

サヤが不変を振るうがブヘイは間合いに入らずこちらを睨んでいる

「小娘。その得物はまだ慣れていないだろう?本物の得物を用意せい!!」

ブヘイは一刀で見きっていた

「生憎弱いのにはこれで十分さ」

サヤはそう言いながらじりじり間合いを詰めようとする

「フン。生意気な後悔しても知らんぞ」

ブヘンはそう言うと一気に間合いを詰め、ボディブローを狙ってきた

サヤが不変を振るうが、下にくぐられた

「ナッ」

腹部にそれなりのダメージを感じた

「ほう。あの曲と補助魔法結構強いようだな。それに魔法防具か。腹部を貫けなかったのは初めてだ。誇れ小娘!」

そう言うと不変の間合いから離れるブヘイ

ノッホが回復魔法をかけてくれているのか、腹部の痛みが和らぎ癒しを感じる

「ほう。遠距離回復魔法とな。そっちの娘もなかなかやるようだな」

ブヘイはノッホを一瞬睨むとサヤに視線を戻す

二人で円を描くように地面に足跡がつく

サヤは腹部の感触が戻りつつあることを確認すると一振り二振りとブヘイに斬りかかる

ブヘイの皮を斬る感触は感じるが手ごたえはない

「ほう。刀の振り速度が変わるな。さすがに拙者も回避できる自信がない。先ほどの言葉は謝罪しよう小娘」

ブヘイの目つきが先ほどより鋭くなったのを感じた

「まさかここまで回避されるとは予想外だ。楽しいっ!!」

サヤは目が輝き口角が上がっている

「むう。もう回復されたか。あの娘も強いな。どうしたそこの男。楽器鳴らしてるだけか?」

クママの方をじっと見るが、クママは涼しい顔で視線を外している

「ぬぅ。確かに月下様が依頼しただけあるパーティのようだな。久々だ。拙者より強そうな相手と巡り合えたのは」

ブヘイはそう言うと歯ぎしりをしていた

その刹那、ブヘイの左腕が吹き飛び、鮮血が辺り一面に迸る

「口だけ達者になったのか?隙だらけだぞ?」

クママを見た隙を逃さず不変を振り払ったのだ

振り速度倍加のパッシブを最初から最後までそのまま使用したのは初でブヘイは回避不可能だった

「かはっ。人間に後れを取るなど・・・」

「オラッ。死にナァ」

そう言うとサヤは一気に不変を振り払う

「月下様申し訳ありません。拙者は先に・・・」

そう言うとブヘイは消え去っていった


「ふぅ。オーガより強いぞ。あんなのが百近くいるのか。複数で襲われたらさすがにきつそうだな」

サヤは額の汗を拭いながら言った

「基本エリアの端って弱いのが鉄板なんですよねえ。ただあの口ぶりだと結構強い方かも知れませんね。どちらにせよあまり遭遇したくはありませんね」

「うん~。ただ一匹一匹思考持ちと言う噂は本当みたいですね~」

ノッホがそう言うとサヤが怪訝そうな顔をする

「思考持ち?」

「人間に匹敵する頭脳持ちの敵をそういうんです~。強さがハンパなく思考持ちは最低、ランクAのパーティで討伐出来るか不明と言われます~」

サヤが顎に手を当て考え、しばらくすると顎から手を離した

「前助けた原住民パーティでどのくらいの強さなんだ?」

「ちょっと待ってくださいねえ~。リーダーはドリィさんっぽかったですよね~?」

ノッホがクママに訊ねていた

「そうだね。パーティの中でも装備、腕前共に一番のようだったしね」

「それで検索してみますぅ~」

そうノッホが言うと魔法陣が浮かびあがり何やら文字列が浮かびあがってくる

「ありましたぁ~。パーティランクCですぅ~。ドリィさんがリーダーで合ってますぅ~」

ノッホがそう言うとクママが溜息をつく

「あれだけのメンバーが居てランクCっていうと個人個人はかなり弱い。道理でゴブリンのモンスターカーニバルで全滅しそうになるわけだ」

ノッホも頷いていた

ただ洞窟でモンスターカーニバルはレアケースらしく仕方なかった

「あいつらここを抜けてきたんだろ?弱すぎて見逃されたってことか?」

「月下が戦闘狂らしいし、手下もそうなら考えられるかもね。さっきのブヘイと会ってたら、全滅してただろうね。傷をつけることも出来ずウォーミングアップぐらいにしかならないかも」

クママが淡々と答える

「原住民弱いのだな・・・」

サヤも溜息をつく

「たしかにそうですねえ~。原住民でパーティ登録していて、ランクA以上が勇者のチームのみですぅ。ランクAからは勇者チームに入るって感じなんですかねえ~」

ノッホは首を傾げ顎に人差し指を当てて考えていた

「たぶんそうだろうね。激戦が多いだろうし、死者も出るだろうから育った原住民は勇者チームに入るって流れが一番そうだね」

みんな納得したように顔を合わせた


「我らも勇者チームに入ったらスカウトされるのかな?」

不変がワクワクそうに聞いてきた

「どうだろうな。原住民だけじゃないか?それに私は多人数を好まない。クママもノッホもそうだったはずだからスカウトされても断ると思う」

「フム。そう言われればそう言ってた気もするな。どうなんだろうなあ。美女多いのかな。美女!」

サヤが少し不機嫌そうに答える

「多いんじゃないか?魔女っていってたっぽいし、セクシーなんじゃないか?巫女っぽいのが好みだと思ってたんだが・・・」

「はっ。巫女はよかったぞ!ぽよんぽよんとしてたわわでむっふふ」

不変は思考がどっか行ってしまったようだった


「そう言えば楽器を変えたようだけど、ブヘイクラスを感知できるように変えたのか?」

サヤはふと流れる曲が変わっていることに気付いたのだ

「そうだよ。どうやら弱い敵がそもそも存在しないっぽいから感知範囲を広げるためにハープにしたんだ」

「奏でる曲も楽器毎に違いますしぃ~。ハープは結構広い範囲に届くんで味方強化系が多いんですけどね~」

ノッホが補足してくれた

「で居そうなのか?」

「いや。居なさそうだし、先ほどの戦闘で疲れたでしょ?そろそろキャンプにしよう」

「そうですねぇ~。魔法時計が夜を告げてますしね」

そう言われ確かにお腹も空いてきたようだし、みんなでキャンプの準備に入った

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