モップル洞窟にて その3
ドリィ達はまず率先して亡くなったメンバーを外に運びたいということで帰還することになった
メッフィも運ぶ手伝いのため抜けることとなった
ただ「入り口で待ってますね」とメッフィとドリィに言われたのが気になったが
チーム・ペロロンは魔法系防具を求めてさらに奥に入っていた
先ほどの戦闘で大方敵が片付いてしまったのか敵と遭遇することはなかった
「サヤさん、反応が近いのでそろそろのはずですぅ」
ノッホが魔法陣を出しながらそう言った
「ありがとうノッホ。おっ、クママ、ノッホ、こっちこい。宝箱あるぞ!」
「この宝箱で間違いなさそうですぅ」
ノッホがずれそうになったメガネを元の位置に戻しそう言った
「じゃあ開けていいか」
「ちょっと待ってくれ」
クママがそう言うとサヤが蹴りあげて開けようとした宝箱を観察しはじめた
「ちょっと魔法発動させてみるから離れてくれ」
そう言うとクママが魔法を発動させた
実はクママも魔法を使えると始めて知った
「おいクママは、まだまだいろいろ隠してるのか?そう言えば何が出来るか聞かなかったが、聞かれなかったから言わなかったとか難癖タイプなのかな」
「後者っぽいよな。クママもノッホも口数も多いわけじゃないしな。ジュピの無駄にはしゃぐ感じは必要だったな」
サヤは見えない空のほうを向きジュピを思い出していた
「そうだな。この様子だとノッホもまだまだ底が知れない気がしてきたな」
「ダナ。一応恋人同士らしいし、この世界最強の恋人かもなあ」
「やっぱ強いやつが好きなのか?」
恋愛はさっぱりそうだが聞いてみた
「ウ~ン。昔は付き合ったりしたやつもいたが、今は戦闘が旦那みたいなもんだしな」
「はぁ、やっぱりそうか・・・」
そこで変化が起きたので意志疎通は終わりとなった
「やはりミミックか!」
クママが宝箱を判別出来る魔法を使ったらしい
宝箱から怪しく赤く光る目がこちらを見ていた
クママに襲いかかろうとした矢先だった
サヤがスキル一撃必殺を使った回し蹴りを放ったのだ
一瞬でミミックは砕け散った
「ミミックを一撃・・・??サヤさん凄いよ!」
クママが思わず感嘆の声を上げていた
「ウン?こいつ強かったのか?」
砕け散って不格好となった宝箱の方を親指でクイッと示した
「ミミックは防御力がかなり高くてね。魔法も効きにくいから長期戦必須な敵なんだよね。まさか一撃なんて」
「上位魔法にも耐えきっちゃうやつなんですよぉ~?」
サヤはアクティブスキルの一撃必殺を使ったと説明した
クママとノッホも初耳だったようでビックリしていた
「なるほど。まだまだ知られていないスキルはあるようですね」
クママとノッホは頷いていた
ノッホは何かにメモしていた
「さてミミックも倒したことですし、開けてみますか」
クママが宝箱を開けるとそこには
微かに発光する布系防具が出てきた
「サヤさんにいいかもね。これなら格闘の邪魔にもなりにくいでしょ?」
クママはサヤに魔法防具を渡した
「ちょっと着替えてみるか」
そう言うとクママが居るにも関わらずその場で着替え始めたのでノッホが慌てて遮蔽物のような魔法を唱えクママに見えないようにしたのだった
着替えてる最中ぼそっとした声でクママとノッホが喋っていた
「サヤさん美人だけど俺のタイプじゃないし、ノッホに着替えられたほうが恥ずかしくなるよ」
「そういいながらも目が釘付けだったじゃないですかぁ~。ちゃんと見てるんですからねっ」
「突然着替えるからビックリして見ただけだよ。そう言えば最近見てないな」
「も、もう~!けど野宿じゃなくて~どこか宿屋とかで泊まりたいね~」
「そうだね。体は洗えるけどなんかね。船だとそこいらの心配ないから聞いたのに・・・」
サヤはそこで船旅を聞いた理由がそれだったのかと理解した
「着替えもこの道具入れでどうにでもなるからよかったんですぅ。日本みたいにバッグとか必要だったら無理ですぅ」
サヤもそれは納得だった。この道具入れは便利だった
ふとサヤはノッホの年齢が気になった
身長は低い。140cmぐらいで童顔だ
声は小さいので判断が難しいが、見た目からするとクママは犯罪レベルだろう
「まあ気にするよね。同じの2,3着持って洗濯してるの気付いてる人どれぐらいだったろうね」
サヤは気付いていなかった
「サヤさんは気付いてないかもですぅ。まあ足音立てないように浮遊してこっそり外に出て洗濯してるのもありますしぃ」
「浮遊!?」
サヤは思わず声に出したが、気付かれなかったようだ
不変も同じ反応だった
もっと聞き耳立てていたかったが、着替え長すぎも不審がられるので今度思い切って聞いてみることにしようと誓い遮蔽物の外に出た
「どうだ?もうちょっと動いてみないとなんとも言えないが鏡がないしなあ」
「似合ってますぅ~。鏡ですかぁ~。ちょっとお待ちを~」
ノッホがそう言うと魔法陣を作り上げ、魔法陣を覗くと鏡のようにサヤが見えた
「露出が多い気がするけどまあこんなもんか」
踊り子のような格好だった
ヒラヒラが舞い、格闘と合わせると様になりそうだった
「じぃ~。クママの考えてること当てようかぁ~?」
ノッホがクママを睨んでいた
「いや。あんなヒラヒラで防御力上がってるのか不思議に思えてね」
「あ~話し逸らしたぁ~」
サヤはこれが世に言うバカップルというやつなのかと一人納得していた
「ちょっと叩いてみるか」
そう言うと腹にパンチを繰り出すが殴られた感触がなかった
「なるほど。確かに防御力ありそうだな」
「ふえっ!?まあ魔法防具は傷つかないらしいのでいいんですけどね」
クママもノッホもビックリしていた
「ああ、すまんな。確認方法まずかったか?不変で斬るよりはましだと思ったんだが」
サヤは至って真面目な顔のままだった
「ま、まあ一旦入り口に戻りますか」
普段冷静に見えるクママがビックリした顔とか普段喋らないノッホが喋ったり不思議な空間だったなとサヤは思った
大広間はすっかり片付いていた
どうやら遺体の運搬等は完了しているようだったのでそのまま入り口へ向かう
入り口まで戻るとドリィ達が待っていた
「お目当ての物ありました?」
メッフィがまたもクママの手を握ってきらきらした目で言ってきた
ノッホがツーンとしている
「これだ。どうだ似合っているだろうか」
サヤが後ろから現れ姿を見せると原住民パーティの男達から歓声が上がる
「やれやれ。私やメッフィもそれなりにかわいいはずなんだがな」
ドリィが溜息交じりに話してきた
ドリィは鎧を着たうえで巨乳とわかる体付きだった。美人だ。
メッフィもサヤよりは大きい。おっとりしていて美人と言えばみんな頷くだろう
魔法防具のおかげで露出が増えたので艶めかしさが上がっていた
「ご覧の通りですよ。御蔭様で入手出来ましたよ」
クママがお礼をすると、メッフィ、ドリィ共にいやいやといった対応をしていた
「私達は一旦北東エリアに戻る予定ですが、クママさん達はどうなされるので?」
ドリィが訊ねてきた
「依頼の途中でしてね。月下の元へ行かねばならないのですよ」
クママがそう言うと、ドリィとメッフィの顔が暗くなった
「依頼ですか。それは仕方ないですね。出来れば助けてもらったお礼を首都でしたかったのですが」
「そうです!ただクママさん達強いので月下も倒せそうですよね。勇者様が一番強いって言われたベルゼブブ倒したんですし、勇者様と同等の力を持ってそうなクママさん達なら必ず!首都でお待ちしてますよ!」
いつの間にかドリィもクママの手を握っていた
ノッホから呪いの声が聞こえてきそうだった
「イグルシド家の客人である。と首都の門番へ言ってもらえば中にすんなり入れるように手配しておくよ。案内もつけよう」
「いえ!神教の客人とお伝えください!私がお出迎えにあがります!」
メッフィとドリィがいつ間にか火花を散らしている
「あはは。月下の依頼が終わりましたら、そのまま首都へ向かう予定でしたのでその時はお世話になりましょうかね」
「ぜひっ!」
メッフィとドリィが声を合わせて言った
ノッホからはもはや闇の気配が見える
「それでは気をつけて首都へ戻ってください」
クママが一礼すると後ろでノッホがあっかんべーしていた
「はい!首都でお待ちしてますね~」
ドリィがそう言うと手を振りながら原住民パーティは帰路へとついた
「さて俺達もぼちぼち月下の元へ向かいますかね。まだ日数に余裕はあるんだけど、何が待っているかわからないからね」
そうクママが言うと地図を広げた
現在南エリアで南東エリアにもう近かった
クママ、ノッホ共に南東エリアには行ったことがなかったのだ
メッフィが言うには南東エリアは治安がよいのか敵も少なくすんなり南西エリアに来れたとのことだった
ただ常闇らしく遠くに見える月が南東エリアだけは巨大に見えるとのことだった
ノッホの照明魔法が強くなければ、ドリィ達も巻き込む必要がありそうだったが杞憂で済んだのは嬉しかった
敵が少ないが月下の精鋭が待っているだろうとのことで月下城近くはきついだろうとのことだ
月下の精鋭。百で10万の騎士団を葬っている
サヤはやはりというべきか恍惚の顔だった
ノッホの機嫌も治っていた
「やはりサヤはライバルとは見られていないな」
不変は笑いを堪えていそうな声で言ってきた
「オイ。くそ刀放り投げるぞ」
サヤはイラついていた
「ノッホはわかりやすいな。だがメッフィもドリィもわかりやすかったな。クママ冴えない顔していてなかなかモテルな」
「どうなんだろうな。強いやつがモテルのかなこの世界は。指示はしっかりしてたし、レイピアもさまになってたしな」
「そう、そこだ。レイピア使いで魔法出来て指示出来るし、おまけに楽器とかなんでも屋状態じゃないか」
サヤが顎に手を当て考えた
「確かにそうだな。多少冴えない顔でも好むやつはいるかもな。ノッホとか!」
「あの二人は謎だな。冴えないおっさんに幼児体型の少女っぽいのが付き合ってるとか」
二人はしばらくウ~ンと唸っていた




