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理不尽との会合

そしてアレから更に1ヵ月が経過していた。


シンはダンジョン9階層で魔物相手に黙々と剣を振るっていた。


既に双剣術はステータス抜きでもスキルLv1中位までの腕前に昇華していた。

何もない状態からのスタートならここまで早くは無かっただろうが双剣術スキルを所持していた為自身の素の動きとスキル使用時の動きを比較修正を繰り返す事が出来た為ここまで早く至る事が出来た。

スキルを持って居なかったらここまで来るのに更に5ヵ月は先になって居ただろう。


アレから永遠とダンジョンで剣の腕を磨いているがそろそろきちんとした金策をしなければヤバい、ただでさえシャワーのついた比較的贅沢な宿に泊まっているのに収入があまりないのは不味い。実際何とか今の収入で宿代は払えているがそれ以外が一切出来ない。完全に宿代で相殺されている。

一応金貨2枚を持っているのだが、此れだけでは現在必要なものを全てかい揃えるのは無理。


「取り敢えずギルドで依頼でも受けてみるかな…」


因みに今のシンのギルドランクはD最上だ。おそらくもう直ぐCに上がるだろう。

矢張りソロで階層主の出す其れなりの質の魔石をを換金しているせいかランクの上りが早い。




翌日の早朝シンはギルドのクエストボードの前で割のいい仕事を探していた。


「…、ゴブリン集落の一掃が一番割が良いか…ただ逃がさずに一掃するのはソロの俺にはキツイな…」


シンは今までの経験から若干人間不信に陥っているのでパーティーを探すと言う解決策を全く思いつかない。


「となると、このビックボア討伐だな」


シンは依頼表を剥ぎ取り受付に持っていく。


「これの受注を頼む」


「はい、ビックボアの討伐ですね。シン様が依頼を受けるなんて珍しいですね。」


「受けた事が無かったからな…、何事も経験だ」


「なるほど、受注完了しました。」


シンは軽い雑談をしながら依頼を受注しギルドを出て行った。



依頼書に記載されている場所は近隣の村で、森から出て来たビックボアに畑を荒らされているらしい。

報酬は銀貨15枚、現在確認されているビックボアは5体、これの討伐とその後他に居ないかの調査が依頼内容だビックボアの討伐だけなら割のいい仕事なのだがその後のアフターケアのせいで微妙になっている。


村に着いた俺は村長に挨拶して森に入った。

ビックボアは夜に畑あらしに来るらしく、本来ならその時間に畑で待ち伏せするのがセオリーなのだが調査もしなければならないので此方から狩りに行く



森を歩く事4時間、俺は3体のビックボアを発見した。


「戦った事無いし、ステータス適応した状態でやるか…」


シンは剣を抜き一気に駆ける


「流石にステータス適応してると瞬殺か…」


ビックボアは瞬く間に急所を刺され地に倒れ伏す。


「取り敢えず牙をはぎ取って行くか」


シンは討伐の証拠として牙を剥ぐ


そして、剥いでる途中で複数の影がシンに向かって来

討伐したビックボアとは別の個体だ。恐らく群れの仲間なのだろう。


シンは焦らず回避し仕留めに行く

そして、今回はステータスを切ってから駆ける


シンはビックボアの突進をよく見て回避し、すれ違いざまに足を切りつける

他数体も同様に機動力を奪う

そして、動けなくなったビックボアを一匹ずつ止めを刺していく


「さっきの含めて7体か…」


シンは牙を回収しながら本当に他に居る可能性がある事にため息ついた。


剥ぎ取りが終わったシンは更に森を探索する事にした。

しかし、それは長くは続かなかった。


シンの危機感知スキルが逃げろと激しく警告して来た。


シンはそれに従い全力で逃げようとするが一足遅かったようだ。


「おやおや、人間ですか…」


シンは声を聴いたとたんに足が固まった。

危険と恐怖に足が無意識に止まってしまったのだ。


「あまりこの辺りをうろつかれるのは好ましくありませんね~」


シンは声の主を視界に納める

浅黒い肌に頭部についている日本の捻じれ曲がった角

シンはすぐさま鑑定を駆ける


デリウス・デリアス-------

Adaptive Status ON

Lv.132

種族.魔族

Job.魔闘士


HP.18000/18000

MP.10000/10000


STR.1041

VIT.954

AGI.966

INT.969

MND.132

DEX.921


スキル.

 体術Lv4

 格闘術Lv6

 闇魔法Lv6

 火魔法Lv4

 詠唱破棄Lv3

 身体強化Lv4

 心眼Lv3

 気配察知Lv2


称号.

 中級魔族

 殺戮者

 戦闘狂


-------



このステータスを見てシンは驚愕した。

勿論顔には出さなかったが、自身のステータスの2倍以上の数値


なぜこんな所に魔族が居る…?

如何する…、俺ではまず勝てない。

逃走も不可能だ。

生存は最早絶望的だろう


「それでは…、死んで下さい」


デリウスは一瞬で火属性魔法を構築して此方に放ってくる。


シンは咄嗟に剣を抜き斬魔を発動して魔法を切る。

しかし、相殺し切れず魔法を喰らい爆発で吹き飛ぶ

観察眼がアレは中級以上の魔法だと知らせていた為斬魔も発動させたが、レベル差も相まってもろに喰らっていたら其れなりにダメージを喰らっていただろう。

今の技量では斬魔だけではどうしようもないが相殺できなかった部分は魔力耐性と称号が何としてくれて吹き飛んだものの何とか無傷だ。


そして爆炎に紛れて逃走を開始する。


しかし危機感知が激しく反応する。

シンは本能に任せて剣を正面にクロスして構え防御姿勢を取る


すると正面から魔族の拳が襲って来た。


観察眼が捉えたのは只の拳ではなく魔力を纏っている拳だった。


剣身はヒビが入りシンは50m後方に吹き飛ぶ


「おやおや…、最初の魔法で仕留める予定だったのですが、それを防いだだけではなく私の拳にも耐えますか」


デリウスは何処か楽しそうだ


「クソが…」


「おやおや、クソとは下品な…。それにしても貴方は面白そうですね~。なので特別にもう少し遊んで差し上げます」


デリウスが駆け出した瞬間シンは観察眼のリミッターを解除した。


デリウスの動きがゆっくりと見える。

シンは心眼(偽)を併用しながら攻撃を見切る。

最近のステータスをOFFにした修行のお陰か心眼(偽)の性能が上がっている。ジャイアント・キリンガーの恩恵も大きいだろう。

以前ならこの状態でも見切るなど出来なかっただろう。


今のシンはデリウスに反撃が出来る程の動きをしている。


「君は本当に面白いね!ステータスはそうでも無さそうなのに私に喰いついて来る!」


デリウスは歓喜しながら攻撃してくる。


シンはその歓喜した時に出来た一瞬の意識の隙間を狙い剣を滑らせる。

剣はデリウスの首を狙った物だったが流石にステータス差があるだけあってかすっただけにとどまった。


「チッ」


「ほお…、私に傷をつけるか…人間!」


魔族は心底驚いている様だ。


魔族は魔法を纏い直しさらに苛烈なラッシュを仕掛けて来る。


「クッ…!!」


シンは斬魔と魔力耐性で対抗し何とかしのいでいるがそちらに気を取られて反撃できなくなった。




観察眼のリミッターを解除してから既に4分が経過していた。

シンは防戦一方な事に焦り始めていた。


「おや、戦いに焦りは禁物ですよ?」


その焦りを感づかれた。

デリウスはシンの焦りに乗じてシンの足を引っかける


シンはバランスを崩して完全に隙が出来た。


その隙にデリウスは魔力を右手にかき集めて必殺の構えを取り、一瞬の為の後シンに放つ


それにシンは無理矢理後ろに飛び、剣先をデリウスの拳にピンポイントに当てて防御する。

しかし剣は粉々に砕け散り四散、デリウスの拳は若干シンに届かなかったもののその纏った魔力と拳圧がシンの胴を捉える。


シンは後方数百メートルまで木々を薙ぎ払いながら吹き飛び湖の中に叩き込まれた。


上がる水飛沫


「ふむ、少々やり過ぎましたかね?ですが、これで生きていたのなら今回は見逃しましよう…。アレがもっと育つと面白そうだ。」


デリウスは満足気にその場から姿を消した。




シンは湖に沈む…

まだ死ねないと、死に抗いながら…

シンにはもっとあっさりやられて貰おうと思いましたが、それじゃあ面白くなさそうなので頑張ってまらいました。

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