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脱出

思ったより簡単に脱出させてしまった…

現在シンは48層を歩いていた。


魔物との戦闘は50層を超えたあたりから幾分か楽になって来ている。それまでは一戦一戦が死を覚悟して戦う決死戦だった。特に50層をに上がった途端に戦闘になった魔物との戦闘はヤバかった。後に知る事だが階層主と言う区分の相手で本来シンが一人で勝てる相手では無い。切り札の観察眼のリミッター解除を使用して相手の攻撃を無理矢理回避して懐に潜り込み急所に攻撃し続けた事で勝ちを拾った。勿論体はボロボロの血まみれだ。その為リミッターを掛け直す前に階層主の肉を食べた事でダブルで意識を失う事となった。幸いにも階層主は一度倒すと倒した者がその部屋を出ない限りリポップしないため意識を失っている間に襲われることは無かった。

総戦闘時間6分、内観察眼を使ったのが2分。戦闘終了後シンは13時間ほど気を失い、現在も頭痛が止んでいない。

ついでに余談だがシンはこれまでに味わった苦痛の数々のせいで驚いた時も嬉しい時も悲しい時もあまり顔に表情が出なくなってきている。現在は表情が出来くくなっているだけだが、徐々に口調も変わりつつある。


「それにしても他の冒険者人遭遇しない…」


シンはダンジョンに来てから一度も他の冒険者に遭遇していない。

と言うのも最初に居た57層は基本Aランク冒険者しか来ない場所だ。

基準が最早化け物クラスのSランクに比べると其れなりの数が居るがそれでも今この街に居るAランク冒険者は10人

その全てが常時ダンジョンに潜って居るわけではないしダンジョンも広い、同じ階層に居て遭遇しる確率は低い。

まあ、現在の層まで上るとBランク冒険者も潜って居られる階層なのでここからは時々遭遇するかもし得ないのだが。


「こっちは行き止まりか…ん?宝箱だ」


シンは此処に来るまで幾つかの宝箱を発見してその内幾つかを回収している。

シンは観察眼でトラップの有無を調べる


「大丈夫そうだ…」


そう言って宝箱を開ける。


宝箱に入って居たのはペンダントだった


-------

インぺソナテイション・ペンダント

ステータスを偽装するペンダント。鑑定や解析などと言った他者からの閲覧時に自身のステータスを所有者の任意の状態で閲覧させる。鑑定・解析共にLv7まで効果を発揮するがLv8からは突破される。

-------


シンが鑑定を掛けてみるとかなりの使える者だった。

情報とは武器になるものだしステータス見られると俺が異世界人ってバレて厄介事が増えそうだ…


シンはペンダントの確認を終わると早速首からかけて移動を開始した。


シンはこれまでにも宝箱からアイテムを幾つか入手していた。

その数は先程のペンダントを含め4点

一つは56層で見つけた片手剣

一つは53層で見つけたガントレット

最後は50層を倒した後に出現したマントだ


片手剣は頑丈で切れ味も良かったが使い慣れいて左右重さが殆ど同じなオークの剣の方が使いやすいと感じ今は腰に差している。因みにオークの剣×2は抜き身の為常に両手に持っている。そろそろ限界そうだが…


ガントレットは結構助けられた。こいつもとにかく頑丈だ


マントもマントで頑丈だがこいつは魔法に耐性が有る。特に魔法に関係なく火に強い、なぜか色は黒いが…、火耐性なのに赤じゃないのかよとつい突っ込んだよ



「ん?戦闘音?」


そんな事を考えながらシンは戦闘をお捉えた


「あー、あそこでなんか戦ってるな…」


前方数十mの広間で魔物の群れと冒険者が戦闘している。


「んー、何かあの冒険者押されてないか?」



シンの言う通り冒険者達は押されて居た。

と言うのもモンスターハウストラップに引っかかったのだ。数は半分にまで減らしたが既に戦闘開始から10分が経過していて、消耗が激しかった。既に死人も出ている。



シンは近づいて行き声を掛ける


「助力は必要か!」


「すまない!頼む!!」


冒険者も此方に気づきそれを受け入れる

それを聞いたシンは剣を握り直して群れに突っ込む


心眼(偽)で目の前の魔物の動きを、危機察知で死角の魔物の動きをそれぞれ把握しながら確実に急所を狙って屠って行く


その後戦闘は5分で終了した。

数は多かったが通常この層に出現する魔物より弱かったのが幸いしてそこまで手こずる事は無かった。


「…いつの間にか結構強くなったのかな?俺」


シンはそう独り言ちる。


「助かった、助力感謝する…」


冒険者が此方に寄ってきた。


「気にするな、経験値が欲しかったから敢て突っ込んだんだ。後で横取りとか言われたくなかったから確認を取っただけだし。」


「それでもだよ…、それにしても随分軽装だな?バックもないしその剣も質がいい物とは思えないし劣化が酷い…」


冒険者はシンの格好に疑問を持つ


「ああ、もっと浅い層で転移トラップに引っかかってな…、ちょいと適正より深い所に飛ばされたんだ。お陰で荷物も武器も使い物にならなくなってな…、魔物が使ってた武器を拝借したのさ。」


シンは原因の処をぼかし荷物云々の部分で若干の嘘を混ぜながら自身の存在を怪しまれないように心掛ける。流石に急激にレベルを上げ過ぎているし、目立つのは避けたかったからだ。


「あぁ?そいつは災難だな…しかしそんな危険なトラップ何処にあった?」


これは如何する…正直に言うべきなんだろうけど…あまりにも上層に有るから若干真実味に掛けるんだよな。まあいい、正直に言う事にしよう


「3層の隠し部屋だ…」


「3層だぁ!?冗談だろ?」


「事実だ。此処で噓をついても俺には何の得も無い」


冒険者達は考え込む


「そうだな…、上層の隠し部屋に有るなら俺等にはそこまで関係ないか…。」


「ああ、ギルドには俺から報告しておく」


「お前さんはどうやって帰る気してんだよ…。荷物も無いのに此処から地上まで何日かかると思ってんだ…」


そう言って冒険者の一人が死んだ仲間の死体から長方形の水晶の様な物を取り出す。


「礼だと思ってくれ。脱出結晶だ。これで今直ぐダンジョンから脱出出来る。」


そんな便利グッツがあったんだ…


冒険者達は仲間の遺品だけを幾つか回収して先に脱出していった。


「これでやっと脱出できるが出ても無一文だし少し狩りをして魔石を集めるかな…」


そう言ってシンは+30分の狩りをしてから結晶で脱出した。



***********




シンは日の光で顔をしかめながら街を歩く。因みに抜き身の剣を持ち歩く訳にはいかないのでオークの剣はダンジョンに放棄して来た。


「取り敢えずギルドで換金だな…」


シンは真っ先にギルドへと向かう




「換金を頼む」


シンは受付に魔石を出した


「……もうかしてシン様でしょうか?」


受付嬢をよく見ると最初に登録した人と同じだ


「ああ」


「今までどちらに?登録してから2週間全く音沙汰なしでしたが、それにその髪は…、差し支えなければお教え願えませんか?」


これは、正直に言わなきゃだめだよな…


「ギルドを出た直後にCランク冒険者を名乗る集団に拉致されて有り金を巻き上げられサンドバックにされ終いにはダンジョンの転移トラップに無理矢理投げ込まれてさっきまでダンジョン下層に居た…。この髪は過度のストレスで脱色した。」


受付嬢はこの報告に息を呑む


「運よく生き残り、脱出結晶を入手してさっき脱出してきたところだ…、取り敢えず換金してくれ…そろそろ限界なんだ…」


受付嬢はそれを聞き慌てて魔石を換金した。

金額は金貨1枚と銀貨34枚、想像以上に儲かった。


「最後に何処にトラップがあって何層に通じているかお教えください。」


「トラップまでは薬で眠らされていたから詳しい場所は分からないがあいつ等は3層隠し部屋と言っていた。行先は同じくアイツらが言っていたのを聞いたが57層だそうだ。」


「…!57層で2週間も生き残ったのですか!?」


「声がデカい…、生き残ったのは偶然だ。何回も死に掛けたよ。失礼する…」


そう言ってシンはギルドを出た。


買い食いしながら街を歩く、屋台のおっちゃんに風呂とかシャワーみたいな身を清められる設備が着いた宿を聞いたので今はそこに向かっている。


「上手い、久しぶりにまともな食事した…」


この2週間魔物の肉を生で食ってたからな…



「此処だな…」


そうこうしている内に宿についたようだ。


「いらっしゃいませ!」


「取り敢えず2日泊まりたいのだが…」


「はい!2日ですね!シャワーをお使いになる場合三食付きで銀貨7枚頂きます。お使いにならない場合は三食付きで銀貨3枚になります!」


シンは銀貨を7枚取り出し渡す


「はい!シャワーありですね!それでは此方がカギになります。シャワーはお好きな時にお好きなようにお使いください!」




部屋に入ったシンは剣やマントを外し早速シャワーを浴びた。


さっぱりしたシンは街に繰り出し服や大き目な冒険者向きのバックを買い足してから

武器屋に向かった。



武器屋には多種多彩な武器が取り揃えられて居て

取り敢えず双剣や片手剣を片っ端から鑑定していく。


その中で其れなりに丈夫な双剣を一対買いダンジョンで手に入れた剣を売り払った

売った剣は金貨3枚の値が着いた。買った双剣は金貨2枚、取り敢えずこんなもんだろう。

双剣はかなりシンプル形状だが剣身が他のものよりのかなり長い、ロングソードより若干短いだけじゃないだろうか?これを双剣として扱うのは無理があるんじゃってサイズだ。俺は今までオークが使ってた其れなりにデカい剣を使ってやって来たから寧ろ助かるのだが…。

取り敢えずこれで暫くはやって行けるだろう




シンは宿に戻った後、まだ日は高かったが睡魔に負け直ぐに寝入ってしまった。久しぶりの安眠を堪能したのだった。


ちょっと買い物シーン簡素過ぎですかね…

でも、まだ出会いも何もさせる気ないんでこんなもんで勘弁してください。

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