偉大な猫?僕は猫、ただの猫
昔、吾輩は猫であると豪語した猫がいた
昔、100万回生きた猫がいた。
そんな猫は猫界でも有名だ。
まぁ、僕も猫だ。
でも僕はそんなことしなくていい、テキトーに生きてテキトーに死ねばいい。
それでも僕は満足なのさ。
「ねぇねぇ、猫さん猫さん。」
今日も来たな、人間。僕はお前が毎日ここに来てくれるなら面倒な狩りをしなくていいんだ。お前のくれる飯はそこらにいる虫を食うより旨いからな。
「今日はこれだよ、食べて食べて。」
おお、これはかたじけない、人間
「よく食べるね。このツナ缶わたしのお小遣いで買ってるんだよ。」
ん?なんだ?何をいってるんだ?人間語なんてわからんぞ。
まぁ、とりあえず泣いておきゃあいいか。
「ニャー」
「そうか、ありがとうって言ってくれてるんだね?私嬉しいよ!」
よくわからんけど嬉しそうだからよしとしよう。
人間はご飯を食べ終わるまで、食べ終わっても僕の体を撫で続けていた。
ひとしきり撫でられてやっていると、人間は急に立ち上がって僕から遠ざかっていく。
「じゃあね。」
もう行くのか?名残惜しいな……
もうちょっと撫でて欲しかったな……
明日も来るかな?人間……
だけど、それ以来人間が来ることは無かった。
いや、人間は来ていた。でも、その人間は来なかったということだ。
いつ来てくれるんだろう?また会いたいな。
……それからどのくらい経っただろうか?
1人の人間がきた。
その人間はこの前あった人間より小さかった。
僕と同じくらいと言っていいだろう。でも僕にはわかった。
この人間は『僕にご飯をくれた人間』だ。
……これからは僕が、この人間を守ってあげよう。
それが僕にできる恩返しだ。
【この時既に、猫の体は朽ちていた。それでも1人の人間を待ち続けた猫は地縛霊となった。成仏することなく、霊媒師に倒されることもなく、たった1人の人間を待ち続けた。しかし、すでにその人間は死んでいた。だか、何の偶然か『その人間の生まれ変わり』がその場所へ来た。それ以来、この人間が不幸な目にあうことは少なくなり、幸運な事が頻繁に起こるようになったという。】