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私はエースになりたがっている!  作者: 坂本一輝
第10部 新チーム発足編
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恥ずかしいものは、恥ずかしいの

「藍原さんと2人きりでお風呂なんて、初めてなの」


 海老名先輩がゆっくりと一枚一枚服を脱いでいく。

 わたしはその様子に目が釘付けになってしまいそうで。


(ダメダメ!なに変なこと考えてるの!)


 これ以上はまずいと思って、自分の服をがばっと勢いよく脱いでいく。

 下着も脱ぎ、タオルで前を少し隠しながらわたしは海老名先輩の方を振り向き。


「さ、先行ってますね!」


 そう言って浴場の方へ、危なくないギリギリの速度で足早に向かっていく。


「藍原さん、待って~」


 わたしの後を追うように、先輩も服を慌てて脱ぎ始めたのだろうか、そんな声が聞こえる。

 先輩の間延びした声を後ろに感じながら、わたしは浴場の扉を開け―――


「先輩、は、どうして帰らなかったんですか?」


 湯船に入る前、大きな大きな浴場に先輩と2人きり。

 さっき先輩も言ってたけど、こんなこと初めてで本当にどうしていいのか分からなくなってしまう。

 まずは汗を流して身体を洗う。

 シャワーで全身に水をかけて、ボディーソープを泡立てて…。


 どうしよう、わたし。


 ―――先輩の身体は脱ぐともっと凄かったというか、その艶めかしさは目に毒だと思えるほど。


 大きなお胸を持ち上げながら、泡でぎゅーっと身体を洗っていく海老名先輩。

 その動作1つ1つが、本当に…えっちで。

 こんなこと考えちゃいけないんだろうけど、ついついそういう目で彼女を見てしまう。


 大きなお胸、細い身体や手足、くびれた腰に程よく大きいお尻…。

 やっぱり海老名先輩、貴女が白桜女子テニス部で1番えっちですって。これはわたしの偏見とかじゃなくて、心からそう思う。

 そんな彼女の裸を目の前に、わたしはなるべくそちらを見ないようにして、目を瞑りながらわしゃわしゃと髪の毛を洗っていく。


「うーん、特に大きな理由はないの。私、家が東京だから。帰ろうと思えばいつでも帰れるし」

「そういえば前に言ってましたね、東京出身だって」

「お母さんとは通話もメッセージもよくしてるし、あんまりお久しぶりって感じもしないから」

「親御さん想いなんですね」

「そんなんじゃないの、私が親離れ出来てないだけだから」


 頭と身体を洗い終わって、2人で湯船へ。


「ん~、気持ちいいのー」

「練習の後のお風呂は最高ですよね…」


 そんなことを言いながら、それでもわたしの目線は先輩の身体へと向かってしまう。


(おっぱいって本当に浮くんだ…)


 嫌でもそこへと視点が集まってしまうのは、自分で言うのもなんだけど、しょうがないことなんだ。


 先輩の大きな2つの丘が湯船にぷかぷかと浮いている。

 別に特に意識しているとかそういうわけじゃなくて、純粋な関心としてそれが勝ってしまう。うん、そう、これはやましい気持ちとかじゃなくて、そういう純粋な感情。決して不純なものじゃ…。


「藍原さん」

「は、はい!?」


 急に名前を呼ばれて、びくっと全身を震わせる。


「…見過ぎ、なの」


 そして、まさにズバリ核心を突いたその言葉を聞いて。


「ご、ごめんなさいっ!!!」

「いくら女の子同士でも、そんなに見つめられると恥ずかしいの」

「誠におっしゃる通りでございますっ。この藍原有紀、どんな罰でも受ける所存ですので何卒お慈悲を…!!」


 平謝りするしかない。

 だけど。


「で、でも」


 先輩の続く言葉を聞いて。


「藍原さんになら、見られても、いいかも…」


 わたしは何故か、少しだけ胸が高鳴るのを感じた。


「えっ…」

「ちょっとだけなら、ね」


 いいんだ。

 この時のわたしに下心が無いと言ったら嘘になる。

 だけど、2人きりでお風呂なんて、これからそう何回もあるものじゃない。

 そんな気持ちと、興味と、そして先輩のお胸の持つ魔力。それが重なってしまったのだろう。


「あ、あの」


 わたしは気が付くと。


「おっぱい、触らせてもらってもいいですか…」


 そう、呟いていた。


「藍原さん…!?」

「だ、ダメですか?」


 ここはもう、押すしかない。

 先輩がダメって言ってわたしをぶっ叩いてくれるならそれでもいい。

 だってもう、こんなチャンス二度とないかもしれないじゃないか。

 先輩の身体に興味が無いと言えばこれも嘘になるのだ。

 だから、神様、少しだけ…。わたしのわがままを聞いてください。


「どうしても?」

「どうしても、です」


 わたしは先輩の言葉を繰り返し、こくりと頷く。


「じゃ、じゃあ…」


 先輩はごくりと唾を飲み込み、しかし何か覚悟を決めたように、わたしの方をちらちらと上目遣いで見ながら、意を決して。


「藍原さんのも触らせてくれるなら…いいの…」


 その言葉は結構、わたしの予想を超えていて。


「わ、わたしのですか!?」

「ダメ?」

「べ、別にダメじゃないですけど…」


 そうだよね、触らせてくれって言ってるんだから先輩もわたしのを触るっていうのはある意味で平等というか、それなら…で了解してくれるのもちょっとだけ分かる気がする。ちょっとだけね。


「それじゃあ…」


 海老名先輩は目を伏せ、両手を広げてこちらに無防備なおっぱいを見せるように。


「藍原さん、が、これで喜んでくれるなら」


 先輩の顔はもう真っ赤で、のぼせてるんじゃないかと思うくらい。


「触って…いいの」


 お湯にぷかぷかと浮かぶ、先輩の大きな2つの丘。

 それがこちらに向かって広げられている。ああもう、これってとんでもない幸せなんじゃ…。


 先輩の恥ずかしさが伝播してきて、こっちまで顔を赤くせざるを得ない。

 だけど、わたしから言い出したんだ。やるぞ…触る。わたしも先輩と同様、覚悟を決めた。


「…ごくり」


 わたしだって、生唾を飲み込みたくもなる。

 先輩のおっぱいのその外郭、輪郭をなぞる様にゆっくりと、優しく。おっぱいに指を這わせ、そーっと指に力を入れてみる。


 むにょん。


「お、おお…」


 それは、例えるならお餅。

 どこまでも指が食い込んでいくような柔らかさと、しかし押し返してくる確かな弾力がそれをさせてくれない。指に力を入れれば入れるほど、弾力がそれを阻んでくる…すごい、初体験の感覚だ。


 輪郭に指を這わせ、やがては両手全てでおっぱいを揉む。

 そしてお湯に浮かんでいるそれを、力を入れて持ち上げてみた。

 これだけの大きさだ。その重さというのも如何ほどのものか確かめてみたい。


「お、重い…」


 予想以上の重量感。

 これが身体に付いているなんて、信じられない。

 メッチャ重いし、これは苦労するだろうな…そんなことを考えずにはいられない。


「あ、藍原さ…」


 先輩は両手で口を塞ぐように顔に手を付けて、顔を更に真っ赤にし、片目だけを開けてわたしの方を見ている。

 その声は、本当にこれ以上は我慢できない、そんなことをわたしに訴えているようだった。


「す、すみません!すごく魅力的なおっぱいだったので…やりすぎちゃいましたか!?」


 心惜しいが、ここまでだ。

 わたしはパっと先輩のおっぱいから指を撤退させる。


「う、ううん…恥ずかしいし、くすぐったかったけど…嫌な感じはしなかったの」

「よかったぁ」


 ホッと一安心。

 だけど、わたしがそんな気持ちに浸っている暇もなく。


「じゃあ、次は私の番なの」


 先輩は手をわきわきさせながら、笑顔を浮かべる。


「お、お手柔らかにお願いします」


 あれだけのものをいただいたんだ。

 わたしの胸くらい、何回でも…そう思っていると、先輩の手がわたしのそこに触れる。

 不思議と、先ほどの先輩のように顔を覆いながら真っ赤になることはなかった。

 くすぐったいという感覚もそれほどない。誰かに胸を触られるなんて初めてだけど、意外と平気なんだなぁと感じた。


「わ、わたしの胸なんか揉んで、面白いですか?」

「興味深いの」

「先輩はもっと大きなものが自分に付いてるのに?」

「それは違うの。自分のは自分の、人のは人のなの」

「そういうもんですかね…」


 しかし、こっぱずかしさは残る。

 わたしも顔がかーっと赤くなっていくのを実感していた。


「藍原さん、結構あるの」

「そ、そうですか…?」

「うん…。最近、大きくなった?」

「確かに、下着のカップ数1つ上げました。あはは、成長期ってヤツかもしれませんね」


 先輩の手はわたしがさっきやったみたいに輪郭をなぞるのではなく、両手でおっぱい全体を包むようにして全体をこねくり回すように触っている。まあ、海老名先輩のおっぱいは手のひらでは収まらないくらい大きかったからなんだけど…。


「きっとこの先、もっと大きくなると思うの。身長も、おっぱいも」

「だと、良いんですけどね」


 先輩はふむふむ、と何かを確かめるようにわたしの胸を揉み続ける。


「せ、先輩…?」


 しかし、その様子が少しだけ、ほんの少しだけ怖くなり、先輩の名前を呼ぶ。


「藍原さん」

「は、はい」


 そして、至極真面目な表情で先輩はわたしの方をじっと見つめると。


「お山の頂点…触ってもいい?」

「それはダメです!!」


 わたしは真っ赤な顔を更に真っ赤にさせながら、大浴場中に響く声で先輩のやろうとしていることを制止した。

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