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プロローグ 「籠の中の神々」
神は疑問に思っていた。
何故、我々はこんな窮屈な世界に閉じ込められねばならぬのだ。
神は問うた。
貴方は何をお望みなのですか?
それさえ叶えば、籠の外でもよろしかろう、と。
ソレは答えなかった。
あくまでソレは只の意志。
世界を安定させることだけが、存在意義なのだ。
神は嘆いた。
何故答えてはくれないのか。
――まさか。
我らがここにいる意味などないのではないか?
その問いにも、答えはしない。
もしや答えないのではなく、答えられないのではなかろうか。
我らを騙して弄んでいたのか。
神は結論を出した。
ならば。
そんな無意味なことならば――
我らは好きにさせてもらう。
同志達よ。
今こそ立ち上がれ。
この理不尽な現状を打破するのだ。
神は動き出した。