世界最速で魔王を倒す!!
この世界は闇に覆われている。
三年程前に現れた魔王によって……。
これ以上捨て置くわけにはいかない。
満を持して、俺が立ち上がろうじゃないか!!
俺は朝起きて、突然そう思った。
理由はわからない。いや、そもそも理由など問題ではない。
奴は、倒さなければならない!!
俺はベッドから出ると、台所にいたお袋には何も告げずに王宮へと向かった。
魔王を倒す旅立ちをするからには、国王にあいさつくらいするのが昔からのセオリーだ。
あわよくば何かもらえるかもしれない。
俺は王都の北にある王宮へ行き、門兵に国王へのお目通りを願うとあっさりと謁見の間に通され、国王と面会した。
国王「そなたが魔王を倒すと言っている勇者か?」
勇者「まだ言った覚えがありませんが、多分その勇者です。王よ、この世界を闇に包む魔王を倒してこようと思います。旅立つ許可頂きたく参上しました」
国王「無論だ。魔王を倒そうと言うものを止めるはずがあるまい」
勇者「ありがとうございます。私はこれより、魔王を倒すことの出来る武器や攻撃を防ぐことの出来る防具を手に入れ、魔王城を探し出し、必ずや魔王を討ち果たしてみせます」
国王「案ずるな。勇者よ。こんなこともあろうかと、既に伝説の武器と防具は探しだして揃えておる。おいっ! 誰かっ! あれを持て」
執事のような人がどこからともなく謁見の間に入ってくると、俺の前には大きな木箱を置いた。中には剣と盾と防具が入っている。
勇者「こ、これはっ!!」
国王「伝説の剣、伝説の盾と伝説の防具に普通の兜じゃ。自由に使うとよい」
勇者「何故兜だけが普通なのかは置いておいて、何と都合のいい。これで無駄にあっちこっち回らなくてすみます。では、さっそく魔王城を探し出す旅に出発します!!」
国王「案ずるな、勇者よっ!! わしを誰だと思っておる。既に魔王城の場所は突き止めておる。ここから東へ気球で3時間弱じゃ! 気球も用意しておる」
勇者「何と都合のいい。そして、思ったよりも大分近い!! これで無駄なダンジョンめぐりをせずにすみます!!」
国王「さぁ、行くのだ勇者よっ!! 世界に光をもたらすのじゃ!!」
勇者「ははぁ!!」
俺は王宮の中庭から気球で飛び立つと、一路魔王城へと向かった。
澄み切った空、風は緩やかに東を向けて吹いていて、何の障害もなく2時間半程で魔王城が見えてきた。おどろおどろしい見るからにもの魔王城という雰囲気だ。
入り口から入ろうかととも思ったが、どうせ魔王は最上階にいると決まっている。
俺は気球で最上階のバルコニーに着陸し、そのまま魔王城に侵入すると、最上階の部屋から食事の匂いが漂う部屋に当たりをつけ扉を開け放った。
??「誰だ、貴様!!」
勇者「お前が魔王だな。そのソーセージを口に運ぶ前に、貴様を倒す!!」
魔王「おのれ、貴様は勇者か!! いずれくるであろう勇者に備え、魔王城の1階からここまであらゆる罠や中ボスを配置しておいたのに、それらを全てすっ飛ばしてきおって!! 常識は無いのか!!」
勇者「黙れ!! めんどうなことは嫌いだ!! くらえっ!!」
俺は伝説の剣を魔王の肩口から心臓目掛けて切りつけた。
魔王「ぎゃあああああああああああああ。や〜ら〜れ〜た〜。せ、せめて、昼食、完食したかっ…………た」
ぱた。
勇者「ゆるせ。魔王よ」
こうして、勇者が魔王を倒すと決めてから3時間と20分後、世界に平和が訪れた。
勇者「夕食前には帰れそうだ……」
迷走中……(ノ;ω;)ノ ┫:・'.::・┻┻:・'.::・
私はどうしてしまったんだろう……