言葉はいらない
駄文過ぎて死ねる。
俺に恋愛小説書く才能なんてなかった。
口に出さなきゃ伝わらない。当たり前のことだ。
分かっている…。分かってはいるのだ。
だけど、上手く言葉に出来ない。
好きだとか、愛してるだとかそんな陳腐な言葉では言いたくない。
言葉には変えがたい思いがあるんだ。
だから、抱きしめる。
だから、キスをする。
君が見せる笑顔を、これからもずっと傍で見続ける為に。
楽しいこと、苦しいこと。
二人で分けあって生きていく。
そんな人生を歩んでいけたら。
でも、俺にはまだ君に伝えたい言葉が見当たらない。
どうしてだろう。
言わなきゃいけないことはたくさんあるのに。
「ねぇ、私は貴方のこと言葉じゃ言い表せないくらい愛してるよ?」
あぁ、俺は今まで何を迷っていたのか。
いらなかったのだ。
飾り付けた言葉など。
そんなものは、俺たちの間には必要なかったのだ。
なぜ気付かなかったのだろう。
呆れた様に笑う君に俺は、飾らない言葉を贈ろう。
「俺も愛してる。」