#1 神と名前
どうも黒艶日暮です。
異世界にやってきた毒島優斗、彼にはこれからどんな試練が待ち受けているのか...
それでは#1 神と名前、はーじまーるよー!
「その…一ついいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
「なんで、僕の名前を知っているのですか?」
「簡単です。それは私が『神』だからです。まだ名乗っていませんでしたね。私はこの世界の最高神『イゼク』と申します。ついでですので、今あなたがここにいる理由も一緒に話しておきましょうか」
「ここは何なのですか?天国なのですか?」
「いいえ。ここはあなたの生きた時代で俗に言われる『異世界』です。」
そうしてイゼクは僕に全てを教えてくれた。
まず、この異世界には火、水、地、風の四つの属性で生物から物質に至るまで構成されているようだ。
この世界はイゼクによって創造されてから2000年ほど経ったようだがイゼク曰く、経った四つの属性だと時間と共に世界が単調になっていったそうだ。そこでイゼクは新しく雷、波、闘、そして蝕の属性を世界に追加しようとしている、ということだ。
だが、属性を増やすことはイゼクにとっても未知数のことなので、世界全体に属性を追加する前に、個人だけに属性を与えて実験がしたいようだ。
そういうわけで、蝕属性のテストプレイヤーとして僕がこの世界に連れてこられたとのことだ。
そして蝕属性とは「毒」に近しい能力を司るそうなので僕にピッタリ、だそうだ。
ちなみに雷、波、闘属性のテストプレイヤーはもうすでに連れてこられているそうだ。
「というわけで、あなたには今から蝕属性の基本的な能力を与えるので、わたしが課す試練を通じて是非とも伸ばして見てください!」
うん。神の課す試練って、ありえるよね?死ぬこと。
「それでは今からあなたに能力を冠した名前を授けます。よろしいですか?」
「え?あっはい」
「よろしい。では初めます」
そこで、イゼクは詠唱を始めた。
「イゼクと毒島優斗の名の下に、親子の契りを結ぶ。彼のものが欲す力『蝕』を子の真名、『ベノ』に封じて授ける。そして我は我が子『ベノ』に対し、無償の愛を注ぐことをここに誓う」
黒かった目と髪がみるみる紫色に変わっていく。それに体躯も少し縮んだ。28歳だった肉体は16歳の体に変化した。
「儀式は終わりましたよ毒島優斗改め『ベノ』さん。今日からは自分のことを『ベノ』と名乗ってくださいね。ついでに説明しておきますと今あなたの見た目も少し変わりました。蝕属性に適合したことで髪と目が紫になりました。それと体が変質する時に経験、つまり年齢を消費しました。今あなたは15歳の身体です」
見た目が変わったことにもかなり驚いたが、それより気になることがある。
「えっと、『ベノ』と名乗らなかったらどうなるんですか?」
なかなか安直な名前だな。毒だからベノム→ベノってことだよな。
「基本的にペナルティなどはありませんが、『毒島優斗』と名乗り続けると意識が『ベノ』と分離する可能性があります。」
「それってつまりどういうことですか?」
「例えば、ある女性に悶々とした感情を持つ男性がいるとします。その男性に『その感情は恋だ』と言えば不安定だった感情は『恋』として結晶化し、『その感情は憎しみだ』と言うと、その人の中で『憎しみ』が形成されます。つまり、名前とは存在そのものを固定する効果があるのです。なので一つの存在が二つの名を名乗ってしまうと存在が二分化、いわゆる二重人格となってしまうのです」
「ともかく、今あなたには蝕属性が宿っています。少し全身に力をこめてください。今のあなたのステータスが表示されます」
言われるままに力をこめると、ヴンという鈍い機械音が流れて目の前にホログラムのような文字が表示された。
個体名:ベノ
スキル:
耐性:蝕耐性Ⅰ
スキル…無いの?なんか毒操作〜みたいなヤツイメージしてたんだけど…
「表示されましたか?」
「はい…」
「そのステータスはあなたにしか見えませんので。自分の能力を把握してもらったところで早速試練を受けてもらいます。持てる力を存分に発揮し、見事試練を突破してください!クリアした暁には報酬もありますよ」
「え?ちょ、待っ…」
そう言ってイゼクが手を叩いた瞬間に、僕はジャングルの奥地にやってきていた。
いかがでしたか?
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さて、毒島優斗改めベノに訪れた試練、彼は果たして乗り越えるとこが出来るのか!?
続いて#2 試練と耐性、ぜひ読んで見てください!




