#12 風と人格
どうも黒艶日暮です。
ジャンヌダルクと対峙し、絶体絶命のベノ、そこに現れた謎の人物とは一体誰なのか。味方なのか、はたまた敵か。
「来たのかい、風」
「お前はまだこんなことをしているのかファイ…!」
「ジャンヌと呼んでくれよ、両親からもらった大切な名前なんだ」
「いい加減その名前は捨てろと言っているだろ!まあいい、俺たちは行くぞ。ホルス!」
と僕とエルを担いでいる人がいうと
「あいよ!ウィド」
といった。それぞれウィド、ホルスという名前なんだろう。
「逃さないよ!炎熱魔法:火焔鞭」
「風魔法:風力推進」
その瞬間、僕たちは教会のステンドグラスをぶち破って空を飛んでいた。
「急なことで理解が追いつかないだろうが一旦私たちのアジトに来てもらう」
そういうと、速度が一気に加速し、30分もしないうちに山岳国家アバグランの王都に来ていた。
「自己紹介がまだだったな、私は君たちと同じ転生者、ソ連出身の気象学者だ。こっちのハヤブサの面をしている男は相棒のホルス、エジプト神話の神だ」
こっちも自己紹介を済ませる。
「少し現状を説明しようか」
そう言って、ウィドはジャンヌダルクのことやこれからのことについて色々説明してくれた。
ジャンヌは、転生した時にイゼクから「ファイ」という名が与えられるも両親にもらった名前を捨てられず、ジャンヌとも名乗っていたせいで、人格が分離したそうだ。その結果、凶暴性を秘めた人格「ジャンヌ・ダルク」が生まれてしまった。
イゼクが僕にベノと名乗れと強く言った理由が身にしみて分かった。
「お前達は弱い。このままシキエンセに帰ってもまた襲われ、そして殺されるだけだ」
「そんな…一体どうすれば」
「簡単だ。私がお前らを鍛えてやろう。この国でな」
かくして僕たちの特訓が始まった。生活必需品は向こうに用意してもらえたし、ギルドの宿に置いてきた大事なものは回収してもらった。
僕、バトの異世界人はウィドに、エル、シヴァの神はホルスに修行をつけてもらう。
「まずお前らには“風”を感じてもらう。時にバト、風とは何かわかるか?」
「風?空気の…流れみたいな?」
「概ね正解だ。だがお前の言っている風は所詮言語の範疇に過ぎない。だが、属性としての風が司る権能は、即ち物質の移動だ。お前達はこの権能を一部でいいから操れるようにしてもらう。ということでお前達、スキルを使ってどんな形でもいいから風を起こせ」
え?結局ただの風じゃん、と思ったことは口にしないでおく。
だが毒で風なんてどうやって起こせばいいんだ?
チラリと横を見るとバトが空気にパンチや蹴りを打っていた。拳圧で風を生んでいるようだ。蹴りを放った時にスリットからチラリと下着が見えそうになったので自分のことに集中する。
風…運動エネルギー…化学エネルギー…!
硫酸と水で上昇気流が生める!
濃硫酸を水に激しく溶かすと希釈熱と呼ばれる熱が生まれる。これを活用すれば上昇気流が発生するだろう。さらにこの反応を蝕銃内で起こすと…予想通り蝕銃の指先から細い風が一気に出た。
「二人とも風は作れたようだな。そろそろスキルが追加されるだろう」
というと同時にヴンと音を立ててステータスが表示されたと思うと、スキルの欄に「風利用Ⅰ」が追加されていた。
ふとエルの様子が気になり、エルの方を見ると、ホルスがエルとシヴァにヒトの目玉を見せていた。なにあれ。
いかがでしたか?
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ところでジャンヌダルクって美女のようによく描かれていますが、実は不細工だったそうです。なぜなら軍隊で紅一点だったにも関わらずジャンヌダルクが襲われたなどという話は残っていないからです。
知りたくなかった!まあこの話では可愛い設定なんでよろしくお願いします。
また次の話でお会いしましょう!




