#10 帰還と不審者
どうも黒艶日暮です。
前回、変なスライムと対峙することになったベノ一行、一体どうやって倒すのでしょうか。
まず、スライムの性質について。アメーバ状の不定形の細胞が集合している生物だ。しかも厄介なことにそれぞれの細胞が自立しているため切り刻んでもなんの効果も示さない。通常だと焼いて退治するのだが、洞窟の天井も低くなっているためこのサイズの個体を焼こうとすると間違いなく一酸化炭素中毒まっしぐらだろう。
そして戦闘が始まった。
蝕銃で水溶液を一気に噴射する。さて、どんな反応をするか。
全く動きはないようだ。生徒たちが絶望的な表情をしている。
だが、“成功”だ。
噴射した水溶液は「ホウ砂水溶液」だ。このホウ砂、ご存知の人も多かろう。水のりと水と混ぜることでスライムが作れるのだ。そして、作るときにホウ砂の割合を多くしたらスライムは硬めになる。そう、スライムに攻撃が効いていないのではなく、アイツは動けないのだ。
さて、ここから僕にできることはない。生徒たちには不格好だと思われるかもしれないが仕方ない。
「逃げるぞお前らぁぁぁ‼︎」
その声で我に返ったようで、生徒たちも走ってついてくる。気配感知をフル稼働させているので周りの魔物は蝕銃で瞬殺しながら進む。
なんとか無事帰還に成功した。ヤマセが肩で息をしながら聞く。
「はぁ、はぁ、何なんですかあのでかいヤツ…」
「ベルゼブブスライム、最近見つかったスライムの新種、正確には新しい進化形だね。危険な目にあわせてしまって本当にすまない…」
「まあ、アンタが言ってた『生きる力』ってのが大事ってのはわかったわ、先生」
とハロ。少しだけ目頭が熱くなる。
「涙ぐんでんぞ先生、やっぱガキじゃねーか」
帰った後、校長からはこっぴどく怒られた。まあ当然と言ったら当然だ。責任を取りにあとできちんと作戦を立てて討伐に行くか。
そんなことを考えながらギルドに向かった。ギルドでベルゼブブスライムのことを報告したら生き残れたことにかなり驚かれた。どうやらあのスライム、かなり俊敏だそうだ。
ホントに変に溶かす毒とかじゃなくてホウ砂水溶液を撃ち込んでおいてよかった…
もう無茶はしないぞ、と心に誓った瞬間であった。
ギルドをでて、借りてる宿への道を進んで路地裏に入った瞬間に目の前に火柱が立った。
警戒してメスと蝕銃を構える。
火柱の中から15〜16歳程度のヨーロッパ系の顔つきをした少女が現れていった。
「蝕の人、あなた地球人、さらに言えば東洋人だよね?」
妖艶な笑みを浮かべて言う。危険な匂いしかしない。
「誰だアンタ」
攻撃的な口調で言う。
「私はジャンヌと言う。以後お見知り置きを」
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新キャラ、登場しましたね。これからさらにバトル展開も加速すると思います。
お楽しみに!
また次の話でお会いしましょう!




