表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の彼女は幻かもしれない  作者: Melon
第4章 不信

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/28

居眠り

「ま、正道......?」


「はっ......!」


幻、その言葉に囚われ、無意識に七瀬を見つめ続けていた。


「す、すまん......」


俺は咄嗟に、少しだけ距離を置く。

そんな俺を、不思議そうに見つめる七瀬。


「......本当に大丈夫?」


「だ、大丈夫だって!」


「ならいいけど......。大丈夫なら、早く学校行こう? 遅刻しちゃうかもしれないし」


七瀬は学校に向かって歩き始めたので、俺も一緒に歩き始めた。



「はぁ......」


教室に入り、自席に着席した俺は、大きなため息をついた。

精神疲労からあまり眠れておらず、登校の疲れもあり、眠くなってきてしまったのだ。


「おはようございます」


坂月先生が教室に入り、教室の奥にある教員席に座る。


「あ、坂月先生。ちょっといいですか?」


座っていた七瀬が立ち上がり、坂月先生の元へ向かう。

話している内容が気になるが、俺の席まで声は届かない。


「ふわあぁぁ......」


眠気に襲われ、コクリ、コクリと頭が動く。

そんな中、チャイムが鳴り、朝会が始まろうとしていた。

しかし、眠気に耐えられなかった俺の記憶は、そこで途絶えてしまった。



「......ねぇ。まだ勉強するの? もう十一時よ?」


「うん。まだする予定。こんなんじゃ、志望校に合格できないから」


眠い目を擦りつつ、お風呂上りでサラサラした髪を指でいじる。


「勉強も大切だけど、それ以上に体も大切だから、無茶しちゃダメよ? それに、寝不足は肌荒れの原因にもなるのよ? 肌がボロボロになって、ニキビだらけになったら、同級生の正道くんに驚かれちゃうかもよ?」


「大丈夫。興味ないから」


「......そう。それじゃ、頑張ってね......」


それから、日付が変わり、二時を過ぎるまで勉強をした。

ベッドに横になろうと思ったが、疲れで体を動かす気力がない。

椅子に座ったまま、そのまま伏せ、眠ることにした。



「......正道! ......正道! 起きて!」


突然、体をユサユサと揺らされ、目が覚める。


「んぅ.......。......はっ!」


俺はガバっと勢いよく体を起こし、辺りを見渡す。

視界に偶然入った時計を見ると、既に午後四時になっていた。


「い、いつの間に......四時......?」


「正道、今日はずっとボーっとしてて、まともに授業を聞かずに帰る時間になっちゃったんだよ! 眠るごとに私が起こしても、ボーっとしたままだし......」


「ま、まさか......」


今日一日、ほとんど意識が無い状態で過ごしてしまった。


「ち、ちなみに坂月先生は何か言っていたか......?」


「起こしても起こしてもずーっと眠そうだったから、オロオロしてたよ」


「そ、そうか......。悪いことしちまったな......」


俺は授業をサボってしまったことを申し訳ないと思った。

だが、そのおかげで頭はスッキリとしており、眠気は吹き飛んでいた。


「あ、そういえばこのあと誕生日会か......。早く帰らないと......」


俺は荷物をまとめ、教室から出ようと立ち上がる。


「あ、待って!」


七瀬は帰ろうとした俺の腕を掴み、引き留める。


「坂月先生が車で送ってってくれるから、帰る準備が終わるまで待ってて、って言われてるの。」


「そ、そうなのか」


「うん。だから、もう少し待ってよ」


「ああ......」


俺は再び座り、七瀬と待つことにした。



窓が開いており、蝉の鳴き声が聞こえてくる夕方直前の教室。

そんな教室で、彼女と二人きり。

俺が得体のしれない謎に見舞われていなければ、青春してるな、とでも思えたのかもしれない。

しかし、今の俺に、この状況を満喫する余裕などなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ