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学園戦兎トリプルバニー!~えっちな怪異は許さない!バニー戦士の三人娘は「ピンチ」に負けず魔を祓う~  作者: 優パパ★&タマネギーニョ
第2話「ようこそ、みんなの『宿坊』へ! ドッキドキの歓迎会☆」
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その2「あ、『もみマン』食べますか?(ニッコリ)」

第2話続きデス!

なお、場面は変わって、内容は第1話ラストからの続きに当たります。


※あと先にお詫びしておきますが、イラスト担当のタマネギーニョさんの負担も考え、

こっからはさすがに毎話に挿絵はつきません(第1話は初回サービス)ご了承ください。

その2「あ、『もみマン』食べますか?(ニッコリ)」


「……ということで、じゃじゃーん! ここがこれから宗春君に暮らしてもらう、三ツ矢神社の『宿坊』でーす♪」


 大げさな効果音を付けてそう言うと、宗春の前を歩いていた巫女服姿のお姉さん--宮島楓楽みやじまふうらさんが、ニッコリ笑って振り返る。


「へぇ……『宿坊』って言うからどんなだろうって思ったら、まるで旅館みたいな感じなんですね」 


 しかも道中に聞いた話では、元々は学園に併設されている三ツ矢神社の参拝者用に、何と戦国時代に建てられたものだというから、てっきりボロボロかと思っていたのだが、意外にも見た目は新築同然だ。


「昨年全面リフォームしたばかりですからねー♪ おかげですっごく快適になりました。どうです? なかなか素敵でしょ♪」


 お茶目な感じでそう言うと、エヘン♪と胸を張る宮島さん。


 おそらくは、ずっと緊張した様子の宗春を気遣ってのことだろう(後は遅刻して放置してしまったことに責任を感じているのかも知れない)、宮島さんは宿坊までの道中、ずっとこんな調子でにこやかに話しかけてくれていた。


 何かと気を遣われるのは少し心苦しくもあるけど、ここに至るまでずっと心細かったから(しかも変なことにまで巻き込まれたし!)、そんな厚意がやっぱり嬉しい。


(可愛いだけじゃ無くて、優しい人だなぁ、宮島さん……)


 まだどうしても緊張はしてしまうけど、警戒する気持ちはすっかり溶けて、宗春は心の中でホッと安堵のつぶやきを漏らす。


 さっきだって、黙ったまま後に付いてくる宗春を和ませようとしてか、誰もが知ってるあの有名なお饅頭を懐から取り出して(常備してるの!?)勧めてくれた。まぁその……


「あ、『もみまん』とかどうですか?」


 って、その「略し方」はどうかと思うんだけどさ!? ニッコリ笑顔のお姉さんから「もみまん」だなんてパワーワード、いくら無自覚でも凶悪すぎだよ!!


 それに--


(あと、その、胸……大きい……)


 そんな思春期な回想をしていたせいか、ついつい「そこ」に視線が向いてしまい、思わず宗春は赤面する。何せ身体のラインがわかりにくい巫女服でもハッキリわかるその大きさ、しかもエヘン♪と胸を張っているから、ますます余計に……


 ここで少しだけ本人の名誉のために言っておくが、別に宗春はいわゆる「おっぱい星人」なわけではない。そりゃもちろん思春期の男子だけあって気にならないわけではないが、本来なら初対面の女性の胸をジロジロ見たりはしないのだ。だけど!


 何せつい先刻、例の赤バニーさんとの濃厚な接触を果たし、バニースーツの見事な胸元の「谷間」を見せつけられたばかりなので、どうしても意識してしまうのだ! そりゃあもう不可抗力的にッ!!


 という、若さ故の苦悩はさておき--


「じゃあ、さっそく中に入りましょう! さぁ! 玄関の戸は宗春さんが開けてください!」


「え? あ、はい!」


 やたらと大きな宮島さんの声に、ハッ!と現実に引き戻された宗春が、促されるまま正面の引き戸へと手を掛ける。どうやら鍵はかかっておらず、そのままカラカラと横に開けると--


 シ--ーーーーーン。


「……あ、あれ?」


 あきらかに戸惑った様子の宮島さんが、宗春の肩越しにそーーっと中をのぞき込む。開けた引き戸から見える玄関の様子は、電気こそ付いてはいるものの、人の気配はまるでない。


「おかしいなぁ……まだ誰も帰っていない?」


 「誰も」というのは、すでにこの宿坊で暮らしているという「先輩達」のことだろう。ちなみにどんな人達なのか?という問いには「フフッ、内緒です☆」とはぐらかされてしまってたけど--


(……もしかしてアレかな。これは本当ならクラッカーでパーン♪みたいな感じのハズだったのかな……)


 あせあせしている宮島さんの様子を見るに、きっとそうだったに違い無い。そういえばさっきの大声も不自然だったし、きっと合図のつもりだったのだろう。でも何かの手違いでそれが失敗した、と。


「う、う~ん、そういうことでしたら……そうだ! まずは先にお風呂に入ってください!」


「ええっ!? 何で急に!?」


 いいこと思いついた!とばかりに提案してくる宮島さんに、戸惑いの声を上げる宗春だったが、


「だって宗春さん、何だか身体中に蜘蛛の糸みたいなのが付いてますし、そんなんじゃレディの皆さんに嫌がられてしまいますよ! 第一印象超大切! ということで、まずは身だしなみからです! 廊下の奥にお風呂がありますから、パパッと入ってきてください!」


「で、でも僕は何も準備とかしてないですし……着替えとかも……」


「大丈夫です! シャンプーとかは浴室にありますし、タオルとか浴衣も備え付けてます! あ、学生服は私が洗濯しときますから置いといてください!」


 サプライズが失敗したのをどうにか挽回しようとしているのか、ぐいぐいと言いつのってくる宮島さん。ち、近い! 顔が近くてドキドキする!!


「わ、分かりました! 入ります! 入りますから!」


 このままだと「何ならお背中流しましょうか??」とか言い出しそうだったので、観念した宗春はそう返事をすると、逃げるようにしてスニーカーを脱ぎ、廊下の突き当たりにある浴場に向かう。


 そして--


「ふぅ……まいったなぁ……」


 「ごゆっくり~☆」との声を背に、温泉マークの描かれたのれんをくぐった宗春は、誰もいない脱衣所の中で、ようやく安堵のため息をついた。


 親切にしてくれるのは嬉しいけれど、ああもぐいぐい来られちゃうと、人見知りの自分はどうしても固くなってしまう。しかも相手があんなに「可愛いお姉さん」で、しかも「巫女服姿」で「胸も大きい」とか尚更だ! 正直、「他のもの」まで固くなっちゃうよ!(赤面)


 そ、それは別として(鎮まれ、煩悩!)、人のことは言えないけれど、宮島さんという人はしっかりしているように見えて少し抜けてるトコがあるようだ。「管理人さん」だと言うけど、すっごく若いし大丈夫なんだろうか……


(それにさっきさらっと「レディ」って言ってたけど、「同居の先輩たち」ってやっぱ女の人なんだよね……そりゃ去年まで女子校なんだから、当たり前なんだけどさ……)


 そう思うとますます緊張が込み上げてくる。まさか自分が女の人たちと同居するだなんて、ホントにうまくやっていけるのだろうか……と、考えれば考えるほど憂鬱な気持ちになる宗春であったが……


(まぁ……何はともあれ。まずはお風呂に入ろう……)


 それはそれとして、さっきの蜘蛛怪人の残した糸がベタベタと不快なのは事実だ。宮島さんの話では宿坊の温泉は天然温泉で、気持ちいいだけでなく実に効能あらたからしい。宗春は何とか緊張を落ち着かせると(後、煩悩も)、まずは上着のボタンを外していく。


 そして脱いだ服を丁寧に畳んでカゴに入れると、腰にタオルを一枚巻いただけの姿で、ガラガラと浴室のガラス戸を開け--


 ちょうど浴室から出ようとしていたあかりと、真正面から鉢合わせた。


「……………………え”?」


 一瞬何が起こったのか分からず、ただ目の前に立つあかりの姿を茫然と見つめる宗春。


 そしてお風呂場だけに、もちろんあかりが何も身につけていない(しかもタオルで隠してすらいない)ことを認識し、立ちこめる湯気でも覆いきれない起伏に富んだ瑞々しいフォルムをクッキリと網膜に焼き付けたとき--


 宗春の鼻から、ぶしゅっ!と勢い良く鮮血が噴き出した!


「うっ……にゃあああああああ!!!!」


 それと同時に、同じくフリーズが解けたあかりの顔がボン!とばかりに爆発するや、開いた口から盛大な悲鳴がほとばしる! お風呂場どころか宿坊全体に響き渡るほどの悲鳴の中で、顔を真っ赤に茹で上がらせたあかりが、丸見えの身体を庇うようにして床にうずくまってしまった--まさにそのときだった!


「あかりぃぃぃぃ!! 無事なのーーーーーー!?」


 負けないぐらいの大声と共に、青のバニースーツ姿の碧衣が、勢い良くその場に飛び込んで来る! ハイヒールさえ脱ぐ間を惜しみ、全力疾走の余波ではぁはぁ……と息を切らしながらも、キッ!と鋭く視線を向けた碧衣の明晰な頭脳が、一体何が起こったのかをまさに一瞬で把握して--


 そして、その後どうなったかと言えば………………(ゴクリ)

なお、お分かりだとは思いマスが、ラストシーンのお風呂でバッタリは

『トリプルバニー! The Nocturne』の第1話その3.5後編の

ラストシーンとリンクしています。

もし未読の方がいらっしゃれば、あわせてお読みくださいませ!


それではこの続きはまた次の水曜日! 宗春の運命やいかに!?w

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