表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/76

『学園戦兎トリプルバニー!』「後書き」もとい「中書き」

え? どういう意味??と思った方はお読みいただければ分かります。

「えええええっ!? ここでこのお話『終わり』なの!??」


 場面は放課後の三ツ矢学園生徒会室。今日は特に仕事が無いので、備品のノートPCで『小説家にな〇う』を閲覧していた宗春の口から、思わず驚愕の叫びが上がる。


 どういう仕組みかは分からないケド、自分たちが登場人物を務めている小説『学園戦兎トリプルバニー!』が、久々に更新されてると思ったら今回が最終回!? 勘違い!? いや、間違い無い。作品情報のタイトルの下には、確かに『完結済』って書かれてるし!?


「まぁ『エタった』んでしょ。どーせ作者コンビが燃え尽きちゃったとか、そんな感じじゃない?」


「アハハ、ハラキリね! ハラキリ!」 


 衝撃を隠せぬ宗春とは対照的に、碧衣の反応はいたってクールで、キイロなんかはポテチを食べつつケラケラ笑っている。碧衣さん、「エタる」なんて用語知ってるんだ。あと、キイロさん、それは多分「打ち切り」……とかツッコんでる場合じゃなくて!!


「だ、だって『完結』も何も、僕、ようやく生徒会入りしたばっかりですよ!? むしろこれからが本番なのでは!? 伏線っぽい描写も色々あったのに!?」


「そんな『投げっぱなし』、『なろう』界隈じゃよくある話よ。そもそも途中で飽きてやめちゃう人がほとんどなんだから、2年半も連載して、一応区切りが付くとこまで続いただけでも上等なんじゃない? まぁ逆に言えば2年半もやってこんだけしか話が進んでないってどういうこと?って感じだけど」


「ホラ、アレだヨ。『アタタタ』エンドってやつネ! アタタタターーーッ♪」

 

「いや、『北〇の拳』じゃないんだから! それを言うなら『俺たた』ですよ!」


「エー、『アタシたちのタタカイはこれからダー』で合ってるジャン」


「そりゃまぁそうですけど……って、そんな話がしたいわけじゃなくてッ!」


 おかしい。自分たちが出演している作品が終了とか(しかもこんな中途半端な形で!)大変な事態なハズなのに、僕以外誰も動じていない……って、聞いた相手が悪かったような気もする。でも、こんな日に限ってあかりさんは遅れてくるって話だし!!


「マァマァ、ムネリンも落ち着きナヨ。ホラ、ポテチ分けたげるカラ☆」


「あ、ありがとうござ……って、一枚だけ!?」


 しかも小さいし!?と驚く宗春の前で、残りのポテチをザラザラと袋からラッパ食いするキイロ。

 

 ちなみにキイロはポテチなら湖〇屋よりも断然カ〇ビー派だ。意外に知られてないけど、カル〇ーは元々は広島発祥の会社だしね!(現在は東京が本社)


「……って、そんな広島豆知識も今はいいですから! そんなことより、せっかく生徒会で頑張ろうって決めた、僕の『成長物語』はどうなっちゃうんですか!?」


「ハ? アンタなんかが成長するわけないでしょ。バカ春はバカ春らしく、身の程ってもんを知りなさいよ」


「ムネリンはサー、ダメなままのホーガいいんダッテー。ホラ、コトワザにもあるジャン。『ダメなコボルトはカワイイ』っテ☆」


「うぐうっ!?」 


 碧衣の言葉の苦無に急所を刺され、キイロのわけのわからないことわざに煙に巻かれ(宗春「てか何でコボルト!?」キイロ「ワンコっぽいカラー♪」)、ライフを大幅に削られる宗春だったが--


「それについては心配無用よ!!」


 そのとき、バーン!と生徒会室の扉を開けて登場したのは、我らが生徒会長・吉川あかりだ!


「誤解しないで、春くん! この作品は『終わる』わけじゃなく、リニューアルするのよ!」


「ええっ!? どういうことですか!?」


「ここからのお話は『学園戦兎トリプルバニー!EX』とタイトルも変えて、今までの連作短編形式の長編じゃなくて、時系列バラバラな短編集みたいな形になるんだって! ちなみに春くんが生徒会入りしてから二年生にあがるまでの1年間の出来事を描くらしいけど、それよりも過去に飛ぶこともあるみたいだよ。とにかく、時系列バラバラで色んなエピソードを自由に書くスタイルにしたいんだって!」


「……な、なるほど。でも、あかりさんなんでそんなこと知ってるんですか??」


 あかりの説明に納得しつつも、当然のように浮かんだ疑問を問いかけた宗春に、あかりは何だか「血で汚れている」ように見える右拳を、ササッと背中に隠しながら答えた。


「その、あたしもついカッとなっちゃって、ちょっと『直接』聞いてきたんだー『こっからあたしと春くんの青春ストーリーが始まるってのにどがいなことよ!?』って。そしたら親切に全部教えてくれたよ☆」


「いや、絶対実力行使しましたよねぇ!?」


 基本あかりさんが広島弁になるときは。ブチ切れた時だけだ。ということはさぞかし血の凍るような惨劇が……って、震えてる場合じゃなくて!


「でも、何でその1年間だけなんですか? 仮にあかりさんたちが卒業するまで書くにしてももう1年ありますよね?」


「んー何でもここまで続いてる『本編』の第9話に当たる話が、『それ以降の内容』になるんだって。だからこの1年に限定しないと、後で辻褄が合わなくなっちゃう可能性があるからって言ってた」


「今のストーリーの続きを書くつもりはあるってことっですね。それはそれで安心しましたけど、でもそれなら別に『完結済』とかにしなくてもいいのでは?」


「続き書くのがいつになるか分からないし、何ヶ月も放っておくと『なろう』って『この連載作品は未完結のまま〇〇以上の間、更新されていません』って表示が出ちゃうのがイヤなんだって。あとそれともう一つ」


「もう一つ?」


「この業界には《完結ブースト》ってのがあるらしいから、試してみたいって言ってたよ」


「めちゃくちゃ打算的じゃないですか!!」


 そんな理由で僕はあんなにも慌てさせられていたのか……と思えばガックリと脱力してしまいそうになるが、まぁでも……


「ふーん、続くんだ。ま、確かにここで終わっちゃスッキリしないわよね。だってまだ私とあかりが結婚してないし、あんたのことも殺せてないし」


「キイロはすっごくウレシーよ♪ ダッテ、マダマダ遊び足りないモン☆」


 碧衣さんは相変わらず物騒だし、キイロさんは相変わらず困った人だ。そして、


「だから春くん。これからもあたし達と一緒に、この学園で青春しようね!」


 爽やかに笑って手を伸ばしてくるあかりさんは、相変わらず真っ直ぐで格好いい。うん、この先輩たち(キイロさんは同学年だけど)と一緒に学園生活が送れるのは、何だかんだあってもやっぱり嬉しい。毎日賑やかで、ドタバタだけど、少なくとも退屈だけは絶対にしないだろうし、ね--


--そして、もちろん吾輩ちゃんも楽しみである!(゜∀゜)


(うわっ、びっくりした!? 何ですか玉神様、急に「回線」繋がないでくださいよ!) 

 

--実は耳寄りな話があってな。『EX』は「なろう」から「ノクタ」に移籍するらしいぞい。何でも「『なろう』は規制が厳しくてラッキースケベが書きにくい」ということらしいのでな。


(そんな理由!?)


--何を言うか!( ゜д゜) めちゃくちゃ重要ぞ! きっとこれからはもっと「日常的に」ウハウハなシーンが描かれるハズ♪ く~ぅ、玉ちゃん、楽しみでタマラ~ンチ!!


(………………どうしよう、もう不安しかない)


 一気に気が重くなった宗春を尻目に、うひゃうひゃ♪とご満悦な玉神様@脳内。果たして、この物語はこれから一体どういう展開を見せるのか?


 それは『EX』第1話を乞うご期待☆ということで、とりあえずこれにて一旦おしまい!


一同「「「これからも『トリプルバニー!』をよろしくお願いします!!!」」」 

挿絵(By みてみん)

 

玉神「……あれ? 吾輩ちゃんだけ仲間ハズレ??」


   【第一部完】

ということで、本編はいったんここでお開きです。ご愛読ありがとうございました!

続きを書く気は十分あるのですが(プロット自体はあるので)いつになるかは分からないので、それまでは新連載『学園戦兎トリプルバニーEX!』をお楽しみいただければと☆

元々タマネギーニョさんとは、お互いの創作の合間に「明るく気楽な息抜き的に」制作しようというコンセプトで始めたこの企画ですが、『EX』はまさにそういう作品になるかと思いマス。

ここまで読んでくださった方なら絶対楽しいので、ぜひ続けてご贔屓の程よろしくお願いいたします!m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ