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学園戦兎トリプルバニー!~えっちな怪異は許さない!バニー戦士の三人娘は「ピンチ」に負けず魔を祓う~  作者: 優パパ★&タマネギーニョ
第7話「キイロ大ピンチ!? 学年行事は危険がいっぱい!」
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その5「大芝生広場は楽しい遊びが目一杯!」

続きデス!

その5「大芝生広場は楽しい遊びが目一杯!」


「ウ~ン☆ スムージーとっても美味シーデス♪ ムネリン、サンキューネ☆」


 そう言ってストローをチュルチュルするキイロの横で、宗春はがっくりと肩を落とす。だって、自販機のジュースかと思えば、「花の広場」を出た所にあった屋台のスムージーとか、そりゃ冷たくて美味しそうなのは分かるけど、一杯600円は痛い……


 ちなみに宗春は「特別特待生」として授業料ならびに宿坊での生活費が全額免除されており、更に「特別奨学金」として昼食代を含めた雑費、つまり「お小遣い」が月2万円ほど給付されている。それだけでも岡山時代に比べたら夢のような待遇だが(恐縮してしまうぐらい)、かと言って一杯600円のジュースをホイホイ気軽に飲めるほどでは無い。あかりさんたちにお土産も買って帰りたいしトコだし……


「ン? ムネリンも飲むカ?」


 ついつい恨めしそうな表情になったのをどう勘違いされたのか、キイロが口からストローを離すと、ひょいとこちらに向けてくる……って、そそそ、そんなの咥えられるわけないでしょ!? こちとら思春期の男の子ですよ!?(汗)


「美味シーノニ。ジャ、全部飲んジャウネ~☆」


 ブンブン首を振る宗春の前で、あっけらかんと笑ったキイロは再びストローを口に含むと、ジュルルッ♪と最後まで吸い尽くす。そして「ア~美味シカッタ☆」とご機嫌に感想を述べるや、更に元気いっぱいになったキイロは再び宗春に腕を絡めた。


「ソレじゃ、行こっ! ムネリン☆ オ楽シミはマダマダコレからダヨ!」


「あっ、は、はい!」


 キイロに引きずられるまま、「花の広場」の出口にある陸橋の下のゲートをくぐると、その先に広がっているのが備北丘陵公園における「遊び場」ゾーンだ。


 広大な敷地の中では色んな体験をすることができて、スポーツを楽しみたいならグランドゴルフやキャッチボール、フィールドアスレチックもあるし、中央のため池(広島県最大!)ではカヌーもできる。自然を愛でながらのサイクリングもいいし、園内を周回するロードトレインに揺られるのもよし。もちろん、ただ歩き回るだけでも美しい春の草花が見られてリフレッシュできるというものだ。


 ということで、ここから再集合の14:30まで、昼食タイム込みでの約4時間、生徒達はめいめい好きなことをして過ごすことになっている(先生二人はその間、湖畔にあるレストハウスに本部を置いて待機or巡回指導)のだが、では、我らがキイロがどうやって過ごすつもりなのかというと--


「アハハハ♪ タノシーーーーーーッ!!」


 「大芝生広場」の名に恥じぬ、これまた8ヘクタールもあるとんでもない広さの芝生の広場に、キイロの歓声が響き渡る。


 もちろんただ広いだけの広場ではなく、そこでは子どもたちが思う存分外遊びを楽しめるよう、色々な遊具が置かれている。籠の形をしたブランコに、ちっちゃくて可愛い「ままごとハウス」、バランスボールも貸し出してくれるし、芝生ゲレンデはソリで滑れる。更には水が噴き出る「ビックリシャワー」なんてものまである。


 中でもキイロのお気に召したのは、この広場の一番のウリである超巨大な複合遊具「きゅうの丘」だ。見た目はでっかいキノコの集合体みたいだが、巨大ネットやら縄ばしごやらターザンロープやら何種類もの滑り台やらといった様々な仕掛けが組み合わさって、冒険気分が楽しめる大人気のアトラクションだ。


 特に頂上から地面までの長い距離を滑り下りる「ジェット・ローラー・スライダー」が大のお気に入りで、それこそ子どものように何度も何度もトライしては、ケラケラと楽しそうに笑っていた。


(((良かった……キイロちゃん楽しそう☆)))


 他にもこの広場で遊んでいる生徒は10人ほどいるが、そこはお嬢様たちだけに(より活発な生徒たちは他のスポーツ系を楽しんでいるのもある)、その多くは芝生にビニールシートを敷いては、はしゃぐキイロを愛でつつ、まったりとくつろいでいる感じだ。


(あ~、遊びに夢中なキイロちゃん、すっごく可愛いよねー♪)

(うんうん。まるでウサギさんみたいにピョンピョン跳ねちゃってて☆)

(すっごく童心に返ってるって言うか。フフ、ホントに子どもみたい)


 年齢的にはキイロの方が一歳上なのだが、見守る女生徒たちの心は、まるで子どもが遊ぶのを眺める保護者の気分だ。ただ、そんな風に微笑ましい気持ちになる一方で--


 ばるん♪ ばるるるるん♪


(((でも、「そこ」だけは子どもとは言えないけれど……!)))


 何せキイロがキャッキャ☆と飛び跳ねるたびに、ジャージの胸元がぶるんぶるん♪と揺れ動くわけで、その圧倒的な迫力を前に女生徒たちは揃って息を飲む。しかも元から上まで閉まりきらない中、キイロがはしゃげばはしゃぐほどファスナーがどんどんずり下がっていって、ますます大変なことになっているのだから尚更に!(苦笑)


 でもまぁそれはさておき、他にキイロが気に入ったのは、広場の入り口近くに置かれたいわゆる「ふわふわ遊具」だ。スライダーと一体化した「ドラゴンタワースライダーコンボ」と、アスレチック的な感じで遊べる「シャークコンボ」の二種類があり、1回15分で500円という有料の施設なのだが、そこはまぁ「金持ち」なので、交互にハシゴする形で軽く一時間は遊んでいた。


 ……と、そんなこんなであっという間に二時間ほどの時間が流れ--


(……つ、つかれ……た……)


 まだまだ元気いっぱいな様子のキイロの横で、ぜーぜー荒い息を吐きつつ、芝生にがっくりと両手を突いていたのは宗春だ。なにせここまでずーーーっっと、キイロにつき合わされてきたのだから!(なお、「ふわふわ」の代金はさすがに奢ってくれた)


 そうでなくても元々体力がある方では無いのに、こんな二時間ぶっ通しで遊び続けるとか、疲労で膝がガクガクする。気分は何というか、子どもの外遊びにつき合わされた運動不足のお父さんである。


 しかも腹立つことに、玉神のヤツはこういう時はしらーんぷりして、全くコンタクトをとってこないのだ。もう間違い無くゲームしてるし!


 とはいえ、ふわふわ遊具で遊んでいる時、玉神との回線が繋がってなかったのは幸いだった。もしそのとき玉神がいたら、目の前でボインボイン♪弾むキイロの胸に興奮しまくって、それはもうさぞかしウザかったことだろう。いや、だって「アレ」はホントに、その、す、「すごかった」し……


 と、ついつい色々と思い出してしまって、宗春が思わず赤面してしまったそのとき、


「フゥ……デモさすがにキイロもゲットタイアードネ。というコトで、ムネリン!」


 軽く額の汗をぬぐったキイロが、次の瞬間、目をキラキラさせて宗春に視線を向ける。


「ソロソロ、タイボーのランチタイムにシマショー!!」


「あっ……は、はい!」


 まさかアレなこと考えてたのがバレた!?と、一瞬ドキッとさせられたものの、正直、宗春自身もお腹はペコペコだったので、その申し出は大変ありがたい(休憩も取れるし)。宗春は二つ返事で立ち上がると、キイロと一緒にリュックを置いたレジャーシートの場所へと戻る。


「あ、清水くんたちも今からご飯なの?」「ほな、一緒に食べへんか?」


 そこにちょうど園内の散策から戻った千景と知由美も合流して、そのまま四人で昼食ということになった。


「あっちの『ピクニック広場』にはね、ネモフィラがたくさん咲いててすっごく綺麗だったんだよ~」


 ニコニコと笑って報告しながら、リュックからバスケットを取り出した千景に、知由美が目ざとく気付いて話しかける。


「お、ちーちゃんは自分で作ったんやな。ウチは料理できへんから弁当注文にしたんやけど、やるやん、ちーちゃん。さすがの女子力!」


 なお、女子寮には共有のキッチンスペースがあり、申請すれば誰でも使えるらしい。なので、こういう行事の時には自作する生徒もけっこういるそうで、千景もその一人というわけだ(なお、そうでない生徒はお弁当を注文することができる。知由美のはちなみに幕の内弁当)。


「やだ。そんなにたいしたもんじゃないよぉ」


 はにかみながら千景がバスケットの蓋を取ると、中からはサンドイッチが姿を見せる。具の種類も色々あるようで、謙遜しつつも見るからに美味しそうな感じであった。


「あ、良かったらみんなも食べる? そう思って、ちょっと多めに作ってきたんだ」


「え、いいの?」「さっすがちいちゃんやな♪」「ジャ、遠慮ナク……」


「キイロさんはまずは自分のを食べましょうね!!」


 ひょいっと手を伸ばし掛けたキイロを遮るように、宗春は五段重ねのお重をドーンとその目の前に置く。危ない危ない、下手するとせっかくの千景のサンドイッチが、一瞬で無くなるところだったし!


「仕方ナイデスねェ。ジャア、サンドイッチは食後のデザートにスルとシテ……」


(((サンドイッチってデザートなんだ(なんや))))


 戦慄する宗春たちは特に気にせず、気分を切り替えたキイロはウキウキしながら、五段のお重を展開する。一つ一つすごく手が込んでいて、そりゃ宮島さんもやつれるわ……と言いたくなるような力作だ。


(なのに僕の分までお弁当作ってくれたんだよなぁ……)


 そう思うと宮島さんにはホント感謝しかない。鹿マークのお弁当箱を開くと、中には玉子焼きに唐揚げにウインナー、それにおむすびが詰められていて、手作りのお弁当なんて初めてなだけに、嬉しさに顔が綻んでしまう。


(帰ったら宮島さんに、改めてちゃんとお礼を言わなくっちゃ……)


 そう思いながら、美味しいに決まってるおむすびを一つ箸で掴む。その横では視界いっぱいに広がるご馳走を前に、目をキラキラと輝かせたキイロが、何から食べようかと迷った末に、まずは大好物の出汁巻き卵を箸で掴んで、アーン♪と大きく口を開いた、


 --まさに、そのときだった!


お話はここまでが前半になりマス。

何度か言ってますが、ボクはこのお話を「プリ〇ュア」のノリで書いてるので(笑)

ここまでが日常なAパート、でもってここからがバトルなBパートって感じデス!


なのでここで一旦CMをはさむ感じで(笑)一日おいて、明後日12/22から

後半戦の更新を再開します。お楽しみに☆

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