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学園戦兎トリプルバニー!~えっちな怪異は許さない!バニー戦士の三人娘は「ピンチ」に負けず魔を祓う~  作者: 優パパ★&タマネギーニョ
第6話「VS《縄の怪異》! 僕は…あかりさんの力になりたい!」
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その3「激突! 赤のバニー戦士VS《縄の怪異》!」

いよいよあかりVS怪異のバトルスタートです!

その3「対決!赤のバニー戦士VS《縄の怪異》!」


「あかりさん! 僕のクラスメートが二人捕まって!」


「わかった! 任せてッ!」


 とはいえ、感激を伝えるのはあくまで後だ。宗春の叫びにすぐさま応じたあかりは、膝を曲げた状態から再び跳び上がると、目の前の怪異めがけて猛然と挑みかかる!


「《ジャンピング・バニー・チョップ》!」 


 バシュッ! あかりは右の手刀でローパーの右側の縄を断ち切り、落下しかけた千景をすかさず左腕で抱き止める。そして乱れた机の一つに軽やかに着地したかと思うと、再び大きくジャンプを決めつつ今度は左側の縄を飛び回し蹴りの形で蹴り抜いた!


「ハアアッ!」


 気合い一閃! あかりの真紅のハイヒールが鋭利な刃物のごとく縄を断つ! そして回転しながら知由美の身体を右腕でキャッチすると、あかりは再び机を足場にジャンプを決めて、教卓の上へと戻ってきた。


「す……すごい……」


 教室内の空間を縦横無尽に跳びはねながら、たちまち二人を救出してのけたあかりに、宗春は感嘆の吐息を漏らす。


「春くん! この二人をお願い! とりあえず教卓の下に匿って!」


 だが、今は見惚れている場合では無い。宗春は「はいっ!」と弾かれたように返事を返すと、ひとまずあかりの腕からぐったりとした二人を下ろすのを手伝い、続けて一度では無理なので、土橋さんから順番に教卓の陰に下ろしていく。


「あたしは……こいつをぶっ倒す!」


 その間にあかりはくるりと後ろに振り返り、2mほどの距離を空けて立つ怪異の単眼をにらみ据える。身長167cmのあかりが教卓の上に立つと、目の高さは怪異の単眼の高さとほぼ同じで、まさに真っ向から見返す形だ!


「ナワァアアアア……」


 だが、もちろん怪異もそんなことでたじろぎはしない。むしろ怪異は怪異で、身体の一部を断たれただけでなく、大切な獲物まで奪われたことに怒り心頭の様子で、ギョロリとした単眼を赤く血走らせていたが--


「…………ナワッ♪」


 その丸い瞳が不意にニヘラ~♪としたハート型に変わる。どうやら少し興奮が収まると同時に、目の前に立つ敵がバニースーツの美少女、それも見事なプロポーションの持ち主であることに気づいたらしく、途端にソワソワと身体を揺らしはじめて……


--あ~アレは縛りたがってるわ~、ウズウズしてるわ~


「あ、あかりさん、気をつけてッ!」


 「変態は変態を知る」とばかりにうんうんとうなづく玉神を受け、慌てて宗春が呼びかける。それに「大丈夫!」と答えたあかりは、肘を少し曲げた状態でスッ……と左右の手の平を前方に構え、怪異の動きを待ち受けた。


 そして緊迫の一瞬の後--!


 シュルルルルルル……! 左右に空いた「うろ」の中から、恐らく胴の内側で生成されたのであろう、断ち切れたハズの縄が前以上の長さで溢れ出る! そして、まるで獲物に襲いかかる蛇のように、左右から勢いよくあかりに襲いかかった!


 が--!


 パシッ! パシパシッ! 


 「危な……」と叫ぼうとした宗春の前で、両腕をまるで円を描くように回転させたあかりが、二方面から迫る怪異の縄をいなすようにして払い除ける。当然怪異は躍起になるが、しかしどれだけ攻撃を繰り出し続けても、全てあかりに阻まれてしまう!


「す、すごい!」


 思わず驚嘆の声を上げる宗春に、ちょっと得意そうな声で答えるあかり。


「これぞ、《バニー・ローリング・ディフェンス》! そんなヌルい攻撃、あたしに当てるなんて不可能だから! 『矢でも鉄砲でも火炎放射器でも持ってこいやァ!』って感じ!」


(いや、それはさすがに格闘漫画の読み過ぎでは……)


 と、さすがにツッコミたくなる宗春だったが、まぁ「えへん♪」となってるあかりさんは可愛いから別にいいか!


「だから、ここはあたしに任せて、春くんは早く後ろに隠れ--」


 余裕で縄をさばきながら、チラリとあかりが後ろを向いたその瞬間--


 自信に満ちていたその顔が、思わずピシッと硬直した。


 なぜなら、その視線の先に見えたのは、ちょうど教卓の陰に下ろそうとしていたタイミングで戦闘が始まってしまったため、「しっかりと浦上さんを抱きかかえた」状態の宗春であったからだ!


(……は、春くんが、あ、あんなに女の子と密着して…………」


 もちろん今の状況は分かっている。分かってはいるつもりなのだが、何せ助けに来る前に感じていた「傷心」がくすぶり続けていた分、その光景はあかりにとってはかなりの衝撃であったのだ!


 しかも逆に宗春の方は、あかりのバトルに注目した分身体に力が入ってしまい、正直「抱きかかえる」というよりはむしろ「抱きしめる」という方がふさわしい状態になっていたから余計に!!(そして宗春はそれに気づいていない)


(ああ……やっぱりこの二人はもう「そういう関係」なんだ……)


 そう思うと、キュッと胸が締め付けられるような気持ちになって、あかりの目にじわっと涙がにじんだ--そのとき!


 シュルッ! シュルルルルルッ!!


 左から伸びてきたローパーの縄が、一息にあかりの身体を絡め取った!


「しま……っ……!?」「あ、あかりさん!」


 ハッと我に返ったあかりの呻きと、宗春の悲鳴が重なり合う!


 何と恐るべき早業か! ほんのわずかな隙を突いた怪異は、たちまちにして両腕もろともウェストの辺りを縛りあげると、更には両脚の足首までをもぐるぐると縛ってしまったのだ! これではさしものあかりも身動きが取れない!


「あ、あかりさん! い、今、助けに……」


「近づいちゃダメッ! それより春くんは早くその子と隠れて!」


 狼狽する宗春に気丈に告げると、あかりは「この程度の縄ッ……!!」と両腕に《神気》を込めて、アラクネーの糸の時と同じく一気に引きちぎろうとする! 


 しかしそのとき、右側の縄がまるで鎌首をもたげた蛇のように迫ると、バニースーツの胸の谷間にグニュッ☆とその「先端」を押しつけた!


(なっ……何を!?)


 あかりが身を固くしたそのとき、妖しく蠢く先端部分が谷間をこじ開けるように下へと潜り込む! ズポッ!と谷間を抜けた先端は、続けてシュルシュル背中に回り込んだかと思うと、再び前側に現れ更にあかりの身体に絡みつく!


「あっ……!? や、やめろっ……!」


 縄の「意図」を察したあかりがじたばたもがいて抵抗するも、縛られた身体はビクともしない! そしてようやく縄が動きを止めた時--


「ああっ!?」


 思わずあかりが羞恥の悲鳴を上げてしまったのも無理は無い! あかりのDカップの双乳は、まるでその前に突き出たロケットぶりを強調するかのように、ぐるりと取り囲んだ縄によって完全に縛られてしまっていたのだ!!


--おお……乳房の上下で挟み込むだけでなく、たすき掛けの要素も加えて更に大きさを強調するとは、何という見事な「乳房縛り」! しかも普通この状況ならおっぱいを揉み揉みしたり、撫で撫でしたりするだろうに、あくまで「縛ること」のみにこだわるとは……怪異ながら実に天晴れである! く~っ、たまらん! できればもうちょいこっちに向けて欲しいッ!


(褒めてる場合じゃないでしょ! あかりさんを助けなきゃ!)


 興奮しまくりな玉神(@めっちゃ早口)を一喝する宗春だったが、かと言って何かできることがあるわけではない。浦上さんは下ろしたので自由は利くが、この状況で宗春が助けに行ってもあっさり返り討ちにされるだけだ。


(あかりさんがこんな酷い目に遭っているというのに……僕は何もできない……)


 振り向きかけたところを縛られたせいで、あかりの緊縛された様子は斜め半分ぐらいは見える形だ。あまりにも痛々しいその姿に、玉神とは別の意味でたまらない気持ちになる分、自分の無力さが余計に身に染み、一人打ちひしがれる宗春であったが……


「だい……じょう……ぶ……」


 そんな宗春の表情に気付いたあかりが、怪異にジリジリと締め付けられながらも、ニッコリと笑顔を作ってみせる。


「あたしは……こんなヤツなんか……に……負けたりしない……からッ!」


 と、気丈に言い放ったその瞬間! 突然あかりは縛られたままの両脚でピョン!と教卓から跳び上がったかと思うと、油断していた怪異の顔面めがけて強烈なドロップキックを叩き込む!!


「《バニー・ジャンピング・ダブルキッーーク》!!」


「ナワァアアア!?」


 ドーーン!! 痛烈な一撃を受けた巨体がぐらりと揺れて、さしもの怪異も悲鳴を上げる!


 しかし、あくまで不完全な状態で放った蹴りだけに、岩石の鎧を砕くには至らず、まして内側にある「縄の本体」にはダメージは全く通らない。すぐに体勢を戻した怪異は、むしろ思わぬ抵抗に受けたことに怒った様子で、くわっ!と単眼を見開いたその瞬間!


「あっ、あれは!?」


 あかりの胸を縛り終え、背中の結び目でダラリと垂れていた縄の先端部分が、再びシュルリと鎌首を上げる。だが、宗春が思わず叫んだ理由はそれだけではない。その先端からは注射針のようなトゲがニュルリと伸びて、毒々しいテカりを帯びて光っている!?


「あかりさん! 危なぁぁーーーーい!!」


 だが、宗春の警告よりも一瞬早く、怪異の縄から伸びた妖しい針があかりの背中に突き刺さる! とはいえ、あくまで注射針程度の細さなので、チクッとした痛みを感じたあかりが「ッ!?」となる程度であったが--


 しかしそれはあくまで最初のこと、次の瞬間、突然あかりは目を見開くと、縛られた身体を激しく痙攣させはじめた!?

どうなるあかり!? 続きは8/8(火)の予定!

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