表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園戦兎トリプルバニー!~えっちな怪異は許さない!バニー戦士の三人娘は「ピンチ」に負けず魔を祓う~  作者: 優パパ★&タマネギーニョ
第6話「VS《縄の怪異》! 僕は…あかりさんの力になりたい!」
41/76

その1「出現、《縄の怪異》!」

8月2日は「バニーの日」!d(゜∀゜d)

というわけで、第5話のお話の続きとなる

本編第6話の更新を今日からスタートします!


第6話は全編バトル展開ですからたっぷり楽しんでいただけるかと

思いマス!もちろんムフフな展開も盛り沢山ですからね!(笑)




第6話「VS《縄の怪異》! 僕は…あかりさんの力になりたい!」


挿絵(By みてみん)


その1「出現、《縄の怪異》!」


「--なぁなぁ。今、音したよな?」


 廊下の奥の方から聞こえきたその音に、3Fへと向かう階段を登りかけていた知由美が足を止めて振り返る。


「と、扉が開いただけだと思うよ! 多分理科の先生じゃないかな? かな??」


 そう言いながらも少し不安そうな顔をした千景が、キュッと横の宗春にしがみつく。それに思わずドキッとしつつも、宗春の胸にもまた、何とも言えない漠然とした不安が広がっていく。


 これはこの学園に来てからすでに幾度も味わった感覚--怪異アラクネー、ゴブリン軍団、そして入れたら怒りそうだけど《玉神》……何と言うか、「この世ならざるモノ」のみが発する禍々しい気配だ!


 シュル……シュルシュルシュル……!


 その場に固まる三人だったが、更に続けて「何か」が廊下を這うような音まで聞こえてくる。それも次第に大きくなって来ることから考えると、その「何か」はこちらに近づいてきているらしい! 一体、何が--!?と、宗春が生唾を飲んだその刹那!


「ウチ、ちょっと見てくるわ!」


 そう宣言するや、すかさずスクールバッグから一眼レフを取り出した知由美が、怯えるどころか目を輝かせて階段を駆け下りる。そして、2Fの廊下に降り立った瞬間--


 シュルルルルルルル!!


「うわわっ!?」


 その身体に何か「縄」のような物が巻き付いたのが見えたかと思うと、次の瞬間、グイ!と引っ張られた知由美の姿が、宗春たちの視界から消え失せた!  


「ち……知由美ちゃん!?」


 小さく悲鳴を上げた千景が、それでもクラスメートを気遣い、反射的に階段を駆け下りる。


 だが、廊下に降りたその途端、千景もまた再び伸びてきた「縄」に絡められると、知由美同様、廊下の奥の方向へと姿を消した!


「ど、土橋さん! 浦上さん!」


 ようやくフリーズから抜けた宗春が、慌てて二人に呼びかけたものの、しかし返事は返ってこない。ショックで言葉も出ないか、もしくは一瞬見えたあの「縄」のようなものに口を塞がれているのか--どちらにせよ、ズルルルと廊下を勢い良く引きずる音のみがして、やがてそれすら聞こえなくなる!


(さっき扉の開いた音がした方向だ。もしかして、そこに引きずり込まれた!?)


 この階段を降りれば、自分も同じくあの「縄」に捕まるかもしれない。ほんの数日前にアラクネーの糸に絡め取られたばかりの宗春だけに、ゾクッとした恐怖が背中を走るが、かと言ってこのままにしておくわけには--


「きゃあああああああああああッッ!?」


 その瞬間、恐怖に満ちた千景の悲鳴が響き渡り、宗春は「くっ!」と拳を握りしめると、勇気を出して階段を駆け降りる!


 幸い「縄」は待ち受けてはおらず、宗春はそのまま悲鳴の聞こえた方向--2Fは理科の専用教室が置かれていて、一番奥は「地学教室」--に向けて走り出す。廊下を走るのは本来良くないことだが(ましてお嬢様学校だし)、そんなことを言ってる場合ではない!


 そして、恐らくここから中に引きずり込んだのだろう、開いたままになっている入り口の扉から教室に入った宗春の目に飛び込んで来たのは--!


「なっ--!?」


 まず何よりでかい! 教室の後方にいたその「物体」の大きさは、教室の天井より少し低いぐらいだから、3m近くもある。その外観はタケノコみたいな形の円錐状の岩に見えるが、左右に「うろ」のように空いた穴からは二本の「縄」が食腕のように伸び出し、知恵美と千景を捕らえて宙に吊り上げている!


 そして、固まったままの宗春に向け、その「岩」と「縄」が融合したような《怪異》は、岩の上部についた一つ目をカッと見開くと、こちらは下部に開いた口の部分から、威嚇するような叫び声を上げた!


「ナワアアアアアアアッッッ!!」


「うっ、うわああああああ!?」


 すくみ上がった宗春が、大慌てで教卓の後ろに逃げ込む。横に長い実験台仕様な分、とりあえず小柄な宗春なら十分に身を隠すことはできたが、かと言ってここから一体どうすれば……!?


--んー、これはアレだな。RPGで言うと《ローパー》ってヤツだな。それも軟体動物系が多い日本版じゃなく、ガチな洋ゲー版の。


 そのとき、不意に玉神の念波が聞こえてきて、宗春は思わず問いただす。


(今までどうしてたんですか!? こんなのいるなら教えてくださいよ!)


--えー、だって事前に教えたらつまらないじゃ~ん。それにゲームもいいトコだったし。


(そんな理由かい!)


 さすがに怒鳴りつけたい気持ちになった宗春だが、しかし一方の玉神は平然としたものだ。


--そんなことよりさ、今あの子たち縛られちゃってるんでしょ? こんなトコに隠れてたら見えないじゃ~ん。ほら、立って立って! まぁ「状況」によっては別のトコが勃っちゃうかもだケド、イッシッシ☆


(できませんよ! そんなことしたらすぐやられちゃいます!)


--大丈夫だと思うよ~、あの《怪異》多分「男には興味無い」から。


(……え?)


--そこはさ、ホラ、吾輩《神様》だから分かっちゃうんだよね。あの《怪異》は元々は備品として長いこと使われてたロープに、使用者たちの「負の願望」が取り憑いて誕生したものだけど、その「願望」は……


(その「願望」は……?)


 思わせぶりに言葉を切られて、思わずゴクリと喉を鳴らす宗春に、玉神が続けたその内容とは--!?


--「どうせ縛るなら、可愛い女の子を縛ってみたい!」だな。うん、分かる分かる。


(ただの変態じゃないですか!? て言うか、「分かる」んかい!!)


 そして誰だよ、その「使用者たち」って!? 女子校なのにそんな「変態」を野放しにしてちゃマズいでしょ!!


--そう言うが、あくまで「妄想」であって、別に「実際にする」わけじゃないしな。心の中でどう思うかまでは裁けぬよ。ほら、歌にもあるじゃろ? 「夢だけは誰も奪えない心の翼」だって。


(……………………)


 まぁそう言われると、思春期男子である宗春にも色々後ろ暗いところはあるわけで、さすがに「縛りたい」願望こそは無いとは言え、それ以上は強く反論できない。


 しかも教卓の向こうからは、シュルシュルと「縄」の蠢く音に合わせて、


「あかん……あかんて……そないなとこ締めたら……ううんっ……☆」

「だめ……食い込んじゃう……、食い込んじゃうからぁ……んんん☆」


と、やたらと煩悩をかきたてるような、苦しげではあっても甘さの混じる声が聞こえてくるのだからなおさらだ! しかも、ついさっきまで一緒に歩いてたクラスメート女子の!!


--まぁ純粋に「縛る」のが目的のようじゃし、別に「絞め殺そう」とか「エナジーを吸い尽くそう」とかでもないから、満足したら放すんじゃね? な~に「ソフトSM」ぐらいは「夜の嗜み」、あの子らにとっても「大人へのステップ」ってなもんじゃろ♪


(そんな適当な!!)


 全く助ける気の無い様子の玉神に頭を抱える宗春だったが、かと言ってこのままにしておくわけにはいかない。いくら「ソフト路線」と言ってもされてる方には恐怖だろうし、入学早々クラスメートを見捨てるとか、そんなの寝覚めが悪すぎる!


 それに何より、僕が憧れる「あの人」なら--絶対にそんなことはしない!


(よ……よ~し!)


 凜々しい横顔を心に浮かべ、宗春は勇気を奮い起こすと、ホワイトボードの「粉受」部分にあった三本のマーカーを握りしめる。そして、胸元のネク玉ピンに向け、真剣な口調でささやきかけた。


(--玉神様、取引をしましょう)

ちなみに週3回の更新でノクタ版も入れて全14回の予定です。

なので丸々8月いっぱいのイメージでお楽しみいただけるかと☆

更新日は一応(火)(木)(土)をイメージしています。

それでは続きは明日8/3(木)に!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ