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学園戦兎トリプルバニー!~えっちな怪異は許さない!バニー戦士の三人娘は「ピンチ」に負けず魔を祓う~  作者: 優パパ★&タマネギーニョ
第5話「祝・高校入学おめでとう! 新しい出会いが続々です☆」
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その4「三ツ矢学園生徒会室のよくある一コマ」

続きデス!今回はちょっと幕間的な内容デス☆

その4「三ツ矢学園生徒会室のよくある一コマ」


「--『縄』の《怪異》?」


 宗春が自己紹介で奮闘(?)していたのと同じ頃--本館の最上階にある生徒会室で、春休みの間に溜まっていた仕事をテキパキ片付けていた小早川碧衣は、書類をめくる手を一休みさせ、怪訝そうに問い返した。


「何その《怪異》。もう聞くからにうさんくさいんだけど?」


「んーでも、けっこう投書が入ってるんだよねー」


 碧衣の問いにそう答えたのは、入学式での仕事を終え、生徒会室に戻ってきた吉川あかりだ。苦手な書類仕事は頼れる副会長に任せて、自分は生徒会室に至る階段に常設されている「目安箱」の投書を確認していたのだが--


「廊下を『縄』が独りでに這ってるのを見たってのが多いかな。中には足首に絡みつかれたってのもあるみたい。悲鳴を上げたら逃げたらしいけど」


「……それってただの『蛇』じゃないの? ここド田舎だし」


「んー、でも見るからに『縄』だったみたいだよ? 感触も生き物じゃなかったらしいし」


 う~んとあかりは首をひねると、チラチラと碧衣の方を見ながら続けた。


「特にこの後予定も無いし、一応『パトロール』してみよっかなぁ……」


「……そう言って、仕事サボりたいのが本音でしょ?」


「ぎくっ!」


「後は、入学式で疲れたから気晴らしがしたいとかだよね?」


「だ、だって、春くんに見られてるって思ったら、やっぱ緊張しちゃうじゃん! 格好いいとこ見せなきゃって! う”う”……ちゃんとできてたかなぁ。幻滅とかされてないかなぁ……」


(………………この乙女め)


 あたふたと言い訳してたかと思うと途端にクヨクヨしだしたあかりに、ジトーっとした目を向ける碧衣であったが、とはいえこのまま「春くん大好き☆」モードに入られるのも大変不愉快なので、話を元に戻すことにした。


「はいはい、それはどうでもいいから。『パトロール』、行ってくればいいじゃない。仕事の方はやっといてあげるからさ」


「え? ホント!?」


「まぁ、変身した方が索敵能力は上がるしね。さっきの話じゃまだ育ちきっては無いみたいだし、芽の内に摘んどくのもありなんじゃない?」


「サンキュー☆ やっぱ持つべきものは理解のある副会長だよ~♪」


 あかりはパアッと破顔すると、ではさっそく……とばかりに生徒会室の隅に設けられた更衣ブースへといそいそ向かう。


 まぁ「更衣ブース」と言っても、お店にある試着室みたいな感じで、人一人が入れるぐらいの箱状のブースにカーテンが付いてるだけなのだが(中には姿見用の鏡とハンガーと小さな脱衣籠)、変身するたびに制服を犠牲にしないためにも大変重要な設備だ。ちなみに三台がセットで並んでいて、それぞれ専用になっている。


 その内の自分用のブースに入り、カーテンを引いたあかりは、まずはブレザーを脱ぐと、リボン、カーディガン、ブラウス、スカートと続けて、最後に思い切りよく下着も外す。


 そうして生まれたままの姿になったあかりは、ハンガーにかけたブレザーの内側から蝶ネクタイ状の護符を取り出す。そしてそれを胸の上辺りに当て、変身用の祝詞を口にした。


「《バニー・チェンジ》!」


 カカッ! あかりが凜々しく叫ぶと同時に、蝶ネクタイの宝玉が放ったまばゆい光が、たちまちにして身体を包み込む!


 そして光が収まったとき、そこに立っていたのは、真紅のバニースーツを身にまとった赤のバニー戦士--《バニーレッド》となったあかりであった!


「《バニー・センサー》、オン!」


 続けてあかりがそう唱えると、赤いウサ耳型のヘアバンドがピン!とばかりに直立し、円を描くかのようにゆっくりと動き始める。実はこのウサ耳はただの飾りでは無い。《神気》を使いはするものの、こうすることでレーダーよろしく《怪異》を探知できるのだ!


「よし!」


 これで準備は万端。姿見に映る自分を前にあかりは小さく気合いを入れると、勢い良くカーテンを開け放った。


「じゃ、パトロール行ってくるね!」


「はいはーい。あんまし無茶しちゃダメよ」


 ビシッと敬礼ポーズをするあかりに、碧衣は右手でペンを走らせつつ、左手をひらひらさせてそれに応える。


 そしてあかりは生徒会室の窓を開けると、そこから「とぅ!」と勇ましく飛び出していった。


 それからほんの少しして--


「--さて、と」


 あかりの姿が完全に見えなくなったのを見届けた後、軽く背伸びをしながら立ち上がった碧衣が、開いたままの窓に歩み寄る。広島の北部とはいえ、四月初旬ともなれば別に寒くは無いが、風が吹き込むと書類が飛ぶし、キチンと閉めておかないと。それに--


「いきなり帰ってこられても困るしね」


 小さくそうつぶやくと、まずは更衣ブースの中にしかけておいた隠しカメラを回収する。よし、バッチリ撮れてる。そりゃ女の子同士だし、気心のしれた従姉妹同士だから、一緒に着替えぐらいは普通にするが、やっぱりこういうプライベート映像の味わいは格別の趣だ。またコレクションが増えちゃったし♪


 しかもあかりは今日みたいな大事な仕事がある日は、気合いを入れるためお気に入りの下着を身に着ける傾向にあるのだ。脱衣籠の中のそれは案の定、すっごく可愛い☆ 触り心地もいいし、脱ぎ立てのぬくもりが感じられるのもまた……♪


 そしてこちらは別に「隠し撮り」では無く、堂々とスマホで撮影していたのだが、変身するときに光が放たれた瞬間、薄いカーテン越しに裸のシルエットが浮かび上がって、これがまた実にグッと来るのだ!


 ちなみにあかりは気付いていないが、あかりのブースのカーテンだけ、光を通しやすい仕様になっているので(発注処理をしたのは碧衣)、おかげで身体のラインが丸わかりとなり、女の自分が言うのもアレだけど、もう何とも言えずに色っぽい!


(だって、あかりってばプロポーション抜群なんだもん♪)


 ということで、今回も連射モードでバッチリ撮影させてもらった。ほんの一瞬だから、シャッターチャンスは逃せない。でも、その甲斐あって今回のシルエットも実にバッチリ♪ これはもう、芸術だよね、芸術!(力説) 


「……さて、目の保養もできたし、お仕事がんばりますか」

 

 とはいえ、あまりニマニマしてるわけにもいかない。増えたコレクションは、夜中自室でじっくり見直すとして、今は残りの仕事を終わらせないと。そしたらお腹すかせて帰ってくるハズだし、あかりの好きなポ〇ラのお弁当を買っといてあげよう。

 

「フフ、私ってばホントに健気♪」


 上機嫌でそうつぶやきながら、碧衣は再び机に戻る。そして「よし!」と小さく気合いを入れると、早速一番上の書類に目を通していった。

今回が答え合わせになっているのデスが、

なぜ7/8から更新スタートしたのかは今回の「怪異」にちなんでデスw

まぁ登場はもうちょい先になるかもデスが(笑)


というわけで続きは7/18(火)にて!



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