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学園戦兎トリプルバニー!~えっちな怪異は許さない!バニー戦士の三人娘は「ピンチ」に負けず魔を祓う~  作者: 優パパ★&タマネギーニョ
第3話「動き出す学園の闇! ゴブリン軍団をやっつけろ!」
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その1「はーい、これが校舎でーす(棒)」

本日8/2はご存じ「バニーの日」!(笑)

ということで、お待たせしました!本日より『学園戦兎トリプルバニー!』第3話の更新をスタートします!

学園を舞台に繰り広げられるちょっと「アレ」な(笑)バニーバトルラブコメな本作ですが、この第3話はそういう意味でとても『トリプルバニー』らしい内容になっているかと思いマス!

長さもこれまでで最長の全8回の予定ですので、たっぷりとお楽しみくださいませ♪

もちろん合同制作者であるタマネギーニョさんのイラストも☆

それでは第3話、はじまりはじまり~♪

第3話「動き出す学園の闇!ゴブリン軍団をやっつけろ!」


挿絵(By みてみん)


その1「はーい、これが校舎でーす(棒)」


「…………は? 何で私が」


 場所は宿坊一階の食堂スペース。みんなで朝食を囲みながら(ちなみに我に帰った宮島さんが猛スピードで用意してくれた)今日の予定を確認しあうといういつもの光景の中で、優美な動きで箸を使っていた碧衣が、露骨に不満そうな顔をする。


「だって碧衣ちゃんしか空いてないんですよ。私は今日はキイロちゃんと一緒に、氏子さんの会合に出なくちゃいけませんし」


 おかわりを要求するキイロのどんぶりに、『マンガ日本昔話』か!?って勢いでご飯を盛り付けながら、申し訳なさそうに答える宮島さん。


「ソウソウ、ウジコへのサービスは『グージダイコー』の大事なお仕事なのデース」


 ふふん♪と胸を張ったキイロが、その勢いのまま手渡されたどんぶりご飯をさっそくパクパクと平らげていく。ちなみに朝からどんぶり三杯ぐらいはへっちゃらだ!


「…………あたしも今日は市内で生徒会長同士が集まる会議があるんだ……」


 一方、あかりはと言えばそれはもう明らかにがっかりとした様子であったが、不意に「あ、そうだ!」と目を輝かせたかと思うと、勢い込んで提案してきた。


「でもお昼には終わる予定だから、そっから大急ぎで帰れば--」


「--仕方無い。私がやるわ」


「うえ”え”ええ!?」


 ガビーン!となるあかりを無視して、碧衣は冷ややかな視線を、食卓に座って……はいなくて、食堂の隅でミカン箱をテーブル代わりに正座させられている宗春に向けた。


 なお、一応朝食のお膳は置かれているが、でもその首には「私はおっぱいが大好きなケダモノです」と流麗な文字で書かれた(by碧衣)木の板がぶら下がっている。

 

「せっかく市内に出るんだから、あかりはゆっくりしてきたらいいわ。久々に駅ビルのお好み焼きとか食べ歩きしたいでしょ?」


「あ~、イーなぁ! あかり、ワタシ『麗ち〇ん』と『み〇ちゃん』のが食べたいデース。お土産よろしくお願いネ♪ チナミに2枚ずつ!」


(よし、かかった)


 「駅ビルのお好み焼き」と聞いて、予想通り話に加わってきたキイロに、碧衣はテーブルの下で軽く拳を握る。こうなると人の良いあかりは、グイグイ来るキイロの頼みを断れない。バスターミナルから駅ビルは距離があるし、しかもその両店はどちらも超人気店だけに(ましてお昼時)、そう簡単には買えないだろう。「あかり封じ」はこれでバッチリだ。


「あ……ああ……うん……」(がっくし)


(ごめんね、あかり。でもこれは仕方が無いことなの)


 分かりやすくしょんぼりとするあかりに少しだけ胸は痛んだものの、あかりとこの男を二人っきりに、それも学園内を散策させるなど冗談じゃない。そんなデート紛いのことをさせるぐらいなら、全く気は進まなくても引き受けておいた方がマシというものだ。


「……ということで、特別にこの私が案内してあげるから、ありがたく思いなさい。そうと決まれば、さっさと食べて準備するのよ。いいわね?」


「はっ、はいぃぃ……」


 ギロリと威圧的に見下ろされた宗春が、ビクッ!と身をすくませると同時に、大慌てでご飯をかき込んでいく。そんな宗春を冷ややかに眺めながら、碧衣はあくまで優美さを失わないまま、出汁の利いた玉子焼きを口に運ぶのであった。


    ※       ※


「--じゃあ、今から学園を案内するわね」


「……は、はい。よろしくお願いしま……す……」


 場面は変わって宿坊の門扉を出てすぐの道路。朝食を終え、春休みだというのにキッチリとブレザーの制服に着替えた碧衣が告げると、何とも言えないビミョーなテンションで宗春が答える。


 その理由は簡単--ブレザー姿の碧衣に対し、宗春はといえばこの学園の中等部の制服である「セーラー服」を着せられていたからだ!


「何か不満でも? 私のお下がりを貸してあげてるんだから、むしろ光栄に思いなさいよね。それに驚いたわ、けっこう似合ってるじゃない」


 確かに碧衣のセーラー服は、小柄で華奢な宗春が着ても特に違和感は無い。それに宗春は中性的で優しい顔立ちなので、ショートカットの女の子(それも可愛い)で充分通る感じだ。でも、問題はそういうことじゃ無くて!!


「なんでこんな格好しなきゃいけないんですかあぁぁ!?」


「男なんかと一緒に歩いてたら、変な噂になるからに決まってるからでしょーが。あんた相手にそんな噂立てられるなんて真っ平よ」


「…………………………」


 そう言われると、それはそれで筋が通っているので何も言い返せない。そして宗春が沈黙したのを見届けると、碧衣は「じゃあいくよ」と右手の人差し指を立てて、


「まずは、あっちにあるのが高校校舎。分かったら、返事!」


「はっ、はい!」


 東の遠方に見える校舎群を指さした碧衣に、慌てて返事を返す宗春。


「その逆側にあるのが中学校舎」


「は、はい!」


「で、あれがメイングラウンド」


「……はい……?」


「でもって、これが三ツ矢神社」


 だんだん困惑した様子になる宗春は気にせず、北・西・東と指さしを続けた碧衣は、最後に宿坊の向かい側にある神社を指さすと、キッパリと言い放つ。


「以上」


「終わったーーーー!?」


 そもそも宿坊の門扉前から一歩も動いてないし!? それに、だったら別にこんな格好する必要ないじゃん!?


「は? 案内したじゃない。まだ何か?」


「……い、いえ、何でも無い、です」


 さすがに驚愕した宗春だったが、そう言って碧衣にジロリと睨まれると、たちまちモゴモゴ口ごもる。


 ……とはいえ、やっぱりシュンとはしてしまう。宗春だってそこはまだお子様である。新しく通うことになる学園はどんなところだろう?と、不安の一方でやはりワクワクする気持ちもあったのだ。


 でもこの調子では、とても案内などしてもらえそうにない。とはいえ、それも仕方無い。碧衣さんには完全に嫌われてるみたいだし、嫌われて当然の理由(不可抗力ばかりだけど!)もある。それに何より、人から邪険に扱われるのは、寂しいけど慣れてるから……


 と、宗春がいじけた表情を見せたそのとき--


とりあえずまずは前半の4回を2日に1回ペースで更新していく予定デス。

ということで、次回は8/4更新です。タマネギーニョさんの挿絵もあるのでお楽しみに☆


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