その5「飲めば極楽☆三ツ矢神社の『玉甘酒』!」
楽しい楽しい(?)歓迎会編クライマックスです!
そして今回はお待ちかね、タマネギーニョさんの挿絵付きだよ☆
その5「飲めば極楽☆三ツ矢神社の『玉甘酒』!」
……と、宿坊の二階で百合の蕾がほころび始めていたのとちょうど同じ頃、その下の一階では--
「アハハ、飲メ飲メー☆ ソーケの酒が飲めぬと言うカー☆」
残されたメンバーによる「歓迎会」という名目の「大宴会」が、場所を食堂から畳敷きのリビングへと移して賑やかに繰り広げられていた!
「まぁ正確にはお酒じゃないですけどね」
たはは……と苦笑しながら、貯蔵庫からまたもや新しい一升瓶を取り出してくる宮島さん。
宮島さんの言うとおり、これは三ツ矢神社特製の「玉甘酒」。宗春にはまだ内緒だが、実はこの甘酒には宿坊の温泉と同様、微弱な《神気》が込められていて、飲めば《エナジー》が回復するだけでなく、とっても良い気分になれるのだ! あくまでノンアルコールだから未成年でもお咎め無しだよ☆
「ホラ、笑ってナイで、フーランも飲むデスよ!」
畳の上にドッカ!と座って、木枡につがれた甘酒をグビグビ豪快に呑んでいたキイロが、宮島さんへと空の木枡を突きつける。
「えっ、私もですか!? でも私には管理人のお仕事が……」
「今日ぐらいはブレーコーブレーコー。ホラホラ、グイッとイっちゃえ♪ グイッと♪」
「わ、分かりました。じゃあ、ちょっとだけ……」
そう言ってぐいぐい木桝を押しつけられると、見るからに押しに弱そうな宮島さんは、やはりと言うか断ることができずに……
1分後。
「あはははは☆ やっぱり『甘玉酒』は美味しいれすねぇ!!」
(ああ、ついに宮島さんまで……)
あっという間にぐでんぐでんになった宮島さん@宿坊の最後の良心に、正座状態でちびちびと飲んでいた宗春は絶望的な気持ちになる。て言うか、いくら何でも酔うの早すぎじゃ無いですか!? しかもこれあくまで甘酒ですよね??
「『玉甘酒』は身に帯びる《神気》が強いホド、キいちゃうカラネー。フーランなら多分スピリッツ級」
「え? それはどういうこと……」
突然の解説に戸惑うものの、だがキイロはそれ以上説明する気は無いらしく、「そんなコトより、ムネリンも飲メ~♪」とあふれんばかりに玉甘酒を注ぎ足してくる。
(あ……でも、何だか僕も……フワッとした気持ちに……)
やっぱり青少年的にこれはまずいものなんじゃ……?と思いはするも、キイロは飲メ飲メ煽ってくるし、助けを求めて宮島さんを見ても、「ん~? もみマン欲しいんれすかぁ~」と上機嫌で饅頭を取り出す始末だ。駄目だ。もうこの人は頼りにならない……
「でもデスねー、フーランはいっつも『もみマン』、『もみマン』言ってマスケド、ニッポンはホント、グッドな『マンジュー』タクサンありマスネー♪」
ちゃっかり横取りしたもみマンをむしゃむしゃ食べながら、キイロが唐突に話題を振ってくる。
「碧衣の地元の『やっさマンジュー』モ、あかりの地元の『大朝マンジュー』モウマいデスし、同じ広島ナラ、福山の『とんどマンジュー』、神辺の『茶山マンジュー』も捨て難いデス。ムネリンの地元のマンジューはドウなのデスか? ワタシ気になりマース!」
「え、僕の地元ですか? その、マイナーですけど、『水攻め饅頭』とか……」
「アハハ、何デスかソノ名前? ぜひ食べてみたいデスねー♪」
おずおずと答えたら幸いお気に召したらしく、ケラケラ上機嫌にキイロは笑う。
「デモ、岡山に手を広げるヨリも前に、マダ不覚ニモ広島に食べ逃してるモノがあるのデス。ソレが--」
一転、悔しげに顔をしかめたキイロが、まるで重大な発表のようにババーン!と口にしたその「饅頭」とは--!?
「庄原名物、『チチダンゴ』デーーース!」
(って、饅頭じゃないじゃん!?)
まぁ酔っ払いの発言にツッコむだけ野暮ではあるが、がびーん!と衝撃を受ける宗春の前で、当のキイロは至って真面目な様子でブツブツとウンチクを語っていく。
「分類的ニハ、『ギューヒモチ』というタイプのモチ菓子だそうデスが、何デモ水の代わりにミルクで練っているトカ……ムネリンは食べたことありマスか??」
「い、いえ。食べたことない、です……」
突然、ずずい!と顔を近づけられて、思わず宗春は仰け反ってしまう。なお、「求肥餅」と言えば岡山県民的には当然「吉備団子」だが、広島の「乳団子」は食べたことが無い。もともとそこまで甘い物が好きというわけでは無いし、それに思春期男子的にはちょっと抵抗があるネーミングだよね……正直買いにくいというか……
「デスよねー、だってムネリンが好きなノは--」
という宗春の照れをハハーン♪と敏感に察知したキイロが、その瞬間ニマ~と意味ありげに笑ったかと思うと--
「『チチ』は『チチ』デモ、コッチの『チチ』だモノ~!」
宮島さんの巫女服の胸元をつかむや、そのままガバッ!と左右に押し開いた!
「ッッッッッ!!??」
いや、普通なら巫女服はそんなに簡単にはだけたりしないが、何せ酔って身体がホカホカするのか、宮島さん自身がしどけなく胸元を緩ませていたのだからたまらない! ぶるるん♪とばかりに露わになった宮島さんの見事な谷間&半乳に、宗春の鼻からは本日二回目の血が噴出する!
「どうデスかー♪ お腰に付けタ……ジャナイ、お胸に付いタ『チチダンゴー』! ……って、この大きさじゃ『ダンゴ』と言うヨリ、『モチ』デスけどネー☆」
そう言いながら、まるで見せつけるかのように宮島さんの乳を揉み揉みするキイロ。ちなみに酔っ払っている宮島さんは、「ああん☆ それじゃあ『もみマン』じゃなくて『揉みパイ』れすぅ~☆」……って、ホントに酔うと駄目だな!? この管理人ッ!
「フフ、あかりも大きいデスけど、フーランはもっと大きいデショ? ちなみにあかりは86センチのDデスが、フーランは90のFデスからネー♪ アト碧衣は80デスが、細いのでCありマスよぉ、『ビニュー』デスし☆」
(やめてぇぇ! そんな生々しいデータ教えないでぇぇ!!)
これから一つ屋根の下で一緒に暮らすというのに 胸のサイズなんて聞かされちゃったら、どうしても意識してしまう! だって思春期なんだもの!!
「デ・モ♪」
そんな宗春の苦悶をニマニマと眺めていたキイロが、不意に宮島さんを解放するや、ズズイっと身体を寄せてくる。あまりの近さにドキッ!となる宗春に、キイロはまたもや意味深な笑みを浮かべ--
突然セーターの胸元に付いたボタンを外して谷間を露わにすると、薄手の生地の下でハッキリとした存在感を示す二つの膨らみを、宗春の胸元めがけてむにゅッ♪とばかりに押しつけた!
「一番大きいのはワ・タ・シ☆ フフ、ムネリンは、何センチだと思いマスかー?」
「そ、そんなの分かりませんよぉぉぉぉぉ!!!」
あまりの事態に動揺しまくる宗春だったが、キイロは悪戯っぽく微笑みながら、オリャオリャ♪と更に膨らみを押しつけてくる!
や、柔らかい! そしてデカい! 赤バニーに扮したあかりさんのも凄かったけど、これはもう規格外だ! さすがはハーフ、恐るべきアメリカ! いやマジで一体何センチなんだろう?? と、高速回転しまくりの宗春の脳がついにオーバーヒートしようとしたまさにそのとき、キイロがスッと顔を至近距離まで近づけてきて--
「……95センチのGカップ、ダヨ☆」
耳元でボソッとささやかれた瞬間、宗春の脳がボン!と音を立てて爆発する! しかも続けて「ネェ、確かめサセてあげよっカ?」何て言われた日には、こんな誘惑にあらがえる思春期男子なんて、そんなのこの世にいるわけが無……!
「らめれすよ~! 宿坊内の不純異性交友は禁止れすぅぅぅ!!」
だが、そこで間一髪! ハッ!?と我に帰った様子の宮島さんが慌てて叫ぶと、今にもキイロの胸に触れようとしていた宗春の手を、グイッとばかりに引き離す!
(た、助かった……)
もちろんちょっと(?)ぐらいは損した気もするけど、やっぱりそこは安堵が勝って、ホッと胸を撫で下ろした宗春の顔が--
次の瞬間、巫女服からはみ出た豊かな谷間に、ムギュッ!とばかりに押しつけられた!
(今度はこっちいぃぃぃ!?)
「アー、ズッるーい! ムネリンはキイロの『オモチャ』デスよぉ!」
とはいえ、魅惑の谷間をゆっくり味わえるような暇も無く、今度はキイロが引っ張り返すと、宮島さんに張り合うように、宗春の顔を自分の胸へと押しつける!
「らめれすッ! まらキイロしゃんは高校生れすからね!? 宗春しゃんのお世話は『管理人』であるわらしが見ます!」
「ノーデス! 『カ※×★』は余計なコトせず引っ込んデテくだサーイ!」
呂律が回らぬ声で叫びながら宮島さんが再び宗春を引っ張り返すと、そしたらそしたで今度はキイロが引っ張り返す! 何気にキイロの口からすごいワードが飛び出した気もするが、正直、今の宗春はそれどころではなくて!!
「アハハ! 何ダガまるで『餅つき』デスネー♪」
キイロがケラケラ笑ったように、引っ張り回される都度、むぎゅっ♪と胸に押しつけられて、宗春の顔はもうぺったんぺったん大忙しだ! しかも頭がガンガンに振られるわけで、そうなると甘玉酒の《神気》がもう回る回る!!
(あ、頭がクラクラするぅ~~~)
かたやほんわか巫女さんの90センチまん丸Fカップ☆
かたやハーフ金髪美少女の95センチ爆乳Gカップ♪
そんな二つの「お餅」の間をぺったんぺったん往復する中、激しくシェイクされまくった宗春の脳はついにその限界を迎え……
(あははは……あっちもこっちもぺったんたーん……)
そして宗春の意識は、柔らかな弾力を代わる代わる顔に感じながら、深い闇の中へと落ちていった--
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こうして、賑やかな夜が明け--
「…………………………………………」
「ほ~ら、言った通りでしょ?」
階段を下りてきたあかりがワナワナと震え、そのすぐ後ろでフン!と碧衣が吐き捨てる。
そんな二人の視線の先にあったのは、スヤスヤと眠るキイロと宮島さんの間……いや、より正確に言うと「胸の間」に挟まれるようにして気を失っている宗春の姿で(しかも宮島さんはほとんどおっぱい剥き出しだし!)、
そしてその股間は、あくまで「男の子の朝の生理」とはいえ、天井に向けてすっく!とばかりに大きくテントを張っていた!
「は……春くんの『ケダモノ』ォォォ~~!!!」
半べそ状態のあかりの絶叫が、宿坊を揺るがすデカさで響き渡る。
そして、その叫びで飛び起きた宗春に、一体どのような碧衣の「懲罰」が待ち受けていたか--その続きは、また次のお話で……
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次回予告!
様々な事情から、一緒に学園内を回ることになった碧衣と宗春。殺伐とした雰囲気の中、それでも少しだけ打ち解け合った二人の前に、再び集団の怪異が出現する! 部活少女たちを救うべくすかさず討伐に向かう碧衣であったが、そんな彼女を「謎の男」がしかけた恐るべき罠が待ち受ける!
次回、『学園戦兎トリプルバニー!』第3話「動き出す学園の闇!ゴブリン軍団をやっつけろ!」に続く!
ということで第2話はこれで終了デス。最後までお読みいただきありがとうございました☆
……と見せて、第2話についても語られなかったストーリーがあります!そう、宗春が一階で「お餅つき(笑)」をしている間に、二階では碧衣とあかりの間に「何が」行われていたか!?
でもこれについては「小説家になろう」ではとても掲載できません!運営さんに怒られちゃう!!(><)
ということで、その内容にあたる「その4.5」は「ノクターンノベルズ」の『学園戦兎トリプルバニー!The Nocturne』に掲載します!
タイトルは「あなたの気持ちがいいトコは、全部私が知っている」。6/26(日)に掲載予定です。ぜひ続けてお読みください☆
https://novel18.syosetu.com/n5781ho/
(というか、あくまで「ノクタ版とセットで1つの作品」です。碧衣とあかりの関係性など作品的に重要な内容も書かれていますので、ぜひぜひご覧くださいませ!m(_ _)m)
※なお本編第3話の掲載は現在未定ですが、できるだけ近いうちにお届けします!




