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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
序章 準備期間
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第6話 攻防戦の集会



 弔いの集会が終わった後、中庭に集った者達は亡くなった人に対する思い出を語っているようだ。


 知人や友人と慰めあったり、笑いあったりしている。


 そんな中で、姫ちゃん達はメリルさんに話しかけられていたので、一人でその場を離れる。


「ボク達の所でも、一人けが人がでたんですけどね。その人は……」

「そうだったんですか。それなら、よかった」


 この後は、会議室に向かうってみんなで今後の相談。

 だけど、その前に中庭を見回ってみた。


 けど、なかなかひどいありさまだった。


 憑魔や漆黒の刃とかの脅威がごろごろ飛び込んできたのだから、当然なのだろうけど。

 その様子は、よくあんな中でコヨミ姫や未利が無事だったなと思えるくらいだ。

 あらためて、攻防戦の難易度の高さを痛感した。


「グラッソさんもエアロも大変だったろうなー。グラッソさんはよく分からないけど、エアロはちょっと労った方がいいかなー?」


 ここにはいないまじめな少女兵士の事を思いながら、城の内部を歩いていく。


 未利とセットで扱われる事が多い彼女は、攻防戦の最中でもかなりがんばったみたいだった。

 コヨミ姫がアマテラスを発動させる時などは、(どうしてかは分からないが)その負担を分け合ったとも言っていたし。


 一周して見終わった中庭を後にして、城の廊下へ。

 ところどころ、傷やでこぼこや穴なんかがある廊下を進んでいくと、背後から声をかけれた。


「やはり、お前達も来ていたのか」


 金髪の青の瞳をした美女兵士、イフィールさんだ。


 兵服でなく、私腹を来た姿を見るのは珍しい。


 だが、それも当然だろう。


 啓区が彼女に向ける視線は、彼女本来の身長の位置よりも低い。


 攻防戦の最中、彼女は氷裏の策をやぶるために時計塔に向かった。

 だが、そこでグレートウォールらしき生物と戦闘した彼女は、返り討ちにあって足を怪我してしまったのだ。


 だから現在の彼女は、医術寮が提供した車椅子にその身を預けていた。


 応急手当はされているものの負傷の度合いは深刻で、すぐにでも治療を始めなければならないらしい。


 だから、安静のために仕事はパス。

 治療を始めて……終えるまでは、荒事には関わらない姿勢だ。


 彼女は、慈悲の光を宿した瞳で頭を下げてきた。


「同士達の為に祈ってくれたのだな。感謝する」


 怪我をして身動きがままならないイフィールさんは、しかし依然とそう変わらない態度だ。


 毅然とした様子で、僕達に感謝を述べるその姿からは、内心にさほど変化が無いように感じられる。



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