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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第7章 3巡目

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第62話 サテライト建造



 六日目の朝


 聖堂教会

 聖堂教会の客室で起きた僕達は、未利やセルスティーさんとチャット。


 隠し事してる事はたぶんバレバレだったから、この段階で話を打ち明けると微妙な顔されるはず。


 話の後、文字からは伝わってこないけれど、妙なプレッシャーが。チャットの向こう……特に未利はふくれっつらしてそう。


『それなら、やってみたい事がある』


 その最中に、未利が提案してきた。


『サテライトの研究を進める過程で複製を作れるようになったから、それをここでも打ち上げたい』


 サテライトは、シュナイデル城の上空に浮かんでいる、鋼鉄製の衛星(っぽい物体)。


 たぶんチャットができるようになった事から、何かを発信しているんだと思うけど、詳しい仕組みは分からないようだ。

 最低限安全性を確かめた後サテライトの事は、彼女達に任せきりになってしまってるからねー。


『セルスティーの研究と合わせれば、サテライトは魔力を吸着する事ができる。だから、風で吹き散らかした闇の魔力が、他の地域に流れていくのを何とか防げると思う』


 なるー。

 この町を守って霧散させたはいいけど、上手くできる保証はないし、それで他の地域が被害を受けたら大変だもんね。


 という事で、急遽その案を採用することになった。


 これで、大災害の問題は片付いたとみていい。

 後は、アスウェルとアイナ、氷裏の対処。


 ラスボス級の敵多すぎない?


 ズルしなくちゃ勝てそうにない敵がいるって、難易度調節バグってるよー。


 何とかできないものかな、と皆で首をひねってると、なあちゃんがぴっと手をあげた。


「なあ難しい話がよく分からないの、でもなんとななる気がするの!」


 というと?

 いつもふわっとしたなあちゃんだから、特に具体的な策がある事を期待していたわけじゃないけど、我等がマスコットのなあちゃんから出た言葉は思いもよらないもの。


「アイナさんとか、イブさんって人が悪い事してめってしなくちゃいけなくなった時は、てんいしてはこぶねにつれてきなさいって言ってたの!」


 とりあえず両者は同じ人なので、実質一人のことについて行っているのだろう。


 えっと?


 いきなり知らない言葉が出てきたので、僕達は困惑。


 代表してハイネルさんが尋ねた。


「希歳殿、転移とは対象を移動させる魔法の事でよろしいですかな?」

「たぶんそうだと思うの」

「というと、箱舟というのは?」

「ぴゃ! それは言っちゃたら駄目な奴だったの。秘密さんなの!」


 よくわからないけど、イブを何とかする方法には当てがあるらしい。

 誰かがなあちゃんにその情報を教えたとか。


 イブと戦う状況を見越して、なあちゃんに助言をする人間。


 脳裏に浮かぶ人間は限られるけれど、どの顔の可能性もしっくりこない。


 なあちゃんの発言をまとめようと姫ちゃんが口を開いた。


「ようするに、なあちゃんはアイナをどうにかする方法を知っているんだよね」

「そうなの!」

「なあちゃんにその事を教えてくれた人は悪い人じゃないのかな?」

「そうなの! いい人……、ぴゃ人なの? よく分からないけどいい人だと思うの!」


 途中で何か疑問形になったのが不安だが、大丈夫だと思うしかない。他に当てがあるわけではないし。


 作戦の決行は今夜。

 なら、詳しい事を聞くのは後回しにしたほうが良いだろう。


 とりあえずアイナの対策についてのメドはたった。


 後はアスウェルと氷裏の方だが……。


 エアロが手を挙げた。


「アスウェルさんの方は私に任せてくださいませんか? うまくすればあの人の心を折る事ができるかもしれません。それには未利さんの協力が必要ですけど」

「何か考えがあるんだよね」

「ええ、まあ。ただ、それを説明するのは……」


 こっちも簡単には説明できないときた。


 連絡便利網ができても、事情の共有が進まないのって、なんかもう大変だよねー。

 そう簡単に大切な秘密を喋るわけにはいかないんだろうけど。


「分かった、じゃあ、アスウェルさんの事はエアロに任せるよ。後は氷裏だよね」


 最後に残った難題は、一番手の内が読めない存在。


 僕達はまったく奴について情報を得ていないから、困った。

 考えてみても何の対策も浮かばない。


「頑張るしか、ない……かな」


 まとめ役の姫ちゃんもそう述べるしかない。

 出てくるかどうかも分からない敵。

 心構えをしておく事くらいしかできないのが辛い。



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