表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第6章 2巡目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/67

第54話 張本人




 イフィールさんがいなくなった後。


 どれだけの時が流れたのか分からない。


 チャットも繋がらないから、外からの情報が入ってこない。


 しかも暗い。


 魔法で光源を用意できるけど、体力を維持するために、魔法の使用は控えていた。


 いちかばちか、未利レミーの風でがれきを吹っ飛ばしてみようか、と考えたところで、そのがれきが外側からどかされた。

 横方向から、光が差す。


 そこにいたのは、ランタンを持ったロクナだった。


「同盟を結んだ直後にこの失態ですか。考え直しましょうか」

「できればそれはもうちょっと後にしてくれると助かるかなー」


 どうやら、一応手を組んだ相手を助けてくれたらしい。


「どういたしましてーって言いたいところだけど、外の状況は分かるー?」

「地上で災害が起こっているようですね。我々も地下に閉じ込められました」


 外は深夜だ。六日目の。

 彼がどうやって情報を得たかは知らないが、もうそんな状況らしい。


 姫ちゃんがいない僕達では、これ以上の外の状況を知る事ができない。


 イフィールさんは助けを呼ぶ言っていたけど、大丈夫だろうか。


 ここからの脱出もそうだけど、タイムリミットについても気にしなければならない。


 こうしている間に、いつアスウェルが能力を使ってしまうか、気が気ではない。


 もし、彼が巻き戻ったりしたら、僕達の記憶は、これまでの経験は無に帰してしまう。


 それは何としてでも避けなければならない。


 外に出て、アスウェルを妨害するか、姫ちゃんを助けるか。


 災害に対処できなかった今、僕達に残された選択肢は、もうこの二つしかない。


「……」


 誰もしゃべる者がいなくなった。


 雰囲気が暗いし、重い。


 わずかに残されたその選択肢。

 けれどそれらは、ここであっけなくついえる。


 アイナがどうにかしてこちらを追ってきたのだ。


「貴方達に選択なんて、させない。もう、燃えて」


 直後、真っ赤な炎が迫った。


 必死な色の声が響く。


 油断していた僕達はそれになすすべなくのまれて……。




 




 揺らぐ意識。

 かすむ視界の中で、倒れた者達を見つめる。


 その光景が、どこかの世界の光景と重なった。


 それは、一つ前の世界?


 巻き戻る能力を使用したのは、姫ちゃんじゃなかった。


 赤い銃を手にした僕が、何かを叫びながら力を使う。


 そうだ。


 それは、時を戻すための道具。


 彼の代わりに生み出されたこの僕なんだから、僕にだってその能力が発現する可能性があった。


 適正は元からあったのだろう。


 だから、僕はおそらくアスウェルのように、魔力を使って、その赤い銃を顕現させる。


 そして、願いをこめて引き金を引いた。


 次こそはと……、そう思いながら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ