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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第6章 2巡目

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第50話 未利&イフィール達の事情



 僕は、つまらなさそうにしている未利レミーにこれまでの事を尋ねる。


「えっと、そっちは今まで何してたのー」


 すると彼女は、少しだけ気まずそうにしながら僕達に謝罪。


「すみません。油断してました。女の子に話しかけられて、ついついていってしまいました」


 彼女は自分が行方不明になったいきさつをそう述べる。


「女の子?」


 それは、もしかして僕が警戒しておいてって言った、あの黒髪の女の子だろうか。


 と、思うと彼女の背後に隠れるようにしていた子が出てくる。


 目つきが悪い。


「睨んできてるけどー。この子ってどういうー?」


 聞けば彼女は、背後を一瞥して答える。


「敵ではないですよ。一応。かといって啓区さん達の味方かは分かりませんけど」


 変な事言うね。

 僕達の味方か分からなかったら、未利の味方でもないはずだけど。


「イフィールさんの居場所を見つけてほしいと言われたので、探していました」


 というと、この女の子はイフィールさんの知り合い?

 そうだったら、一段くらいは警戒心が下がるけど。


 そんな中、なあちゃんがなあちゃんし始めた。


「はじめましてなの。なあはなあっていうの。名前を教えてほしいの」

「……」


 けれど、女の子は警戒するようになあちゃんから離れてく。

 人見知りとか? ぐいぐい来る系は苦手なのかな?


 一緒に行動してるところをみると、すぐさま害を与えに来るような人間ではなさそうだけど。大丈夫なのかな。


 そんな中、奥から意外な人間がやってきた。


「おい、さっきからごちゃごちゃ誰とはなしてやがん……テメェら」

 

 元海賊のウーガナだ。


 イフィールさんが一緒にいるのだからおかしくはないのかもしれないけど、それにしたって、こっちは自由に動いているというのが妙。


「合流できました、元海賊さん。イフィールさんを拾って、地上へ上がりましょう」

「ちっ、こんなクソガキどもの手を借りなきゃなんねぇのかよ」


 ウーガナは不本意そうに、どこかから調達してきたカギを使ってモデルルーム内にいるイフィールさんの元へ。

 しかし、肩をゆすって声をかけてみても反応がなかったので、仕方なくお姫様抱っこして出てきた。


 黒髪の女の子は、そちらにくっついていったようだ。


 イフィールさんと何らかの関係があるというのは、嘘ではなさそう。

 反応のない彼女の様子を、恐る恐ると言った風にうかがっている。


 それらの行動を横目で見ながら、未利レミーが追加説明。


「ウーガナは操られたイフィールさんに落とされてここにやってきたようです」

「操られた?」


 一体どんな状況からそんな事に?

 操った人がいるってことだよねー。


 そうなると、氷裏って線が濃厚そうだけど。

 

「誰に、かは分かりません、今の段階で断定すべき事ではないでしょう。ラルドさんはあいかわらず行方不明のままです」


 えーと、つまり今の周回で三人が不明になるのには時差があったという事かな?

 最初にイフィールさんが行方不明になって、操られた。

 それでそのイフィールさんの手によって、ウーガナが穴に落とされた。


「ラルドさんはどのタイミングで、いなくなったのかなー?」

「ウーガナがイフィールさんを捜索していたタイミングでは、すでに」


 じゃあ、イフィールさんと一緒に消えてか、二番目に消えたか、かな?


 ともかく、謎がちょっと解明されたのは前進だ。


 相変わらず先行きは暗いけど。


 そういえば、未利レミーがこんなとこいるのに、アスウェルはいないのかな。


「近くにいると思いますが。アスウェルさんなら、私がひっぱたいておいたので、そうそう立ち上がれないはずです。今のうちに捨てていきましょう」


 なにかもめる事でもあったのかな。

 うわー。

 まあ、それでいいけど、なんかなー。


 元の人格より容赦ないよねー。

 なんだかんだツンデレっている時は、行動が大げさだけど甘いっていうー?


「おい、さっさとこっから出んぞ。こんな気色悪ぃとこいられっかよ」


 イフィールさんを運ぶウーガナにせかされて、その場を離れる。


 周囲を見ると、他のモデルルームにも人はいた。


 けれど、その全部を助け出すことは、今の僕達にはできない。


 セインさんに知らせて、災害への対策をとるその間に、救出の時間がとれればいいけど。



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