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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
序章 準備期間
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第4話 それぞれの訓練



 午後からは個別に訓練。

 姫ちゃんは、炎&水魔法の特訓。そして、シュナイデル城攻防戦の時に会得した(と思われる)魔法の反射、黒いツバサの制御、浄化能力の発現についてだ。


 城の内部でアイナ(イブ?)やツバキとやりあった時に、姫ちゃんが炎の魔法を行使していたけれど、あれは彼女自身が炎の魔法を行使していたわけではなかったらしい。


 反射のという魔法を発現させて、イブの魔法を写し取って再現していたのだとか。


 そこら辺のことは姫ちゃん本人も色々いっていたが、よくわからないとの事。


 未利の方は、ちょっとやってる事が特殊。

 魔方陣をしいて味方に支援する音魔法シンフォニエッタの特訓は、(現在進行形で)各方面から怖い人達に狙われている彼女が、堂々と行うわけにはいかない。という事で、防音設備がしっかりした地下で特訓しているらしい。(風の魔法や弓の訓練などは通常の訓練施設で行っている。時々なんか風を固めて光らせたりもしているようだ。何をやってるんだろう)


 後は、変装……?


 素のままの状態で城から外に出ると、危険性が天元突破するらしいので、別人に変装することで狙われるリスクを減らそう、という事だった。

 最近スカウトされてきた新米兵士達と交じって行動しているのを、たまに見かける。


 なあちゃんについては……。

 動物を操って城の修復作業を手伝っている。自在に物を収納できる魔法……かまくらとかは戦闘向きではないし、どう訓練すればいいのか分からないので、保留。最近仲良くなった兵士の人たちと共に、おえかき魔法ペイントとかハリセンとかの練習はしているらしいけど、修行というよりは遊びっぽい光景だった。





そして僕は……、


「やー、ありがとうございます。啓区様、助かりました」


 城の各所で、幻影の魔法を使って復旧作業のお手伝いをしていた。

 今いるのは城の廊下だ。


 グレートウォールが壁をぶち破って通っていったらしく、見事な大穴があいている。

 そこを手早く修復するため、幻で正しい見本をみせて、補修のアシストをしているというわけだ。


 使いどころが限られる魔法なので、訓練するシチュエーションが限られてしまうのが難点だったが、こういう使われ方をするのが不幸中の幸いだろう。


 便利そうな魔法なのに、敵と戦う時にあまり役に立たないのが、気になるけど……。


 啓区の手札であげられるのは剣での攻撃だが、そちらは兵士やエアロに相手してもらえるからどうにかなっている。


 雷の魔法は色々と実験中といったところだろうか。


 レールガンは使いどころが限られるので、他に応用をきかせたいところだ。


 そんなことをつらつらと考えていると、先ほど話しかけてきた茶髪の女性兵士メリルさんが、ぷんすかしていた。


「まったく、カリバンめぇー。力仕事の時に役に立つ奴がいなくてどうするのっ」


 十代後半くらいの年齢だが、喋ってるところを見るともうちょっと低めに見える。


 彼女が文句を述べるのは、この城に努めている男性兵士のディーク・カリバンの事だろう。


 白髪の男性で、歳はメリルさんと同じくらい。賭け事が得意な力持ち。


 確か今は、なあちゃんの手伝いをしているはずだ。


 なあちゃんは独特の……人間性(?)とか個性(?)なので、普通の兵士は接し方に困るらしい。

 しかしディークさんは、かなり柔軟な思考をしているらしいので、なあちゃんともすぐに仲良くなっていた。


「そんなんだからハイネルさんの腰巾着とかおまけとかいわれるんだよぉー」


 だが、彼は力のいる作業が得意分野なため、こういった時の不在を恨めしがられている。


 先ほどから小言が途切れないメリルさんだったが、途中でこちらの視線に気づいたようだ。


「あっ、申し訳ありません。別になあ様に文句があるとか、そういうわけじゃ……」

「あはは、分かってるから大丈夫だよー」


 かしこまる女性兵士へ微笑む。

 城の攻防戦で肩を並べた後、城の兵士達から話かけらる機会が増えたけど、なぜかこうしてかしこまれるからやりにくい。姫ちゃん達もこんな具合で話しかけるので、緊張してしまうと言っていた。


 まあ僕達のパーティーって、考えようによっては領主より死んじゃいけないメンツがいるからねー。



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