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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第5章 連なる世界

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第44話 責任問題はなしで



 体感的には、もうそろそろ夕方になる頃合い。


 救出に時間をかけた影響で、災害発生までの残り時間がないこの現状。


 対処、どうすればいいんだろう。


 一番確実なのは、自分達だけ避難する事。


 しかし、そんな事はきっとできない。

 心優しい姫ちゃんが決断するはずないからだ。


 となると、もう一度セインさんに頼み込むか……。


 この先の事を考えてると、未利がおそるおそると言った様子で話しかけてくる。


「夜になるまで時間が少ないですね……。迷惑をかけてしまいましたか?」


 それに一番に反応するのは姫ちゃん。


「そんな事ないよ。レミーは色々調べてくれたでしょ? それにあれは予想できなかったと思う」


 まあ、こういう形にならないと分からない事実もあった事だしねー。

 そう話をすれば、護衛役であったメリルさんが口を開く。


「迷惑かけたって話になるなら、ボクの責任です。ボク達は姫乃様達を守るために来たのに、役に立てなかったんですから」


 つまり自分メリルを責める事になるから、その話は後に回そう。

 という事だろう。


 自分を人質にとった大人な方法だ。


「……メリルさんごめんなさい。今はこんな事話してる場合ではありませんでしたね」

「とりあえず皆で知恵を出しあって、やばい所をなんとかしましょう」


 そんな会話をしている中で、エアロがため息をついて小声でこぼしてくる。

 元護衛役である彼女には思う所があるようだ。


「はぁ、私だったら怒ってます。ああいうところは、メリルさんの方が上手ですよね」


 僕はそれに答えた。


「未利的には怒ってほしかったと思うから、心情的にはエアロの方が正解だったと思うよー」

「慰めありがとうございます」


 本心で言ったんだけどなー。


 視線の先では未利がなあちゃんを、なでなでしてかまってあげてる。


 エアロが未利についていたら、もっとトラブルが少なかっただろうか。

 最近はわりと、結構お互いの事わかってきてるみたいだったし。


 ……なんて今さら考えてても仕方がない。


 エアロがいたら、彼女の近くに未利がいると悟られてしまう可能性がある。


 エアロは変装するの苦手なんだよね。


 見た目は変える事ができても、言葉使いや態度に素がでちゃうから。


 





 出口を探しながら、それからも地下を歩いていく。


 だけど、終わりは唐突に訪れた。


 何の終わりかって?


 この周回の、だ。


 突然それはやってきた。


 通路の奥から、重い足音を響かせてきたのは竜だ。


 おとぎ話にでてくるような、生き物。


 威圧感たっぷりの巨体を持つその生き物は、対面からやってきて、こちらを見て息を大きく吸った。


 まさか。


「こっちだ」「……待って」「未利さん!」「兄貴!」「お前は姫乃様達を」「ふぇ?」「アクア……」「姫ちゃん、下がって」


 それからの数秒間では色々な事が起こった。


 アスウェルが、未利の腕をつかんで小部屋に避難させようとして、それをエアロが静止するかどうかで迷う。ハイネルさん達は、姫ちゃんの前にでようとしていて、かばわれようとしていた姫ちゃんは水の魔法を行使しようとしている。


 けれど、竜が来た方向から矢がとんで、姫ちゃんをかばったハイネルさんをかすめる。


 竜のアギトから放たれた猛炎がせまる。

 僕達は、炎に包まれた。



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