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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
序章 準備期間
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第3話 勉強終わり



 雪奈先生の授業が終わった後、今度はエアロから(この世界で出会った人たちの中でも交流が深い方である人物)この世界に常識や歴史について教えてもらった。

 彼女も一応この城の兵士として復旧作業に従事しなければいけないけれど、僕達のために時間をあけてくれている。


 だから、お世話になっている間は真面目に授業を受けてないと怒られてしまうだろう。


 雪菜先生とエアロ。それぞれの勉強の内容によっては二つの世界の歴史がごっちゃにならないかちょっと心配だが、学ばないわけにもいかないのが辛いところだ。


 教えられる内容は、ディテシア聖堂教の歴史や、今はもうほとんど存在していない神話の内容、危険生物の知識まで様々。


 なあちゃんなんかは一番最初についていけなくなったらしく、「ふぇ? えっと、うんと、お猿さんがお猿さんで」とか「ぴゃ? ひゃくきゅうじゅーねんとにひゃくねんのあいだが……」という感じになってしまっている。


 午前中いっぱいを勉強に費やした後は、お昼休憩。


「今日はここまでです。何か分からないところはあります?」


 休憩時間に入った後、大きくのびをするエアロが尋ねれば、姫ちゃんが大きく頷いた。


「特にないかな。大丈夫だよ。エアロって教えるのうまいよね」

「そんな事はありません。あの人ほどじゃありませんし、姫乃さんだって上手じゃないですか」


 その言葉に否定の意を唱えるエアロは、雪奈先生や姫ちゃんを引き合いに出した。


 例にあげられた当人、姫ちゃんは当然謙遜。


「そうかな? 私はそういうのよく分からないけどど。でも雪奈先生は上手だよね」

「人格と能力は比例しないという良い例ですね。よく分かります」


 と、最後に答えたエアロは話のオチを未利にもっていったようだ。

 視線を向けている。

 向けられた方は憮然とした顔になった。


「なぜこっちを見る」


 そんなやりとりをしている間に勤勉ななあちゃんは、頑張って一つ理解したようだ。


「ぴゃ! 分かったの。ひゃくきゅーじゅー年だったの!」


 どれくらい前の勉強内容か分からないが、その努力は尊いので褒めておく事にした。


「こんな時でもマイペース。なあちゃんはなあちゃんしてるねー。えらいえらーい。よくがんばりましたー」

「なあ褒められたの。嬉しいの」


 啓区がなあちゃんをほめほめなでなでしているうちに、話題が移ったようだ。

 席を立った面々がお昼ご飯の事について話している。


 食堂で提供されるご飯の献立が、どうとか。


 姫ちゃんが皆に話しかけていた。


「今日は、コヨミ姫様も一緒に食べられそうだよ」


 未利が、エアロが、なあが、それぞれ互いに会話しながら部屋を出て、前を歩いてく。


「ん、そういや。昨日そんな事いってたっけ?」

「そういえばお菓子屋さんから、お菓子もらってましたね。持ってきましょうか」

「なあ、みんなと一緒にごはんできるの好きなの! わいわいしてて楽しいの!」


 その姿を見ながら……、後に続こうとした啓区だが。


『そんなザマで本当に守れると思ってるの?』


 聞き覚えのある声音。


 どこからか、そんな言葉が聞こえた気がした。



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