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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第5章 連なる世界

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第37話 リスタート



 聖堂教会 室内


 目が覚めた。

 けれど、一瞬で理解する。

 そこは過去だった。


 気を失う前に見た光景は、地獄のようで。

 アジスティアと別れて現実に戻った僕は、大災害の中アスウェルに撃たれたはずだった。


 胸に手をあててみる。


 けれど、そこには何もない。傷も痛みも。


 あれって……もっと辛い物だと思ったんだけどな。


 周囲へ視線を向ければ、見覚えのある景色。

 聖堂協会から用意された部屋の中だった。

 窓の外を見てみるが、やはり何も起こっていない。

 窓枠にとまった小鳥が、朝の訪れを告げるようにさえずっている。


 おそらく、過去に戻ってしまったのだ。


 部屋の様子を見て、グロリアにやってきてから、四日目の朝だと判断する。

 三日分過去に戻ってきたようだ。


 それを行ったのは、おそらく鏡で魔法を写しとった姫乃だろう。


 相手の力をコピーする能力。

 現場を見てはいないから、たぶん推測になる。

 でも、ほぼ確定だ。


「う……」


 姫乃が起きると、視線が合った。


 寝ぼけていた姫乃は、「はて彼はどうして自分の顔を見つめているのだろう」という顔になって、首を傾げる。

 

 とりあえず覚醒をうながすために、手を振ってみた。

 すると、はっとした顔になる。


 ちょっとぬけてるところが面白可愛い。

 

「啓区!」

「うん、勇気啓区でーす」

「生きて、私……、今は?」

「ちょっと落ちつこうかー」


 けど途端にてんぱり始めたので、一呼吸おく必要があった。


 何だ何だという顔でこちらを見つめてくるディークさんとハイネルさんに笑顔をみせつつ、姫ちゃんに飴玉を一つプレゼント。


「食べてる場合じゃ、ないよね?」

「お、もう落ち着いたねー」


 頬をふくらませた姫ちゃんは、子ども扱いされたとでも思ったのだろうか。


 いや、違ったようだ。


「心配したんだから」


 お怒りの方だった。


 数時間とは言え、僕はこの世界から消えていた。

 それは予期せぬ氷裏の罠で、備えなんてできなかった。

 けれど、だから?


 たとえそうなると分かっていても、きっと彼女が心配していたに違いない。

 つまりどうあがいてもお叱りコースは確定だった。


 啓区は素直に頭をさげる。


「ごめんね」

「ううんこっちこそ、ごめん。啓区の事、ちゃんと思い出してあげられなくて。仲間、なのに……」

「緊急事態だったかんだから、仕方ないよー。それよりほら、やらなくちゃいけない事が山ほどー」

「うん、そうだね」


 せっかく得た未来の情報。

 これを役立てなければ、過去に戻ってきた意味がない。

 という事でみんなを起こして、自分達が体験したことを話した。(どうして魔法を使った姫ちゃんだけでなく、僕までループしてるのかは気になるけど、それはとりあえず横に放置)


 中央領に来てから六日目の深夜。これから三日目に起こるあの災害をなんとしてもとめなければいけない。


 そういうわけで、ざっと説明。

 これから起きるはずだった三日間の出来事をまとめて述べた。


「それ、本当なんですか?」

「マジかよ」


 代表してエアロとディークさんが唖然とした表情になる。


 でも最初は信じられない、って顔をしていたけど、皆は徐々に話を信じてくれるようになったようだ。


 姫ちゃんも言ってるから、やっぱり信ぴょう性があるのかな。

 後は、僕がアレイス邸でのことを予言した前例があるから、かな。


 未利達にはチャットで説明。

 コヨミ姫やイフィールさん。三座ちゃん、ルミナリア達にも一応言っておいた。


 説明の後、ディークさんが疑問を口にする。

 

「それで、大変な事になるって分かったけど、姫乃様達はこれからどうするんだ? 俺にはさっぱり見当がつかないです」


 当然だろう。未来の事が分かるなんて出来事、彼らの人生の中で一度もあった事が無いはずだし。


 姫ちゃんは少し考えた後、答える。


「とりあえずセルスティーさんの所に行こう。この中央領でも、闇の魔力を計測してるから、もしかしたら前兆があるのかもしれない」


 みな、異論はないようだった。

 どういうわけで、方針が決まった。



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