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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第1章 中央都グロリア
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第16話 ボア研究所



 ボア研究所


 医術寮で本日予定していた諸々の用事を消化した後は、グロリアにある研究所へ向かった。(レミーやメリルさんもここでお世話になっているけど僕達と一緒に行動すると目立つので、後から来るとのこと)


 町の西側、工場などが立ち並ぶ区画にまぎれるようにして存在している建物。

 そこがボア研究所だ。

 緑のつるが建物全体をめぐっていて、良い意味で表現するととても涼しげ、悪い意味で表現するとちょっとホラー。


 セルスティーさんは、ここで働いているらしい。湧水の塔で僕達と別れた後、彼女は色々あって、ここで働く事になったようだ。


 僕達はこれから、彼女に会って途中やりになっていた事、お仕事についての話をしなければならない。それに、サテライトについての研究も進めないといけなかった。(加えて、姫ちゃんは調合の勉強もしらいらしい)


 三階建ての大きな研究所に入っていくと所員らしい女性に挨拶されて案内された、奥に進むと何人もの人間とすれちがう。それなりの人数が勤めている事が分かった。


 セルスティーさんがこうなるまでの事情は、チャット……は使い方が分からなかったらしいので、(他の研究員が行使する)水鏡で色々と教えてもらった。


 セルスティーさんは、湧水の塔で三座ちゃん達が所属するトーチカに保護された。そこで一旦北領に身を寄せた後、トーチカの仕事に協力する事になって、こちらの研究所へ移ったらしい。


 一度聖堂教の人間(?)に命を狙われた経験のある彼女だが、やらなければならない事があるため、敵地に乗り込んだとか。責任感が強い。


 セルスティーさんや僕達を狙った事に関して聖堂教の人達は、「起動できないはずの遺跡を起動したから不審者だと思った」と発言しているらしい。


「誤解だった」という風におさめたいのだろう。


 僕達としては確認もなしにいきなり攻撃されたので、ただ怪しむしかないけれど、向こうが頭を下げているのだから、表向きは矛をおさめないわけにはいかない。


 コヨミ姫も追及してくれたらしいが、あまり事情が分からなかったようだ。(並行してかねてから頼んでいた事、僕達以外の異世界からの召喚者について……だが、数名の足取りしかわかっていないらしい。しかしその彼らは危ない目にあっているわけではないので、今すぐどうこうなるというわけではなさそうなのが救いだ)


 そんな中、研究所を案内されている姫ちゃんがつぶやいた。


「ボア研究所って、なんか言葉の雰囲気が似てるような気がする」

「あー、あの装置があったとことかー」


 姫ちゃんがいうのは、エンジェ・レイ遺跡とか、遺跡の奥にある隠された場所についてだろう。


 エンジェ・レイ。

 シンク・カット。


 この世界の人たちが物や人に名付けるセンスとは違うという事だろう。


 もしかしたら、ここはエマー・シュトレヒムと何かしらかかわっているのかもしれない。

 時間がある時に調べておこう。





 いくつかの区画を通されて、奥の部屋に入ると、そこには見慣れた赤髪の女性が待っていた。


「久しぶりね」


 今日はこの言葉を聞いてばかりのような気がする。

 再び会う顔ばかりだから、当然なんだろうけど。


 僕達の目の前にあらわれたのは、頼れるクールな調合士ことセルスティー・ラナーだ。


 研究員用の白衣を着た女性は、目元をゆるめて小さく笑みを浮かべた。


 姫乃がその姿を見て、うっすらと目じりに涙を浮かべる。


「セルスティーさん! 無事だったんですね。良かった」

「ぴゃ、セルスティーさんなの! なあ嬉しいの!」


 そして、なあちゃんはオープンに喜んでる。


 湧水の塔ぶりにあう彼女との再会が果たされた。

 ベルカからの情報や、後でコヨミ姫からの情報もあったから、無事だという事は分かっていた。

 それでも、こうして直に顔をみる事で、より彼女の存在を実感できるのだろう。



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