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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第1章 中央都グロリア
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第14話 イフィールの様子



 第一医術寮


 グロリアの雰囲気についてあれこれ話しながら医術寮に向かうと、ちょうど診察をし終えたばかりのイフィールと合流する事が出来た。


 彼女を診ていたお医者さんは、コヨミ姫や僕達の事情も承知しているようだ。


 だから気を利かせて、開いている部屋を融通してくれた。


 イフィールさん達は、町の宿屋を拠点としているので、この病院に留まっているわけではないが、今日は診察に訪れていた。ラルドやウーガナもいる。

 

「久しぶりだな」


 こちらを出向かえるイフィールの様子は変わりないようだった。

 姫ちゃんはほっとした様子で挨拶をかわした。


「お久しぶりです。数日だけですけど。イフィールさん、調子はどうですか?」


 車いすに乗せられているイフィールは、見た所特に変わった様子は見られない。


 先発組として、先に中央領へ向かった時と同じ態度だった。


「うむ、心配はいらない。医者が良かったのだろう。経過は順調のようだ」

「なら……」

「ああ、時間はかかるが治るそうだ」

「良かった」


 堂々としたその態度をみて、姫ちゃん達は胸をなでおろした。


 しばらく共に戦えなくなったのは痛いが、それ以上に世話になった人だ。

 怪我で動けないところを見るのは、僕だって嫌だ。


 色々とつもる話がしたかったが、近況はチャットでもできる。

 今日は顔を見せただけにとどめて、別れた。


 僕達の目的は他にもある。


 それは、この病院の奥、もっと別の場所にあった。


「あらあら、お早い到着ですのね」


 こちらを出迎えたのは、イフィールさん達と共に先発組としてこちらに来ていた、三座ちゃんだ。


 そして、三座ちゃんの仲間である少年……気弱そうな表情をした考子くんと、つんとすました態度をとっている少女ミミちゃん。


 考子くんは、簡素な帽子を頭にのせた普通の少年らしい恰好をしていた。悪く言えばモブっぽい。よく言えば日常的?


 ミミちゃんは魔法使いが着るようなローブを身に着けている。頭部には猫耳がくっついている。ミルストと服の趣味が合いそうな子だ。


 後その場にいたのは、変装している未利(偽名はレミー)とメリルさん。


 レミーと化している未利は、金髪のウィッグで容姿を誤魔化していて、服もこの世界の一般的な少女っぽい物になっている。緑と白のワンピースだ。

 メリルさんはボーイッシュなコーディネートで、半そで短パン。コウモリ柄ワッペンのついたカーディガンを上に羽織っていた。


 姫ちゃんが彼女達にも挨拶する。


「久しぶり未……えっと、レミー。そしてメリルさんも。三座……さんもお久しぶりです」


 そういうと、レミーは頭を下げるにとどめて、メリルさんは「お久しぶりです姫乃様」と普通の返事。三座ちゃんは……。


 口元を袖で隠しながらおっとりしゃべりつつも、眉を若干下げて困惑の表情。


「私の方が年下なのですから、敬語でなくてもよろしいのですわよ?」


 との事だ。


 けれど姫ちゃんは、ため口でしゃべる事には違和感があるらしい。ためらいがちだ。


「うーん、どうしてだろう。三座さんってすごく大人っぽいから、つい敬語で話しちゃう。……いや、かな?」

「まあ、無理にとはいいませんわ。私だってこのような話し方をしてますし」


 口調がなおりそうになさそうだったので、姫ちゃんから三座ちゃんへは敬語で接することに落ち着いたようだ。


「なあお喋りしたいの。うずうずさんなの。レミちゃまとお話しさんなの」


 未利レミーと再会したなあちゃんがわちゃわちゃ楽しそうにお喋りした後、次の話題へと入っていく。



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