ドラゴンと爺さんの娘
ーーー青の洞窟・最下層ーーー
ゴゴゴゴッ
大きな扉がゆっくり音を立てながら開いていく。
そして、中はやはり一面氷漬けになっており奥の方に白いドラゴンが眠っている。
ドラゴンの体長は丸まって寝ていても15メートルくらいはあるだろう巨体をしていて、真っ白な鱗は宝石のように輝いていた。
「……ロイス、ドラゴンは最上位の魔物だ。起きないうちに仕留めた方が良い」
「ああ、そうするつもりだ」
そう、小さい声で話していると僕は氷の塊が見えず蹴ってしまった。
ゴロッ!!
その音にドラゴンが目を覚ます。
グオォォォォッ!!!!!!
「ロイスッ!!ブレスが来るっ!!!」
「マジかっーーー」
白いドラゴンは口から白色のブレスを放った。
僕たちは咄嗟に全力で横に飛び、なんとか避けることができた。
あぶない!油断していた!!!
ブレスに当たったところが氷漬けになり凶悪な氷柱が生えていた。
「ロイス、ドラゴンの鱗は魔法を打ち消すらしいから注意しろ」
「そうなのか!?やばいじゃないか!」
どうにか鱗を上回る魔法で攻撃出来ないかな。
風魔法レベル10
「暴風の刀」
災害級の暴風をこの薄い日本刀の形に留めた一品だ。これで傷をつけられなければ考えなければいけないな。
「ロイス、援護する」
「ありがとう!いって来る!」
僕はブレスをかいくぐりながら
ドラゴンへ近づいていく。
アークはブレスがくる方向に岩の障害物を魔法でつくり援護してくれる。
あと10メートル……
5メートル……
今だっ!!!
「はぁぁぁーーッ!!」
ズバッッッ!!!
ドラゴンの首の鱗を切り裂き血が吹き出る。
だが、深手を負わせたわけではなかった。
ドラゴンも仕返しとばかりに凶悪な爪で攻撃してくる。
それを避けながら同じ首の位置に少しずつ斬撃を加えていく。
グギャァァァァッッッ!!!!
ドラゴンが叫ぶ。
息絶え絶えに攻撃しようとするが鈍い動きになっていき、ついにはその場に倒れていった。
「やったか!?」
「ロイス!最後まで油断するなっ」
トドメだ!
僕はドラゴンの首を切り裂いた。
魔法が効かないって厄介極まりないんだな。
今日は貴重な戦いができてよかった、ドラゴンに感謝しなきゃな。
そして、僕は一息つく事なくドラゴンの死骸を虚空庫に入れた。
ブオーーーン………
「な、なんだっ!?」
突如、足元に大きな魔法陣が浮かび上がり一瞬のうちに光に包まれていく。
目をあけるとそこは何もない白い空間だった。
「アーク、いるか!?」
「ああ、いるぞ。ここはどこだ?」
「多分僕はここを知っている。ここは転生するとき来て、神様に会った場所だと思う」
『せーかいっ♪♪ここは神界よっ!!』
目の前に現れたのは非の打ち所がない美女だ。
美しすぎるっ!!!!
『ありがとっ』
「え、誰ですか!?あの爺さんは!?」
『私はセイレーンよ!お父さんなら寝てるわよっ♪♪』
「寝てる!?あの爺さん適当だなっ!!」
『まさか、この前転生した子達がもうここに来れるとは思ってなかったからじゃない?』
「で、僕たちは何でここに呼ばれたんですか?」
『それはね、ダンジョンクリアしたでしょ?そのご褒美です!』
「それだけですか!?」
『それだけって何よ!凄いことなんだからねっ!!で、何欲しい?』
「え、何でもいいんですか?」
『叶えられる範囲ならねっ♪』
「そうか……,.どうするか、、、アーク僕に任せてもらってもいいか?」
「もちろんだ。ロイスがほとんど倒したんだからな」
「じゃあ異世界に転移する方法を教えて下さい!!」
『あら!それはお父さんに言っちゃダメって言われてるんだけどヒントならいいわよ!』
「え!ホントですか!?」
『じゃあ一回しか言わないからよく聞いて』
「はい」
『光魔法、闇魔法、時空魔法、無魔法をレベルMAXにしてある魔法を使えるようにするの!あとは魔力が10000以上あれば大丈夫よ』
「それだけですか?」
『もっと知りたいの?』
「はい、もうそれは達成できそうなので次のヒントをっ!!」
『あらっ!ホントね!じゃあ黄金の塔をクリアするとあるアイテムが入手できるからそれは異世界転移に使うから持っておきなさい!』
「おお!そうなんですね!ありがとうございます!!」
『あと、2人にはもう一つご褒美あるからお楽しみに!じゃあまたね♪♪』
ブオーーーン
また魔法陣が現れ光に包まれる。
目をあけると元のダンジョンに戻っていた。
「アーク!次は黄金の塔行ってもいいか?」
「ああ、もちろんだ」
こうして青の洞窟を後にした。
黄金の塔いきます。




