アレックスの憂鬱
団長視点です
私はアレックス・オールハイト。
王国騎士団団長の名を陛下より賜っている。
今日は王都最大のイベント武闘大会がある。
陛下は毎年楽しみにしていて全試合を直接見ると聞かないのだ。
護衛するこっちの身にもなってくれ。
まぁ私も強者の試合を観るのは好きなのでありがたいといえばそう言える。
今年は私の息子のマークが出るみたいで、あいつは我が家の稽古では落ちこぼれだ。
剣の才能は我が家では最下位だが魔法の才能はまぁまぁだと聞いている。
「陛下、そろそろ一般の部のバトルロワイヤルが始まります。こちらへ」
控室から王族専用の観戦場にでる。
「ロイスも出るのだろう?どのブロックだ?」
「あの者は5ブロックと聞いています」
「すぐだな。楽しみだ」
そして、ロイスの試合が始まった。
始まったと思ったら5秒後にはロイス以外の選手全員が苦しみながら気絶したのである。
「なっ!?なんだ、今の魔法はっ!?」
「陛下、申し訳ございません。私も存じでありません。」
謎の凶悪な魔法を使いすぐに終わらせたのだった。
次は学生の部だ。
マークよ、陛下に無様な姿を見せるなよ。
そして、マークの試合が始まると良い調子で準決勝まで勝ち上がっていったのだ。
驚いた。
あいつはここまで強くなっていたのか。
そして、もっと驚くことが起こった。
試合が始まると胸の前に手をかざした。
その瞬間、剣が瞬時に現れた。
「なんだ!?魔法か!?アレックス!何か聞いてないのか?」
「いえ、申し訳ございません。何も聞いてません。」
「うむ、そうか……」
そのあとさらに驚いた。
その剣を振るたびに剣から流星のようなものを放ち攻撃していったのである。
魔剣を所有してることなど全く知らなかった。
しかも、国宝級のものに違いない。
あとであいつに問いたださないといけないな。
ーーー決勝戦ーーー
「流星の斬撃」
マークがそうむ叫びながら剣を振る。
すると先ほどまでとは比べものにならないくらい大きな流星が空から降って来た。
この攻撃により災害級の被害がコロシアムを襲った。
観客席の方は結界が貼ってあるので大丈夫だが中は凄いことになっていた。
「おい、アレックス。お前の息子を連れてこい!あの剣について聞きたいことがある。処罰するわけではない、安心するが良い」
「はっ!!すぐ連れてまいります」
私もあの剣については聞きたい。
私は息子の元へ行き連れて行く。
「マーク!陛下がお呼びだ。来い」
「ハイ、お父様!すぐ参ります」
マークはロイスに声をかけすぐに陛下の元へ来た。
「連れてまいりました」
「マーク・オールハイトよ、まずは優勝おめでとう」
「ありがとうございます」
息子は跪いた。
「マークよ、聞きたいことがある。あの剣の事だ。あれはどうした?見た所国宝級の魔剣ではないか?」
「はい、これはロイス・ヴェスターに貰いました」
「なんとっ!貰ったと!?このクラスの魔剣をか!?」
「はい、確か作ったと言っていました」
「なにぃっ!?作っただと!?」
「……はい」
「マークよ、この事は誰にも言うでないぞ」
「はいっ」
マークよ、お前はとんでもないやつと友人になってしまったな……。
「その魔剣を見せてくれないか?」
「はい、出します」
マークは手をかざす。
すると剣が現れた。
「これはどういうことなのだ?マークよ」
「ロイスが言うにはこの指輪が「収納」という効果があるらしく、この件をしまうことができるらしいです。そして、これは僕にしか使えないと言っていました。」
「収納とは魔法か?あやつにも話を聞かんとわからんな」
陛下は諦めて今日は帰ると言うので
王城まで護衛していく。
明日はもっと凄いことになる予感がする。
私がロイスと戦うことになるかもしれんな。
はあ………。
決勝トーナメントです!




