デーモンとグシャグシャのお嬢様
救出に向かってます
「ところで名前なんて言うんですか?」
「アリスお嬢様専属の執事をしております。セバスと申します。名乗るのが遅くなって申し訳ない。」
「いえいえ、僕はロイス・ヴェスターと申します。よろしくお願いします」
「聞いていいですか?ロイス様、あなたはいったい何者ですか!?あの強力な魔法は…」
「僕はただの学生ですよ!気にしないでください!」
そうこうしていると追いついたみたいだ。
「あれですね。殺していいですか?」
「できれば生きて捕獲したいですがお嬢様が最優先です」
「そうですね、ではいきます!」
「絶対遮断領域」
フードの敵が担いでるアリスお嬢様を隔離する。
そうすることによってもし万が一魔法の巻き添えになっても安心だ!
「何ですか?それは…」
「これはお嬢様を守る魔法です」
「おお、ありがとうございます。これで思い切り戦えるというわけですね」
「そうですね、まずは風の壁!!」
ローブの敵を閉じ込める。
「おい、もう諦めろ。追い詰めたぞ!お嬢様を返してもらおうか」
「……………」
フードの敵は何かを取り出した。
それに魔力を込めると黒く光りだし、巨大な魔法陣が浮かび上がる。
「来い……デーモン。」
黒い光がバァっと広がった後にそこにいたのは体長3メートルはあろう、黒い巨体にツノが生え、背中には羽がついている。
「……殺せ。」
悪魔か……。
光魔法使えばいけるのか?
はじめて戦うな。
「ロイス様は光魔法が使えるんですよね!?レベルいくつまで使えるんですか?」
「レベル8ですがどうですか?」
「8ですか!?そんな!!うちの国の教会トップクラスじゃないですか!」
「光魔法で攻めてみますね」
「聖なる光」
直径30メートルくらいの大きな円柱状の光が空から降ってきて、デーモンを包む。
あっという間にデーモンは灰となり消えていく。
「そ、そんな……ありえない。クソっ」
フードの敵は人質を取るようにアリスお嬢様を前に出し、短剣をクビに添える。
「殺されたくなかったら、お前ら追ってくるんじゃないッ!!」
「助けてぇ……」
お嬢様は涙を流し、震えている。
絶対遮断領域をかけたので大丈夫なんだけどな。
「アリスお嬢様!大丈夫です!今助けます!」
「オイッ!!聞いてんのかっ!ぶっ殺すぞ!!!」
フードの敵はお嬢様のクビに剣を突き立てるが絶対遮断領域の効果により拒絶される。
「なっ……これは何だっ!?いったいどうなってる!!!」
「アリス!走れっ!!!」
お嬢様がフードの敵を振り払った瞬間…
ここだ。
「カマイタチ」
シュシュッ
フードの敵は腕がなくなる。
そこにすかさず僕は回復をかける。
腕の止血だけしてやった。
もちろん腕はくっつけていない。
「セバスさんこの人どうしますか?」
「私が引き取る。こいつは拷問しなければいけない」
腰が抜けているお嬢様の元へ行くと
「ろっロイス!セバス!あっありがどう…。うっ、ひっく、、、」
お嬢様の完璧な顔は涙と鼻水でグシャグシャになっていた。
この事は僕とセバスしか知らない。
王城に帰ります