転移と転生
「………………」
(僕はいったいどうなったんだ…?)
目を覚ますとそこは何もないただ白いだけの空間にさっきまで一緒にいた6人、僕を入れて7人がいた。
「やっと起きたか、晴人」
冷静な顔で壮太郎が言う。
「ここどこよぉ〜」
美波が不安そうな声で言うと
先生が答える
「これは最近噂の異世界転移じゃないかしら!!
先生漫画好きなのよ〜♪ちょっとワクワクしちゃうわね!!」
「先生!!冗談やめてよ!!いくらなんでもそんな事ありえないって…」
茜は先生を否定してはいるが不安な顔をしている。
「こんな白いところ今まで見た事ないでしょ!?もうすぐ神様がでてくるから安心して待ってなさい!!」
そう先生は言う笑顔で大人しくなった。
(僕も多分異世界転移だと思うのだが、教室での最後の記憶は爆発してたぞ?
あれ、絶対魔法失敗してるだろ!!って事はもう死んでる可能性大だよな!?
これ、どうなるんだ!?
僕も漫画やラノベでは読んだ事はあるがこの展開は見た事ないぞ!?
まさか、このまま天国へ!なんて展開になるのか!?
やばい!少しドキドキしてきた!
どうなるんだ!?僕たちは!!)
そう考えていたその時……
『ホッホッホッホッ〜!
待たせたのぉ〜、神様じゃ!』
オフホワイトのローブをきた爺さんが杖をつきながら現れた。
いきなりその場に現れたのだ。
「ほら来た!!先生の言った通りでしょ!!
神様〜早くチートをくださいなっ♪」
(このクソアマ!!テンション考えろよ!
いろいろ聞くことがあるだろうがっ!!)
『そうだのぅ〜、小僧の思っておる通り話さなければならないことが少しあるんでチートは待ってくれんかのぅ〜』
(この爺さん、考えがわかるのか!?)
『わかるぞい』
「何がわかるんですか?神様」
壮太郎が聞くと神様が答える。
『そなたらの考えはわかるのでまずは話を聞くのだ。
どっから話すかのぅ〜
まずは………
そなたらはすでに死んでおる。』
神様はそう告げる。
「えっ、私たち死んだの?そんな…」
「おい!どういうことだよ!意味わかんねーよ!!」
茜と健太が言う。
(やっぱりか………あれ完全に爆発だったもんなー
ってことは転生させてくれるって感じかな?)
『そうだのぅ〜、晴人そなたの思っておる通りじゃ。
そなたらは死んでいるので転移はできん。
なので転生させる事にした。
死んだ原因だがのぉ、異世界の転移魔法が失敗して爆発にまきこまれ死んだのだ。
さすがに異世界のモノの魔法の失敗でそのまま天国は可哀想だからのぉ。
だからのぉ、チートも多少授けよう。』
(これ転生ってことは元の世界には戻れないのか?)
『小僧!それは特別にどうにかなるようにはなってるぞい!
そなたらの容姿はそのまま髪の色や瞳の色が違うだけになっておる!
なのであちらの世界で魔法習得し、どうにかこちらに戻ることはできるようにはサービスしておいてやる!
可能性は高くはないがのぉ!
頑張るがよい!
ホッホッホッホッ〜〜!』
「まぁ一応帰れるならみんなで頑張ってみるか」
僕がそう言うとみんなと目が合う。
みんな帰りたいのは同じ気持ちだ。
「爺さん!異世界ではみんな生まれる場所は違うのか?」
『そうだのぉ、一定の距離は離れておる』
「じゃみんな!あっちでは絶対集合しないとな」
「そうだな、あとは力をつけて死なないようにしよう。
集まる前に死んだら元も子もない。
異世界での成人までは力をつけて、それからみんなでタイミングを合わせて集合しないか?」
壮太郎はもう今後の予定を立て出している。
「そうだなっ!俺、めっちゃ強くなっとくからな!」
健太はテンションが上がってるようだ。
「僕も強くなっとくよ」
茜はさっきまで泣いていたので目が赤いが泣き止んだようだ。
舞と美波も不安な顔は少し良くなっている。
『では、チートは生まれた時にはそなたらにあったものを授けておくからのぉ。
そろそろあっちに行ってもらうぞい!
魔法と剣の世界で魔物もあるぞい。
世界の名は[オートリアム]じゃ。
気をつけてな。』
その瞬間、パァーッと眩しくなり意識を手放した。
次は生まれます