勇者召喚とアークのこれから
ヒントみつけます!
「アークさんありがとう。この本大事にするよ」
『よろしく頼む。もう時空魔法を広めるも隠すも好きにするがいい……』
「はい。あと、確認なんですが、ここはもう行き止まりなんですか?」
『そうだな、何もない』
「そうですか……じゃあそろそろ帰りますね。母さまが夕飯を作ってる頃だと思うので……」
『母さま?夕飯……お前今いくつだ?』
「えーと、僕はもうすぐ6歳です」
『なっ……何いぃー!?6歳なわけないだろ!?その魔力を見る限り20代半ばのはずだ!!しかも、その魔力量はあり得ないっ!!』
「あぁ……そうですね……。多分それであってるかもしれません。僕は転生者なんです。違う世界で16歳まで生きて、そして、死んでこちらに転生しました。そして、今6歳です」
『なんとっ!?転生者か!まさか本当にいたとはな』
「さすがの賢者でも帰り方とかわからないですよね?」
『んん〜すまんな。わからない。転生者が昔もいたのは噂や伝承で残ってはいるみたいだが……』
「それでは勇者が召喚された。なんて話しは聞いたことありませんか?」
『あぁ、それなら聞いたことあるぞ。確か隣の国のだ。昔はモーリス聖教国と言う名前だったな。今は知らん。』
「やっと手がかりを見つけました。ありがとうございます!
それでアークさんはこれからどうするんですか?」
『もうすることもないからな、果てようと思う……。』
「え、果てるって死ぬんですか?どうしてですか?」
『精神はあるが肉体はない。ここでずっと生きてもしょうがない……』
「じゃあ僕と一緒に行きませんか?そして、異世界に興味はないですか?もし帰り方がわかったら連れて行ってあげますよ!」
『異世界か……。うむ、興味が湧いてきたな。だが、一体どうやって私を運ぶのだ?』
「僕の魔法で体を作りますよ」
『体を作れたとしても魂をどうするのだ?』
「どうとでもなりますよ!僕に賭けてみませんか?」
『………わかった。賭けよう。ここで死んだとしても後悔はない……』
「じゃあ待っててください」
僕は前にいた部屋から大きな魔石をすべてアークがいる部屋に運んできた。
「鉱石変形」
全ての魔石を1つにして圧縮し、魔力を流し猫の形の石像を造った。
そして、
「付与」
「動」「癒」「堅」「軽」「速」「器」
それぞれに魔力をふんだんに流し込み尻尾に刻み込んでいった。
『なんだ?これは………。猫の石像?』
「そうですね、ここにアークさんの魂を定着させます」
まず絶対遮断領域でアークさんの魂を隔離して魔法の影響を受けないようにする。
「絶対遮断領域!!」
次に闇魔法レベル7の「魂の定着」を使う。
これも土で造った人形を動かす時にモンスターなどで実験して僕が考えた。
「魂の定着」
絶対遮断領域で隔離された魂ごとこの魔法で石像まで持っていく。
最後に魂が石像に触れる瞬間に絶対遮断領域を解除する。
すると、魔石の石像がピカッと光り魂が定着した。
魂の定着だけで使うと意識がなくなるのかゾンビみたいになる。
それを絶対遮断領域で防いでから定着させるのだ。
「どうですか?」
『ああ……。しっかり意識もあるし、体も動く…。』
「じゃあこれからよろしくお願いします!」
『ああ、よろしく頼む。あともう敬語は辞めろ。』
「わかったよ、アーク!」
こうして、僕の冒険は終わったのだった。
アークがついてきます。




