小さな攻防戦
今、とてもまずい戦況になっている。我が国の敗北も時間の問題だろう。こうなればもはや手段など選べない。
「皆聴くのである。我が国は今とても厳しい状況にある。そこでこの戦況を変えるべく、あの作戦を実行する!よって皆今まで以上に心して挑むのだ。そなた達ならば必ずや成し遂げられるはずだ!」
兵士達は顔を見合わせたり憤ったりしていた。
「そなた達の言い分は痛い程わかっておる。しかしこれしか方法はないのだ。余がお前達に言うのはたった一つだけだ!生きて帰って来い。一人として欠けることなく、余の前に集まるのだ!」
かくして兵士達は捨て身の作戦をする事になる。兵士達は少数のチームを沢山作り、それぞれ別れて敵陣へと向った。その頃敵陣は、同じように話し合いをしていた。
「このままではジリ貧です。どうでしょう?あの作戦を決行するのは……」
「しかし、あの作戦は兵士達を捨てる様なものである。そんな事出来る訳が無い。だが、この作戦しか無いのも事実……よかろう。この作戦を決行する!兵士達に作戦を伝えよ………」
こうして世にも奇妙な攻防戦が始まりました。
少数のチーム同士が戦場のあちらこちらで戦い始めました。
ただ、不思議と誰も戦術を変えようとはしませんでした。