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モンスターズ!!

「おい、あの人たちが来たぞ!!」


 とあるギルドにて、その言葉を聞いた途端に何者が来たのかギルドの中にいた大半の人達は理解した。


ある者は顔を青ざめ、またある者は物凄いニマニマ顔になっていたりと反応がそれぞれ異なる。


「何が来たんですか?」

「え?え?」


 その周囲の反応に、このギルドに来て間もない新人冒険者や、このギルドに来るのは初めての別のところから来た冒険者は疑問に思った。


「おい、黙っとけよ!!あの人たちが来て、問題が起きたらそりゃもう地獄絵図だ!!」

「地獄なんて生易しいもんじゃなねぇ・・・もっとやばいんだぁ・・・」

「ちょっと病みつきになりそうで怖い・・・」


 その人たちの事を知らない冒険者たちに、事情を知っている者達は注意を促す。




ガタン・・・・と、ギルドの扉が開き、そこから入ってきたのは・・・・



「あーもう!!あやうーいところで依頼失敗しかーけてではないでーすか!!」

「うるせぇな!!一応無事に済んだからいいだろうぅ!!」

「まあまあ、2人とも落ち着いてよ・・・・とはいっても、人じゃないけど(・・・・・・・)ね」

「自虐・・・くすっつ」


「「「「!?」」」」


 その人たち・・・いや、人ではないその者たちを見て、初めて見た者たちは驚愕した。


((((も、モンスターの集団!?))))



 そう、たった今入って来た者たちは人ではない。モンスターだけの集団である。



鳥の足に両手が翼のなぜか一緒にいるやつと言い争っているハーピー。


全身真っ黒の鎧に包まれ、大剣を背負い、わきに頭を挟んで言い争っているデュラハン。


言い争いを治めようとちょっと自虐が入ったことを混ぜた、宝箱のような姿でありながらその縁には鋭い牙がずらりと並んで生えているミミック。


くすりと不気味な笑みを浮かべつつ言い争いを止めない、元は美人だったのだろうが、青白い肌が恐怖を魅せるリッチ。



 彼らは4人で冒険者のようなことをしているモンスターの集団『モンスターズ』。



 事情を知っている者達は頭を抱えたり目を輝かせていたりするが、初めて遭遇した者たちは驚きのあまり顎が外れる者達もいた。



 それも仕方がない事である。


 なぜなら、モンスターが群れで行動することもあるのは普通だが、ここまで種族が違う者同士で集まって行動し、なによりもほとんど(・・・・)人と変わらない(・・・・・・・)ように話し合う姿なんて、常識外にもほどがあるのだから。



 

 この世界の冒険者にとって、モンスターは人を襲う存在でもあり、恐怖の存在でもある。


 だが、そのモンスターたちの中でも特に変わり者の奴らが偶然出会い、こうしてなぜか冒険者のように一緒にチームを組んで活動をしている・・・・どれだけ異常な光景なのかは、初めて見た冒険者たちの反応が示しているであろう。






・・・・ある日、突如として彼らはこのギルドに現れた。


 ギルドの扉を潜り抜け、4人そろって入ってきたときには、中にいた冒険者たちは身構えた。


 だが、そんなことを気にする様子もなく、彼らは受付に向かいこういった。


「「「「冒険者登録したいのですが」」」」

「「「「・・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっつ!?」」」」」


 その言葉に、全員驚愕の声をそろわせたのは言うまでもない。



 当初こそは、モンスターだからと言うことで討伐してやろうとか言うようなやつが出て、わざわざ戦いを挑むようなやつも出た。


 だが、すべて返り討ちに遭っているのである。



 それもそのはず、彼らはもともとモンスターとして強い部類に入る者たちでもあり、変わり者のせいかさらに通常種よりも桁外れに強かったのだ。



 恐怖し、畏怖も集めたが・・・・・・・普通の冒険者たちと変わらないようなその姿を見て、そのうちこのギルドにいた者たちは慣れて、たまに新人とかがいる時に注意するように促す程度になった。


 なお、顔を青ざめている者達は、当時返り討ちにあった者たちである。


 殺すこともできたはずなのに、生かされている・・・・モンスターに殺す価値もないと言われたようなもので、ショックを受けてトラウマとなっているのだ。


 それでもやめないのは生活が懸かっているからであり、もう手出しをしないようにしようと心に決めているからであった。




・・・・その話を聞き、新人冒険者やここに来たのが初めての者たちは驚く。


 そして、彼らの心が人とあまり変わらないことに気がついて、次第に慣れて親しくなっていく。




 モンスターだけで構成された不思議な冒険者集団「モンスターズ」。


 彼らがどのようにして集まったのかは、そして何を目的にしているのかは誰も知らない。


 でも、一つだけわかるとすれば、彼らは依頼を冒険者たちと同じように受け、成功したり失敗したり・・・・まるで人と変わらないような光景を生み出す。


 そう、人と同じになりたいかのような、そんな思いを感じ取らせる行為をして・・・・・




昔書いていた物を手直しした、今書いている作品たちの原形小説です。

大分姿かたちが変わっているし、分岐しまくっていますが・・・・・。

連載予定もあったけど、没にしていた奴で眠らせるのももったいないかなと思いました。

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