番外編最終話◆『そして、またきみと──』
たくさんのオトナの足音。
僕達四人はふるえてジッとまってる。
「グスッ・・おかあさん・・」
村の子どもで、いちばん歳上でせきにんかんの強いホムンクルスのオトコのコ、ダウィンは泣いている。
「・・安心なさい、パパとママが守ってくれるわ」
ちょっとオシャマなニンゲンのオンナのコ、ページはみんなをはげましてくれてる。
・・ふるえながら。
「お兄ちゃん、おなかすいたよ~」
いつでもマイペースな、ホムンクルスだけど僕のふたごの妹、ロディはいつものちょうしで、ちょっとたすかる。
僕は村の子どもの四人のかおをみていう。
「父さんの言うとおり、あしたの朝までまてばイイんだよ。
・・だいじょうぶ、僕がまもるから」
◆◆◆
「良かった、御主等は全員無事か!」
「そ、村長・・コレは・・村は・・お母さんは?」
「パパとママは!?」
「────っ・・」
村はグチャクチャだった。
ダウィンの家の畑が。
ページの家の水車が。
僕とロディの家の全部が。
ダウィンとページはそれぞれ、じぶんたちの家にはしって帰っていった。
フラリフラリと、となりの家のオジサンが叫ぶ。
「俺ァ見たぞっ!
帝国兵だ、帝国兵の鎧を着てやがった!
帝国が俺達を殺しに来たんだ!!」
「初代皇帝が病死してたったの十年でコレか・・」
「最近は【妖】たらいう連中まで来てるらしいしよ・・もう帝国ァ、お仕舞いだ・・」
僕とロディはそんちょうで父さんのかおを見る。
父さんは、こいていサマさいごの弟子でいろいろ教えてもらって、じょうきゅうマスターになってロディを造ったとじまんしていた。
「・・現皇帝も、その側近も・・昔はこんな事をする方々ではなかった。
全ては初代皇帝が残した七つの魔石のせい・・か」
「七つの魔石って・・一つ、ロディのからだにある・・?」
「しいっ!
その事は誰にも言うてはならんぞ?」
父さんはいっしゅん、すごくコワい顔でおこってきた。
「・・もしかして、村がおそわれたのって・・」
「──御前はまだ五歳なのに・・本当に賢い、な」
こいていサマがしんで、ひかりにつつまれたあと、七つの石があったらしい。
ホムンクルスと人間・・どっちもほんとうにあいしてた、こいていサマのその石は・・『どれいのくびわ』や『しゅじんもん』のない人なら、ホムンクルスでも人間でも・・だれでもつかえるそうだ。
「ソレが良く無かったのだ・・。
人は・・あの御方が愛する程、善ではない」
七つあつめればだれでもグランドマスターになれる魔石・・あぶないって思った父さんたちは、七つべつべつにする事にしたらしい。
・・でもだれかが村をおそってでも、あつめだして・・そのウチの一つが・・ロディのなかにある・・。
「まだ私がこの村に居る事も、ロディの事も、気づかれてはいないようだが・・」
──グゥ~──
「ねぇ~お父さ~ん、お兄ちゃ~ん、おなかすいた~」
「あ、ああ・・すまんな。
今、魔石を用意しよう。
・・襲撃で、砂粒程しか残ってないが」
「えぇ~?」
「しょうがないさ、あした僕がとってきてあげるよ」
「うんっ♡」
◆◆◆
村がおそわれてから一週間がたった。
ダウィンのお母さんのマスターはけがで動けない。
ページのパパとママはでかせぎに行くしかなくなった。
僕は──
「このままじゃ・・いけないよね」
──まものをたおして魔石をためる。
やくそうをあつめる。
けものをかって干しにくをつくる。
「・・すまん」
「しんぱいしないで、父さん」
「お兄ちゃん、お父さん、どうしたの~?」
「ん? ちょっとほかの国に遊びにいこうかなって」
「わ~い、楽しみぃ~♡」
だいじょうぶ、僕がまもるから。
◆◆◆
そのひ、みた・・ゆめ。
どこか、なつかしい・・おんなの人。
・・だれだろう?
しんだお母さん?
オッパイがスゴく大きい・・って、かんがえたらなんでかロディに怒られるきがした。
おんなの人は、僕のほうをみて──
「・・こんなハズじゃあ、無かったんだけどなぁ・・」
──って、言った。
「なら、どうしたかったの?」
「ん~? ただホムンクルスと人間が仲良くなれば良いなあって思っただけ、なんだけどねぇ・・。
最後、ちょっと寂しさのあまり失敗しちゃった・・♡」
「ナニやってんのさ・・」
「タハハ・・」と笑うおんなの人は「・・ソレでも、守りたい人がいたんだ」と言った。
「・・僕とおんなじだ」
「・・そっか」
手をのばしてきて、ナニかくれた。
「これ・・ナニ?」
「あげるよ、俺にはもう必用ないしな」
──そこでめがさめた。
◆◆◆
「ロディもお兄ちゃんのおてつだいしたぁい~!」
「・・そうだな、ロディは運動神経が良いし・・今から鍛えておくべきだ」
短剣をこしにさして「ふんすっ」と、ロディ。
怪我がなおってきた父さんがカゴをせおう。
僕達三人でやくそうがはえてて、よわいまものもいる山にいく。
かぞくぜんいんなのは久しぶりだからちょっとたのしいな。
「えぇ~い!」
「ロディ、だいじょうぶ?」
「うんっ!
・・でもすなしかでない・・」
「父さんは?」
「うむ、少し鈍ってはいるが問題無い」
すこしづつだけど、旅のじゅんびができている。
「あ~あ、ロディもまちゅつをつかえたらイイのにな~」
「ははっ、おとなになったらロディもまじゅつをつかえるよ」
◆◆◆
「・・旅に出る・・?」
「うん、ロディといっしょにね」
ダウィンの家の庭。
ダウィンとページと久しぶりにしゃべる。
二人共、ずっと家から出なかった。
「私も・・一緒に行って良い?
このまま村にいても十年はパパとママに会えないもの・・」
「えっ・・ページも村をでるの・・?」
「ダウィン・・この村は私にはツラいわ・・」
「俺・・俺は・・お母さんが・・」
「──良いわよ、ダウィン。
貴方はみんなのお兄ちゃんなのだから。
助けてあげて?」
まどからダウィンのお母さんが僕たちを・・ロディをみる。
たぶん、いしのことは知らないはずだけど・・。
「・・・・分かった」
「じゃあ、三日後に」
「ええ」
僕達はたびにでる。
子どもたち四人のたび。
父さんは、けががまだよくないから・・って、言ってたけどホントは・・。
つらいこと、やさしい人たちとのであい──
これは僕が、いつか『はしゃ』になるまでのおはなし。
『彼等』は『彼等』ではあるが、生まれ代わったまた別の『彼等』。
その性格や才能は少しづつ違う。
夢で受け取った『ナニか』は、とある『剣』の主になる──仮免、の、ようなモノ。
努力を怠れば容易く失う。
ホムンクルスの、【石】の王なら資格の無い者から所有権を移す事も不可能ではない。
夢の内容は多重人格や憑依ではなく、たまたま覚えていた記憶の整理を客観的に見ただけ。
センジ自身がホムンクルスマスター (準グランド級) となり、弟子達と共に自分自身を徹底的に調べあげ、(結果、自分が超技術で創られており、殆んど分からないという事が分かったが) 得られた技術の一部を提供し、世間のホムンクルスは全て上級となる。
特にロディ (の、素体) は、センジが最後に製作に関わった、センジの技術を一番多く使って創られたホムンクルス。
ロディの中の『石』は、すでに育ちきっているのでグランドマスターでなくとも適齢期がくれば発動する (予定)。
◆◆◆
書くかどうか迷った話です。
せっかくハッピーエンドをむかえた『彼等』が、また辛い目に合うのですから。
(鬱展開好きでゴメンナサイ。)
ですが転生をテーマにした以上、必用な話かと思います。
次があったなら更なる次へ、
次のハッピーエンドへ。
有難う御座いました。
(次回作は二人で異世界へ旅立ちます。
センジは最初一人で行動し、幼女と共に行動するようなっても言葉が通じず、
『あ~、会話が無えぇ! 脳内で質問に応えるシステムキャラとか欲しい!』と唸ってました。
が・・センジに慣れた今、新作では
『一人だから、言葉が通じないから、出来る勘違いや暴走が使えねえ!』と唸ってます。
ついつい主人公だけに喋らせる癖をなんとかしないと・・)




