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20◆センジ、これまでを語る。(泥棒じゃ無い。)

20◆センジ、これまでを語る。(泥棒じゃ無い。)


◆◆◆


──15年前のあの日・・。


白銀騎士団の隙を付いて街に侵入した俺達は、片っ端から【テレパシーネット】で奴隷ホムンクルスを主の人間の元から誘拐し始めた。


屋敷の、城の、武器庫の、跳ね橋の、関所の・・鍵を開ける権限は無くったって良い。


欠伸の、クシャミの、靴紐を直す時の、ソコを管理する人間の・・ほんの僅かな隙を、奴隷ホムンクルスが「偶々見て」、「見た風景を考える」だけで良い。


俺達に気付いてない奴等の隙をノータイムで知れるだけで良い。




「う~ん・・?」


《どうした?》


「・・【テレパシー】成功しすぎじゃない?」




最初、もっとも警戒してた【テレパシー】に対する奴隷行動制限、コレがどうも掛けられて無い。




「つか、ホムンクルスに【テレパシー】って能力が有るって知ら無いっぽい?」




多分・・だけど、ホムンクルスに奴隷しか居ないから、かなあ?




「中級マスターですら、世界に100人と居ないんだっけ? (下級は数万以上。)」




以前聞いた通り・・奴隷はいくら居ても足りないんで、下級マスターが造るホムンクルスでも重宝される。


結果、世界中に存在するほぼ全てのホムンクルスが会話出来る程の【テレパシー】を持たない人ばかり。

(初めて廃墟に行った時、殆んどのホムンクルスが感情だけ飛ばしてきた、アレ。)


会話型同士だと、もっとそれっぽく見えたんだろうけどさ。


フェロモンの概念が無い人が、「蟻の会話の仕方」 に気付けるか・・って話しだと思う。

(気付いた人って・・その、蟻フェチじゃね?)


まあ、そんな訳で・・いくら奴隷化の首輪で行動制限を掛けられても、俺達が放つ【テレパシー】を「受け止める事」まで、制限なんてしようが無い。




◆◆◆



・・あと、


『人間へ無条件の殺意を持つ』

『人間を下等生物と見なす』


といったホムンクルスは悪いけど隔離。


保護はするけど廃墟組の元人間嫌いだった人達 (今?ノロケまくってるよ?) のトコに置く。


ウチはホムンクルスと共存したい人間も多いからねぇ。



◆◆◆



「(細~く・・細ォ~く・・)」




最後に『真っ黒な箱』みたいな建物の前に来た。


色んな薬品を扱うせいか、かなり密閉度が高い扉に侵入すら為に【硬度変化】で指先から細く細くして、ちょっとづつスキマに身体を入れていく。


幼女だけ声を抑えて喜んでるが・・自分でキモい。


・・他の人の顔は見れないなあ。




「(鍵師だったら指先だけ鍵に出来たのに・・)」


《泥棒なれる》


「(嫌な事言わないの!)」




──ガチャッ──



完全に侵入し内側から鍵を開ける。

奥の主の私室へ。


白銀騎士団が夜中に突然、集落の方へ行った──


そんな噂を聞いた直後に武装した俺達が現れて・・換金屋の店主は、全てを悟ったようだ。


リーダーを介した、俺の「着いて来てくれる?」という問いに目を丸くした後、ニカッと笑い『もっと儲けさせてくれるんだろ?』と、言った。

(らしい。)


その後、店主がツテで信用の置ける (ホムンクルス差別に否定的な) 商人を集めて経済戦争方面を任したりしたのは・・また別の話しかな。

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