14◆センジ、大分軟らかくなる。(マッチョになる。)
14◆センジ、大分軟らかくなる。(マッチョになる。)
◆◆◆
《イシ!》《イシクエ!》
症状を診たホムンクルスの一人の指示で、幼女がクチに運んでくれた【石】を食う。
すると途端に空腹・・いや、飢餓感がおさまる。
恐かった~。
ホント恐かった~。
命が削られるってああいう感じをいうんじゃないかなぁ。
『ダンヘエテダンヘエテ!?』
「・・ん、ちょっと収まった。
ありがとう」
《タリナイ》《アレクエ》
指差す先には二周りはデカい【石】が落ちてた。
石並みに硬くなった俺に頭突きしたせいで首の骨を折って死んだらしい【石の獣】の【石】か。
一段強いって言う分、スゲェな。
んで、そのデカい【大石】を食ったら・・自分の中で何か壊れたっつーか・・「ズレた」感じがする。
なんだろう・・。
魂と、俺の中に (も) ある (と思われる)【石】が「膨らんだ」・・が、一番近い表現・・かなぁ?
《ガイケイ》《コウドヘンカ》
「外系の【硬度変化】・・?」
《カタサ》《モドセ》
命の危険を感じる飢餓感は収まったとはいえ、まだ見た目はピクピク痙攣してるだけにしか見えないから幼女も心配しきりだしね。
身体よ~、元に戻れ~戻れ~。
──戻らない。
あれっ・・ヤベッ!?
うーん・・。
【硬くなる】超能力なら
「硬くなる」の反対は「戻る」だけど、
【硬度の変化】なんだから
「硬くなる」の反対は「軟らかくなる」かな?
とりあえず、軟らかくなれ~!
・・。
・・・。
・・・・。
・・ん?
んん??
おお!
軟らかくなってるなってる!
もっと、
もっと、
もぉっと、
むうぉぉっとぅおお──
《!?》《オイッ!?》《ヤバイ!》
「うわああ・・軟らかくう・・なりすぎたああ・・・」
◆◆◆
「──ふうっ」
《シンパイ》《シッカリ》
『カウロヤテシニチンミ!?』
「御免ね?
かなり難しい超能力でさあ、いや、ホント」
今、俺の持つ超能力を整理すると──
魂【霊感】
魂【テレパシー】
外【吸魔】
外【保護色】
外【超五感】
外【硬度変化】 ←新
?【シモが出ない】
──かな。
今迄の超能力は自然に発動するか、一括操作出来た。
けど、【硬度変化】に関しては身体の「どの部分」を「どれ位の硬度」にするか、の、調整がメチャクチャ細かすぎる。
(右腕の肘が二つになったりしたしね。)
コレ、あの「ズレた」感覚といい本来はもっと成長してから得られたチカラな気がする。
だけど使いこなせれば、攻撃に守備に、【保護色】と組合わせれば三人組とかの暗サ──ゴホンゴホン、かなり便利な能力になりそう。
◆◆◆
【硬度変化】の練習がてら、【大石】集め。
出てきた【大石】をウッカリ触ったホムンクルス (初対面の時【石】を見てヨダレを啜ってた人) が、鼻血を出して気絶した。
すぐ復活したけど変なテンションで《カミヲミタ》とか言ってたのが微妙に恐かったよ。
今だに【石】を食わずに触れるホムンクルスは俺とリーダーだけなんで、救助隊の人間に【大石】を持ってもらう。
あの袋・・100Kg超えてんじゃね?
ソレを軽々二袋背負ってる。
幼女がワーキャー言ってる。
・・ムムム。
俺も目指すか、マッチョメン!