11◆センジ、超能力やマスターの事を学ぶ。(でもやっぱり興味無い。)
11◆センジ、超能力やマスターの事を学ぶ。(でもやっぱり興味無い。)
◆◆◆
《来たか》
来ましたよ。
予定外の二人も一緒にね。
幼女は手を挙げて挨拶、救助隊隊長は・・リーダーを警戒している。
いくらこの街のやり方に反発し、ホムンクルスに同情的だろうと犯罪者を逮捕する立場の者。
そしてリーダー、彼女も救助隊隊長を警戒している。
ずっとこの街に居て・・乱闘騒ぎも見てたのなら、ホムンクルスに悪感情を持って無いって知ってるんだろうけど・・人間である以上別問題なんだろうね。
まぁ反発っていうより、お互い気不味い感じかな。
俺と幼女が二人に笑いかけながら山へ向かうと慌てて並んで追ってくる。
◆◆◆
例の山に到着した。
入口辺りで人数分の薬草を採取。
(俺と幼女だけが採取出来て、救助隊隊長とリーダーはほぼ役立たず。)
境界線を越えた途端に【霊感】の働かない場所から足音がしたので特攻。
【石の獣】は離れた場所からコッチを発見した時、必ず超能力を使う為、大きな間を作る。
その隙に距離を一気に詰めスピードの乗った一撃を急所に当てれば幼児でも簡単に仕留められる。
んで、ソレを見た幼女の才能が開花しまくってる。
元々、俺やジイサンの真似をするのが好きだったが、【石の獣】を倒した方法をイキナリ真似してみせた。
(しかも俺よか完璧に。)
コレには大人二人もビックリし、お互い負けてなるものかと奮戦。
全員が10匹は狩ったトコで廃墟組に嘘つき呼ばわりされた理由も分かってきた。
俺の狩った奴以外から【石】は殆ど出てこず、出ても換金屋で見た砂粒よか小っちゃい。
『ワァ~』
『────』
『ム・ゥ・・!』
幼女ははしゃいで俺を尊敬の目で見てくる。
救助隊隊長はやっぱり絶句。
リーダーは身震いしながら《・・吸魔》と呟くと、救助隊隊長がギョッとして出来の悪いラジオ体操を俺に見せてくる。
・・意味が分からん。
すると幼女が、普通の石を黒から段々と白に変わるよう並べていく。
色の変化・・【保護色】か!
【保護色】でコンガリ日焼け色に変わると、救助隊隊長がリーダーに『ほらみろ!』みたいな顔を向けてる。
幼女にはジェスチャーが合ってたらしいんでナデナデしておく。
喜ぶ。
可愛い。
「で、【保護色】がどうしたの?
さっきリーダーが溢した【吸魔】ってのと関係有るんでしょ?」
《超能力 二種類 魂系と外系》
「魂系・・魂の持つ能力の拡張的な?
例えば・・そう、【霊感】や【テレパシー】とか?」
《正解 【石の獣】も ホムンクルスも》
「外系はソレ以外・・【保護色】や【狼擬き】の【土飛ばし】もか。
【吸魔】も?」
《外系 普通一個 二個異常》
「そんな事言われても・・あ、【超五感】は?」
《~~~~!?》
俺が他にも超能力っぽいのを持ってると知るとリーダーは軽く立ち眩んでいた。
◆◆◆
奴隷を産み出す商売は儲かるらしく、下級のマスター (体内に【石】を持ってない生物は超能力を使えないけど、稀に【石】を加工する位なら出来る人が居るらしい) 制作のホムンクルスでも売れるそうだ。
自己紹介でも言ってた通り、リーダーは凄いマスターに創られたトップクラスのホムンクルスで、二位以下をぶっちぎってるらしい。
そのリーダーでさえ、外系超能力は【魂強化】【身体強化】の二つしか持ってないとの事。
マスター、ねぇ・・。
俺を創ったのはほぼ間違いなくあの骸骨なんだろうけど・・どうでもいいや。
あんな沢山のホムンクルスを保護できる組織を運営するリーダーの方が絶対凄い。
けど、なんか凄ぇキラキラした目で見つめられる。
面倒事じゃなきゃイイけど。
《組織 入れ!》
・・面倒そう。
リーダーの宣言に救助隊隊長も負けじと腕章 (隊員が皆着けていた) を俺に向ける。
幼女もホッぺを膨らまし、三人で俺を包囲しグルグル回ってきた。
──ナニ、この儀式。
・・超面倒そう。
大岡裁きが二人で引っ張りあいならコッチは三人で引っ張りあいだ。
はい俺の勝ち♪
(負け。)
・・とりあえず、幼女の頭を撫でておく。
幼女喜び大人二人項垂れ。
はいはい、サッサと【石】集めるよ!
◆◆◆
どうやら、コレを商売に出来るのは今んとこ【吸魔】という、【石】の材料になる光を吸収・石化させる超能力を使える俺だけ、だそうだ。
他の人が【石の獣】を狩っても、偶々偶然砂が出るのを待つだけ、無駄になるんで食事休憩を挟んだら、俺一人で狩り、残りはサポートに決定。