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8◆センジ、就活を考える。(1金の玉=1円。)

8◆センジ、就活を考える。(1金の玉=1円。)


◆◆◆


俺と幼女の治療費は全額5万2千、ジイサンの治療費は月7万5千 (五ヶ月)、食料生活用品代、その他を払う。


因みに納税の類いは救助隊事務係のお姉さんがタダでやってくれた。

(何故か金や書類の受け渡しの時、手を握りながら鼻血を出してたけど。)


残り5万ちょい。

ジイサンはココでの入院生活なんで、俺達二人の一月の生活費としては十分以上らしい。


でも今回みたいな不測の事態を考えると、幼児二人で採取出来る野草薬草の量だとなぁ。


やっぱ【石】を仕事にするか。


だけど普通は生活費になる程の【石】は取れず、だからオバサンはあの建物へ案内した。


【石】とあの【剣と盾の建物】が関係あって、例の三人組が出てきた。


あの三人組の仕事は何だ?


【四ツ目熊】の子熊の死体──

食肉か剥製か・・捕獲し売るって仕事だろうね。


【四ツ目熊】は【石の獣】ではないけど生き物を殺し、糧を得る、って意味じゃあ同業者・・か。


あの建物へ行かなきゃ【石の獣】を確実に【石】へ変える秘密が分かんないのかなぁ?


・・ヤダなぁ。

もういっそ、【石】に出来るんだしソレでイイじゃーん♪


──って訳にはいかんよねぇ。


いつ、他の皆と同じ様に【石】が手に入らなくなるかもしれないんだし。


・・そういやコレ、【超五感】や【保護色】と同じホムンクルスの超能力なのか?


・・・・。


──今までジイサンや幼女に、ホムンクルスだとバレるのが怖くて人前で使わなかったチカラ。


バレた今なら関係ない。




「みんな、コッチを見て」




さっきまで黙ってた俺が急に語りかけ、『?』と、皆の視線が集まったトコで・・消える。




『はっ・・!?』




【保護色】なんで、正確には見えづらいだけ。

服は当然残る。

反応は・・呆然とする人、感嘆する人、様々って感じだ。


幼女は・・ビックリした様子で俺の顔をペタペタ触り、みんなの方へ振り返って──




『ドヤアァァ・・ッッ!』




何故か物凄いドヤ顔を見せている。

両手を腰に当て鼻息もフンスと荒い。

・・まあ、気持ち悪がられて無いし良かった。


みんな、幼女の様を見てプッと吹き出し笑っている。

ジイサンも。



◆◆◆



笑いが収まってきた所で、




「ホムンクルスの狩人、戦士は居ませんか?」




と、語りかけながら『弓を引く』『剣を振る』ジェスチャー。


やっぱちょっと分かりづらいかなぁ?


けど皆がポカンとする中に一人【四ツ目熊】騒動の時、俺に応急処置を受けた内の一人で、救助隊の中でも特に俺達に気を使ってくれる人が苦い顔をした。


その人をジッと見つめる。

ジィ~~ッと見つめる。

幼女も真似してきたので二人でジィ~~ッと見つめる。


壁際に追い詰められ、観念してボソボソ語る内容に一部の人がザワつく。


救助隊隊長もその一人でオバサンの時より・・困惑が勝ってるが、怒ってもいる。

・・なんとなく想像はしていた。




「犯罪組織・・ですか?」




『手錠にかけられた』ジェスチャー、『檻』を指差す。


流石に犯罪者を毎日の様に見るだろう人達には、一発で通じたっぽい。


ホムンクルスを首輪で縛るような街だ、自分の意志で戦うホムンクルスなんて絶対に認めやしない。


いるとしたら・・、

主人無しの犯罪者 (扱い) だ。


そういうホムンクルスはどうやって【石】を食えてんのか?

俺みたく人間の協力者がいるのか自力なのか・・。




「ソコに行きたい!」




扉を指差すが皆、難色を示す。

まあ、俺に被害があるか・・俺も犯罪者の仲間入りするか、を想像してるんだろうね。




『レホ』




何時の間にか地図を手にしていたジイサンが一点を指差し、俺の頭を撫でる。


皆が『えっ?』となってる間に礼を言い、地図の場所へ。

幼女も当り前についてくる。

誰も俺と幼女に追い付けなかった。



◆◆◆



辿り着いた地図の場所は街でも古い区画っぽく、門は有るけどその先は獣道すらない深い森。


何故、精巧でもない地図でココまで来られたかというと──


──地図を持ってウロウロしてる俺と幼女に気付いたホムンクルスが主人の目を盗んで何処かを指差しているのに気付た。


指差す方へ向かった先でウロウロしてたらまた別のホムンクルスが──


──という流れの結果だ。


ホムンクルスにとって大事な場所の筈だからね。


ココを探すホムンクルスも、ソレをコッソリ応援するのも、この街に住むホムンクルスの大事な裏行事なのかもしれない。

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