8話 武器を買おう!
更新がテストだったため遅れてしまいました。すいませんm(_ _)m
少し歩くと武器屋にたどり着いた。すぐ近くにあったじゃん。
武器屋に入ると小さい剣から大きい剣、ハンマーや弓なんかもある。
「色んな種類があるな」
武器っていっても何を買えばいいのか全く分からん。ハンマーとかは腕もげそうなぐらい重そうだし弓とかは俺に使いこなせるのか……?
「他の国には普通こんなに武器は無いわよ。まあビースト族は力がある種族だから武器を使う人が多いってことね」
「そうなのか。お前は何の武器にするんだ?」
「魔法が使えるんだから魔法の杖に決まってるじゃないか!」
胸を張って俺をあざ笑うルシエラはそれはそれはウザかった。
「あっそ……俺はどうしようかな」
どの武器が俺に合うのだろうか。喧嘩も滅多にしない俺は凶器とか持ったことないし剣なんか日本で持ってる人なんてほぼいないと思う。
「ハルトハルト!」
「ハルトですが何か」
ルシエラが俺を呼びながら指さしたのは他の武器より1回りほど小さい剣が沢山置いてあった。よく見ると細さや長さがそれぞれ少し違う形状になっている。
「おお! これなら俺でも使えるかも!」
そこに自分の足のくらいの長さで銀色に光っている細めのいかにもゲームのような剣が立ててあった。
「これくらいなら持てそ……って重っ! 見た目と比べて重い!」
まるで巨大な石でも持たされたかのような重さに耐えきれず落としてしまった。
普通に持てるかと思ってたけどこの大きさでこんなに重いのか……小学生ぐらいの重さだぞこれは。
「こんなに重いの振り回すのは無理だ! もっと小さいのは無いのか?」
情けないがもっと小さい剣にするしかない。能力オールGだから武器でそんな変わる事は無いと思うし。
「じゃあこれは?」
ルシエラが持ち出してきたのは包丁より少し大きい刃の鋭い安そうなナイフだった。
「えっ。これナイフじゃん。武器じゃないじゃん」
生前の世界なら武器と充分言える物だが魔法とかを使うヤツが山ほどいるこの世界からしたらただのナイフに過ぎない。
「でもこれしか小さいのは無いよ? 値段も1000クミアで安いしこれでいいじゃん」
「クミア?」
クミアってなんだ。値段と言っていたし日本で言う円みたいな感じか?
「値段の通貨単位だよ。日本の円とかと同じ」
やっぱりか。覚えとこう。クミア。
「しょうがない。じゃあこれにするか。んでお前は決まったのか? 杖だろ?」
ルシエラが嬉しそうにニコニコ笑う。いい杖でも見つけたのだろうか。
「私これがいい!」
そう言って俺に見せたのはピンクっぽい紫色の先端に青くて丸い球の様な物がある杖だった。
「じゃあそれにしよう。ところで値段は?」
まあ見た目からしてそんな特別な物じゃ無さそうだし安く済むだろう。
「10000クミア!」
元気に言うルシエラは無邪気な笑顔で俺を見る。まるで玩具を買ってもらう子どものようだ。
「あのールシエラさん。それ俺の剣の10倍するみたいなんですけど」
「そんなの知ってるよ」
真顔で当たり前のような反応を見せるルシエラにオレは軽く拳を頭にぶつけた。
「いたっ! 何するのハルト!」
「何するのじゃねえ! 宿に泊まる金もとっとかなきゃいけないのにそんな高いの買えるか! 違うのにしなさい!」
母親のように怒るとルシエラは今にも泣きそうな顔をする。
「ちゃんとハルトと一緒に戦うから! ハルトの言うこと聞いてちゃんとするから買って!」
涙を目に浮かべて俺に顔を近づけ上目遣いで言うルシエラは少し、いやめちゃくちゃ可愛かった。
「しょうがないな……きょうだけだからな」
別にルシエラが可愛くて許してもいいかなとか思ったわけじゃない。ただ今回は許してやっただけだ。ただそれだけ。
「やったー! ありがとうハルト!」
子どもみたいに腕を上げて喜ぶルシエラを見て俺は買ってあげて良かったと少し思ってしまった。
「ところで今金はどれくらいあるんだ?」
そう言うとルシエラが男から貰った袋の中身をごそごそと漁って「12000……13000……」とブツブツと呟く。
「15000クミアあるよ! これなら宿代も足りるから安心だね!」
足りて良かった……もしかしたら全然入ってないんじゃないかと思ってた。
「じゃあ買ってくるから外で待ってろ」
ルシエラが楽しそうに鼻歌を歌いながら外へ出る。杖を買ってもらうのが相当嬉しいのだろう。
カウンターへ行って金を払い武器を買うという目的を達成することが出来た。