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7話 絶体絶命

前回のあらすじ


なんか戦う事になっちゃいました。

 ルシエラの『スタート』の声とともに男が大きい拳を握りしめて俺の腹をめがけて殴ろうとする。


「おわっ!?」


 危うく直撃する所だったがなんとか横にステップを踏んで避けることが出来た。

 しかし避けた瞬間に自分の異変にすぐ気づいた。


「おいルシエラ!!能力生前と変わってない……ってうわっ!?」


 ルシエラに言いかける途中で男が二発目を一発目よりも強く放つが後ろに下がって避ける。


「よそ見とはいい度胸だな」


 男は俺を睨みながらニタァと笑った。


 ヤバイ。なんか俺喧嘩売ったみたいになっちゃってる……


 今度は顔に向かって殴ろうとしてきたがこれもしゃがんで避けた。


「ちょ、ちょっと待て!!タイム!タイム!」


 体制を立て直しまた殴りかかろうとする男に向かって一時停止を頼みかけるが男は聞こうとしない。いや、聞いてて無視をしているのかもしれない。


「問答無用!!」


 そう言いながら息を荒げ男はまるでボクサーのように俺を殴ろうと何回も拳を突きつける。


「おい!頼むから止まってくれ!おい!とまれえええええええ!」


 予想外だ。アヌビス族は素早いから楽々に勝ってお金ゲット〜みたいなハッピーエンドが来ると思ってたのに!


 なぜ生前と能力が変わらない!?


 だがなんとか奇跡的に避ける事が出来てる。しかし急に足を動かしたせいでガクガクだしもう避ける事はできない気がする……


 ってかあと何秒耐えればいいの!?まだ!?ジーザス!!


「あと3秒!!ハルト頑張って!」


 あと3秒か……


「ちょこまかと避けやがって!当たれ!」


 そう言って男は俺に膝蹴りをかまそうとする。


「おい!足は反則だろ!」


 急な攻撃に耐えられず尻餅をついた。


 クソッ……立ち上がる余裕も避ける余裕も無い。どうすれば……


「フッ!これで終わりだ!」


 男が拳に力を込めて手を振りあげる。


 何か殴られずに済む方法は無いのか!?考えろ!考えろ俺!!

 尻餅をついて避ける暇も無い俺を殴ろうとする男。この状況をどうにかする方法はーー


 あった……だがこれは人間としてあまり良くない事だ……しかし今の俺にはこうするしか無いんだ。


「うおおおおおお!」


 その唸り声と共に思いっきり男のがら空きの股間にめがけて足を振りあげる。


「グハッ!」


 その足は見事に大事な所に命中した。それと同時にルシエラの元気な『0!』という声が聞こえる。


 男はうう……と股間を抑えかがみ込む。


「よっしゃあ!!耐えたぞ!」


 息を荒げながら叫ぶ。

 1発も当たらずに耐えることが出来た!!少し卑怯な気もするがまあいいだろう。


「うっわ痛そ……ハルト最低」


 勝ったのにおめでとうの一つも無いのかよ……でも確かに痛そう。思いっきり蹴っちゃったし。


 男は痛みが収まったのかよろよろと立ち上がる。


「フン!元から金を渡す気は無かったんだ!トンズラさせて頂くーー」


 男は何故か周りを見て冷や汗を流す。


 ん?急に周りを見てどうしたんだ?何かあるのかーー


 そう思い周りを見たらなんと人だかりが出来ていた。しかも凄い人数の。


「クソッ!!覚えてろよ!」


 そう言って金の入っている袋を投げて男は去っていった。股間を抑えながら。


「やっぱり痛かったのか……あ、お騒がせしてすいませんでした」


 そう言いながら周りの人達に頭を下げる。恐らく喧嘩か何かだと思って見ていたのだろう。


 すると周りの人達は


「絡まれたのが弱い奴で良かったな」


 などと言って去っていった。


 え?アレで弱い?嘘だろ?俺死にかけたんだけど。


「アレが弱い方ってマジ?」


「マジだよ」


「マジかよ」


 まあ俺でもなんとか避ける事が出来てたから弱い方なのかな……


「んでルシエラさん。説明してもらおうか」


 少しルシエラには説明して欲しい事がある。場合によっては怒るが。


「何が?」


 ここまで言って気づかないとかやっぱりバカだな……もう一々言うのめんどくさいんですけど。


「だから!なんで俺の能力が生前と変わってねえんだよ!素早さBだったんじゃねえの!?危うく死ぬところだったんだけど!」


 ルシエラはその状況を把握して驚嘆(きょうたん)する。


「え?アレ本当だったの?場を和ませるためのジョークかと思ってた……」


 は?


「んなわけねえだろこの野郎!!」


 ルシエラの肩を思いっきり揺さぶる。するとだんだん顔が青くなっていく。


「ハ、ハルト。酔っちゃう!ストップ!」


 流石にここで虹色のアレを出されるのは嫌なので仕方なく止めた。


「本当は知ってた。だって素早さBあったらあんな遅い行動しないしあんな気持ち悪い動きにならないし」


 気持ち悪いってなんだ。


「私も分かんないから武器買ったら誰かに聞いてみようか」


 ルシエラが歩き出す。俺もそれについて行った。その顔はいつもの気の抜けた顔ではなく至って真面目な顔だった。


 お、やっと神らしく動いたな。良かった。コイツちゃんと出来るじゃん。てっきり何も出来ないかとーー


 そう思っていた直後ルシエラが急にこっちを向いて俺にこう訪ねた。


「武器屋って……どこ?」


「分かんねえのかよ!!」


 やっぱりバカでした。



更新が遅れてすみません!テストが近いため少し遅くなってしまいました。


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