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4話 status

日曜日に遅れてすみません!


 街に出たら武器屋や食事をする店が沢山あり、武装したビースト族がちらほら居た。


「おお!ここが説明してたデバンか!」


 歓喜のあまり声が出る。まるでゲームの街のようだ。

 だがもっと驚くことがあった。


「ビースト族って動物みたいな耳とか尻尾とか生えてんだな…」


 なんとなく予想はしてたが実際見るとやはり驚く。

 こういうのは俗に言う擬人化みたいな感じか……実際見れるとは感激だ。


「まあ種類は異なるけどね。ライオン種も居ればイヌ種もいるよ」


 そう言われて歩くビースト族をよく見たら確かに色んな動物の種類がいる。


 ビースト族を見ている俺にルシエラは言った。


「まず最初は種族を設定してもらおう。それをしてからじゃないと何も始まらないからね」


「どこに行けばその設定が出来るんだ?」


 正直この世界のシステムはほぼ分からない。

なにせルシエラがそこまでちゃんと説明してくれないからな。


「あそこの建物はクエストを受けたりする所なんだけど種族設定も出来るんだよ」


 ルシエラが指を指した所は大きな家のような建物だった。


「でかい建物だな…」


 普通の一軒家三つ分ぐらいはある。



「んじゃ入るか」


 その建物の中に入ると強そうなビースト族がパーティらしいものを組んで作戦を立てたり話したりしている。


「強そうな人が沢山居るわね。さすがビースト族」


「種族設定する場所はあそこか」


 受付所が沢山ある中一番端に「種族設定受付所」と書いてある受付所がありそこには金髪の受付嬢がいた。


「すみません。種族設定がしたいんですけど」


 おどおどした声で言う俺を見てルシエラはクスクスと笑う。


 ここでもコミュ障発揮かよ……


 自分の唯一嫌いな性格の一つだ。どうも他人に接する時に緊張しておどおどしてしまう。


「種族設定ですね!」


 そう言った受付嬢の声は元気で明るい。よく見るとウサギのような耳がついている。

 まるでコスプレみたいだな……直に生えてるとは思えない。


「ではこちらへどうぞ!」


 そう言って奥の部屋へ案内する受付嬢の指示通りに俺は丸い形をした機械のような物の前へ座った。


「こちらは種族とステータスが分かる機械です。ここに手をかざして下さい」


 言われるがままにその丸い機械に手をかざすとその機械は光りだした。


「なんかすげえな…。」


 やがてその光は消えて1枚の紙が出てきた。

その紙を受付嬢が取って見る。


「えーと、あなたの種族は……えっ!?」


途中まで読んで受付嬢は驚いて固まり俺を見てまたその紙を見る。


「凄いですよ! 今のところ1000人に至らない程で最強の種族である神の種族です!」


凄い必死に言われてまさかと思ったが紙には「種族 神」と書いてあった。


「マジか! よっしゃあ!!」


嬉しくて思わず声が出る。

まさかマジであの神の種族になれるとは。


「ふ、ふん! まだ神種族だから強いとは限らないし何の神の種族かが一番大事なんだから!」


悔しそうな顔をするルシエラを俺は見下すような目で見た。


「どうだルシエラ! 絶対ならないとか言ってたよなあ? 今まで馬鹿にしたバチが当たったんだろうな! ハッハッハ!」


今まで溜まってたうっぷんを晴らして最高の気分だ。


「えーっと神の種類は……アヌビス神ですね」


途中まで読んで受付嬢が急に普通の反応になった。


「ア、アヌビス……ププッ……やっぱりハルトらしいわね……」


 腹を抱えてルシエラが俺を指さし盛大に笑う。


 なんで笑ってんだこいつ……アヌビス神ってのはどんなのか分からんがなんかあまりいい予感がしない。


「説明するとアヌビス族は知力がとても高くて動きがとても速いことで有名な種族なんです」


 なんだ。すげえ強そうな感じじゃん。


「普通に強そうじゃないですか」


「ですが!攻撃力が極端に低く魔法が使えない種族なのではっきり言って戦闘型より作戦を考えたりする方が得意な種族で言ってしまうと物理的な強さは他の種族と比べて相当低いです」


 少し悲しそうに受付嬢言う。

 

つまり力は無いってことか?マジかよ。あんなに喜んだのが馬鹿みたいだ……ルシエラをあんなに罵倒してた自分が恥ずかしい。


「マジかよ……神の種族なのに……」


 心底へこむ俺を見てルシエラは心底嬉しそうに笑う。


「神の種族になれて良かったわねハ、ル、ト! まあアヌビス族は戦力が神の中で一番低くて普通の種族の中でも下の下の方だけどね!」


 俺はどれだけ馬鹿にされたら気が済むんだ……しかも今神の中で一番戦力低いって言ったよな?


「そ、そこまで言わなくても……

大丈夫ですよ!別に戦えない訳じゃ無いですし気を落とさないでください!」


 受付嬢が必死に慰めようとする。


 こんなに優しい人が居たとは……こっち来てから誰にもフォローされなかったからすごく人が優しく感じる……


「で、ではステータスを見ましょうか!ステータスはAからGまであって体力、攻撃力、魔法能力、素早さ、知力の5つがあります」


 受付嬢はおそらくステータスが書いてある紙を見るがよく分からない顔をしている。

 

もしかしてステータスもクソとか救いようもない事は無いよな?流石にそれは無いよな。うん。


「見た方が早いと思いますでご覧になってください」


 あ、逃げた。この人逃げたよ。んでルシエラはずっとニヤニヤしてるし何なんだマジで。もう帰って寝たい……


 しぶしぶと紙を受け取って恐る恐るステータスを見ると予想通りだった。


体力 G


攻撃力 G


魔法能力


 と書いてあった。

 もうここまで見て絶望しそうだから後はもう見なくていいかな…


「ププッ!今の所全部Gじゃん」


 続きを見ようとした所でルシエラが馬鹿にしてくる。

 ここはキレないで我慢だ俺……いくらウザくても殴るのはダメだ……


 つい出そうになる手を抑え素早さと知力を見た。

 だが予想外の展開に唖然した。


「素早さと知力がBだ!どうだルシエラ!!俺の力思い知ったか!」


 素早さと知力もGかと思っていたから凄く嬉しい。


「でも他Gじゃん」


 ルシエラフッと鼻で笑う。


「ハッハッハ! 負け惜しみか?」


 負けとかないけど。


「フン!私のステータスはきっと見たら驚いて気絶するぐらい高いわよ!」


 そう言ってルシエラは機械に手をかざした。

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