2話 ドルフについて
今回は台詞が多くなってしまいました…
改善できるように頑張ります!
「それじゃあその世界についての説明が必要だね」
やっと真面目に話す気になったか。
「まずこの世界はドルフという世界で国が沢山あり、それぞれの国で権力がランク付けされているんだ」
ランク付けか……弱いところは散々だな。
「それでその国ごとにも種族があるんだ。君が行く最弱の国の種族は確か…ビースト族でデバンって国だった気が…」
うーんと顎に手を当て考えるルシエラ。恐らくうる覚えなのだろう。
おいおい怪しいな……本当に合ってるのか心配だ。
「ビースト族って聞いてそこそこ強そうだと思うじゃん?確かに動物の種族だけあって運動能力は高いんだけど知能が低くてね……作戦とか立てるのが苦手で昔から最弱の国なんだ」
あーたまにいるよなそういうの。能力があるのにバカだから力発揮できない奴とか。つくづくもったいないと思う。
「ビースト族が最弱って事は他はもっとすげえって事か?」
「その通り。魔法が得意な魔術神のエルフ族とか力、魔法のバランスが取れていて知能が高いデーモン族とか色々な種族がいるよ」
色んな種族が居るのか…。そんな神の種族居たらそりゃビースト族が最弱でもおかしくないよな……ってかデーモン族とかモロゲームみたいだな……
「まさかの俺がそういう種族の奴らと戦う事になるのか?」
「流石にビースト族がその辺りと戦う事は無いよ」
良かった……魔法とか使われたらひとたまりもないんだろうな。
「そういえばドルフだっけ?その世界で死んだらどうなるんだ?」
「さあ? 現実と同じように一生を閉じるかもしれないしゲームみたいにリスポーンするかもしれない」
「なんだよそれ」
コイツ絶対知ってるだろ。まあ死ななければいいんだ。死ねば終わりと思いながら生きればいい。
「んで国王になるには何をすればいいんだ?」
「ビースト族はさっき言った通り運動能力が高いから基本的に強い人が上となるんだ。だからデバンの国王は強く無いとなれない」
強くならないとか……俺運動全く出来ないんだけど。
「俺力とか無いんだけどなれんのか?」
「ああ、それに関しては大丈夫。ドルフに行けばランダムでステータスが設定されるんだ
。だから多少はマシになると思う。救いがあって良かったね」
ニマニマしながらルシエラが言う。
まるでゲームみたいだな。まあ能力については安心って事か。
「次は戦闘についてなんだけど種族によって戦い方が違うみたい。ビースト族は普通に殺し合いだね」
おいおいマジかよ……国王になる前に死ぬんじゃねえか?
「それでビースト族と対立をしているインセクト族っていうビースト族の一つ上の虫を操って戦う種族があるんだけど君はその戦いを仕切るリーダーになるぐらい強くなるんだ。それでその戦いに勝てたら君は国王になれるだろう。今国王居ないし」
なるほど。俺が先陣を切って戦って勝つって作戦か。その作戦で行けば高い確率で国王になれるだろう。
しかし1週間で作戦を実行しなければならない。はっきり言って相当キツイ作戦だ。
「ちなみに君の種族はドルフに行ってから決まるからね。そこで国王になれるかが決まるぐらい種族は重要だからまあせいぜい良い種族になれる事を祈っておくよ」
なんか上から目線で腹立つな……
でもせっかくの種族だからかっこいいのがいいな……神とかの種族になれたら相当運がいい方だろう。
「あ、私みたいな神の種族になれる確率なんて無いに等しいからなりたいなんて思わない方がマシだよ」
人の夢を壊しやがってこのクソ神が……
そういえばこいつの種族は何なんだろう?
「お前は何の種族なんだ?」
「そっちの世界は行ったことないから種族は無いよ。あ、ちなみに私の名前はルシエラね」
ルシエラ……なんか神って感じがする名前だな。
「おう。ルシエラな。ダメな神様って覚えとくよ」
「何その覚え方!!酷い!」
酷いのはどっちだ。散々人を笑っといて良く言えるな。
「あ、そうだ。手ぶらで異世界行ってもツライだろうし何か一つだけ欲しいものをあげるよ!」
「マジで?」
欲しい物? 超強い武器とか欲しいな…いやここはやっぱり仲間か?
でも1人で知らない世界に行くってことだよな? どうしよう超不安だし何すればいいとか全く分からん。
あ、そうか。なら人を連れていけばいいのか。こいつは神だしなんかしら役に立つだろう。
決めた! この神様を連れていこう!
「よし。1人で知らない世界行くのも怖いしお前連れてく」
「は!? 何言ってんの!? 絶対やだ! 童貞の国王目指すの手伝うなんてやだ!」
童貞どんだけ言うんですか。
「童貞は関係ねえだろ!いいからお前も行け。じゃないとおっぱい揉むぞ」
「ふぇ!? 何言ってんのこの変態!! 分かったよ! 行けばいいんでしょ! 行けば!」
そこまで怒らなくてもいいのに……まあこれで仲間が1人できた。
「それじゃあ行くよ……何でこんなことに……」
そう言うルシエラは涙を滝のように流している。
神をガチ泣きさせてしまった。これは自慢できるな。友達居ないけど。
「転送するから五秒ほど目瞑ってて」
そう言ってルシエラは魔法陣の様なものを雲に書き始めた。
五秒とか結構短いんだな……
こうして俺とルシエラは異世界へ行く事になった。
読んで頂きありがとうございました!
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